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芸大1年目を終えた雑感。

2022年3月4日

経営者の創造性はどこからくるのかを探求するために、入学した芸大で、なんやかんやありましたが、無事に1年目を終えました。

絵を描く系のスクーリングが夏と冬で計5科目(30日)受講したなかで、自分の体験やアート思考を持っている受講生らと話した経験ではありますが、創造性は当たり前のことですが、自分の中にしかありません。はい、これが結論です。
では、自分の中にある創造性をいかにして発揮するかですが、これにはいくつかポイントがあるように思いました。

絵画表現(経営活動とも近いのですが)で言えば、
1.対象をよく観察すること
2.自由に表現して良いという環境の担保
3.対象や自分との対話
4.1mm(細部)へのこだわり

の4点にあるように思いました。

1.対象をよく観察すること

これは具象的なデッサンをするだけではなく、抽象的な絵画を描く際にも徹底的に観察し、対象を深く理解します。例えば、服を着たモデルでも骨格や筋肉の構造を意識して観察します。経営で言えば、表面的な現象(経営指標)だけではなく、その真因まで理解しているかどうかでしょう。
よく観察することで様々な問題意識や気付きを得ることができます。

2.自由に表現して良いという環境の担保

絵画の授業でも型にはめた課題の際は、アーティストは残念ながら創造性が発揮できないようです。経営で言えば流行りの心理的安全性の担保かな。

3.対象や自分との対話

ここが一般的に経営ではできていないことでしょうか。
アート思考をしている人は、常に対象や自分と対話しています。例えば、何かを描くとき、その対象に心の中で話しかけたりしています。これは何人かのアーティストが話していたことなのであながちデタラメではないように思います。
また、自分との対話というのは、一度自分の中で受け止めるということや、一見すると関係なさそうな自分の中にある断片的な情報などと結びつけるのと近い作業のようにも思います。ここは今後、考えを深めていきたいところです。
このように対象や自分と対話をするためには、単にルーチンワークを回していたり、効率化を重視すると、残念ながら創造性は発揮できないと思います。

あと、結構ぶっ飛んだ発想をする人は、日常からそういったネタを集めている、いや、集めるというよりも好きで触れています。ここの蓄積が創造性の質を変えるように思いました。無から創造性を産むというよりも、やはり有の組合せだと思います。ので、創造性の低い僕も修行次第で創造性を獲得できるように思いました笑

これは、あと1-2年の芸大生活で検証します。

4.1mm(細部)へのこだわり

これも大きいと思います。実体験として、例えば、首の太さを少し変えるだけで印象が大きく変わったりします。色調もどこまでこれるかでしょう。ベストな色が調合できれば、かなり気分が晴れたりします笑
あと、以前はギリギリまで課題に取り組めるかどうかとも思っていましたが、それは関係ないことが分かりました。ギリギリまで粘れば創造性を発揮できることもあると思いますが、絵画で言えば、いつ筆を置くかも大切で、時間をかければ良いというものでもありません。それよりもいかに細部にこだわることができるだと思います。

あとは、そもそも対象が好きになれるか、興味関心が持てるかでしょう。これは土台になるでしょう。3.の対象との対話を促進するための前提条件にもなることでしょう。

僕の場合、人物画の授業であまり上手に描けなかったように思いますが、それはモデルさんに深く思い入れることができなかったためだと思います。以前のコーラ瓶の方が深く入り込めました(笑)
当時、コーラ瓶と対話していなかったのですが、対話していたらもっと良い絵になっていたと思います。

コーラ瓶を再現するために頑張った絵。

創造性を高めるためには、今以上にさらにアンテナを広げることと、常に対象や自分と対話する訓練をしていこうと思います。

とりあえず、芸大1年目の雑感でした。

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