浅草に進出し、丸4ヶ月が経過しました。


10月の末に浅草にバーチャルレストランとして進出します、と言う記事を書いてからもう丸々4ヶ月。5ヶ月目に突入しました。

その後、Facebook等ですらあまり状況を書いていなかったので一体どうなっているのか、と気になっている方もいらっしゃるかと思ったので、この4ヶ月で感じた事、起こった事等をご報告すべく、久々にブログを更新しようと思います。

同業者の方でバーチャルレストランってどうなのよ、なんて気になっている方もいらっしゃるかも知れませんしね。

とりあえずざっくりですが、浅草の2ブランドはお陰様でとても好調です。当面はワンオペを想定していたのですが、事前の想定の甘さも相まって二人体制で毎日営業しています。それくらい忙しくなっている、と言う事です。

まだまだ最終的な目標までは遠いのですが、順調に目標までの道を歩んでいる、と言った感じでしょうか。

11月~2月の売上のグラフ(さすがに具体的な数字は出せませんが好調感はつたわるんじゃないかと♪)

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浅草だけではなく、上野、秋葉原、錦糸町あたりも圏内のハズなので、よろしければ是非一度お試し頂き、感想を聞かせて下さると嬉しいです。

上手く表示されませんが

↓青山とり食堂ひごの屋 浅草店

↑魚がし食堂ほし野 浅草店


前回のブログでご報告したとおり、10月の末に2ブランド同時に浅草でのバーチャルレストランとしての営業がスタートしました。

ちなみに開始直後から「なぜあえて浅草なの?!」と色んな方から質問されまくりましたので、今回はその辺をお伝えできればと思っています。

今回浅草に拠点を構えたわけですが、元々バーチャルレストランをスタートするにあたり、他の飲食店の間借りやレンタルキッチンなど色々な選択肢をリサーチしていました。

そんな中で出会ったのが「キッチンベース」でした。

簡単に言うとバーチャルレストランの集合スペースのようなモノで、建物内には小さく仕切られたキッチンが20以上あり、それぞれがバーチャルレストランとして店舗を構えています。

結論から言うと我々のキッチンはキッチンベース浅草の中にあります。


なぜ他のカタチではなくキッチンベースを選んだのか。さらに、キッチンベースの都内5拠点の中で僕たちがなぜ浅草を選んだのにはいくつか理由があります。

・なぜキッチンベースを選んだのか

上にも書いた様に、バーチャルレストランを構える方法はいくつかあります。恐らくレストランの間借りが一番コストは安いんじゃないでしょうか。

手軽に始める事が出来ます。

それに対してキッチンベースは家賃も高いし、デリバリープラットフォームの手数料だけではなくキッチンベースにも(極少額ですが)手数料を支払わなければなりません。

なのになぜキッチンベースなのか。

1,必要人員が少なくて済む

最大の理由は、配達員への受け渡し等々の業務をキッチンベースが代行してくれる、と言う点でした。

昨年、数ヶ月にわたって僕は一人で休業中の「ひごの屋外苑前店」を使い、豚丼のお店をワンオペで運営していました。社長としての事務仕事をしつつ、注文が入ったらオーダーを作って、と言う感じですね。

その時に感じたのはちょっとオーダーが立て込んだ時の配達員への受け渡し等々が煩わしい、と言う事でした。調理している最中、その前に準備が終わったオーダーを引き取りに配達員が来るわけですが、そうなると一旦火を止め、厨房から出て配達員と注文コードを確認して渡さないといけない。

すぐに厨房に戻って火を付けて調理再開、と思ったら次のオーダーが入ってタブレットが「ぴろりーん」と鳴る。また一旦火を止めてオーダー確認して、、、、と言った具合に、注文が増えれば増えるほど素早く調理しなくちゃいけないのに雑用が調理の邪魔をするわけです。

外苑前での豚丼は多くても1日1~2万円程度の売上だったので、それでもなんとか回っていたのですが、僕たちの目標売上はその5~10倍です。

調理する人間だけでは到底回らない。最低でも2~3人は必要なんじゃないかと思っていました。

しかしキッチンベースでは配達員との受け渡しはキッチンベースのスタッフの方がやってくれます。現地スタッフは調理に集中する事が出来、お陰で僕たちは1~2人で運営することが出来ます。

2,デリバリーのノウハウを共有出来る

以前の記事でリンクを貼った、僕が受けた取材の記事でもお伝えしましたが、飲食店として売上を上げる為のノウハウと、デリバリーで成功する為のノウハウは全く別のモノです。

僕たちの「ひごの屋」はお陰様で55年を超える長寿な飲食店なので、飲食店としてのノウハウは持っているかも知れませんが、デリバリーに関して言えば新人のぺーぺーも良いところです。

ですから青山のデリバリーではコンサルに付いていただき、定期的なミーティングを行い、必要に応じて情報共有して貰いながら運営しています。

浅草ではキッチンベースがコンサルの代わりをしてくれています。定期的にミーティングをして現状と今後のアドバイスを貰いつつ、運営をしています。始める前は浅草もコンサル契約をしなければならないかも知れないと考えていましたが、キッチンベースが自信の直営店での知見や各拠点に入っている数多くの様々な飲食店の成功例失敗例を元にアドバイスをくれます。

彼らとはSlackで繋がっており、常にコミュニケーションが出来る環境を整えてくれています。

専門のコンサルと比較すると足りない部分もあるとは思っていますが、非常に助かっています。

3,拠点の立地

先ほど貼ったリンク先でキッチンベース浅草の立地がわかると思うので、お時間がある方は確認して頂きたいのですが、浅草駅から結構離れた場所にあります。

駅を降りたら浅草寺を抜け、さらにもう少し歩いた先にあるので、お世辞にも駅チカとは言えません。

僕たちが自らバーチャルレストランをやる物件やレンタルキッチンを探していたら、絶対にこの立地は選びませんでした苦笑

なぜこの立地なのかの説明を受けて納得しました。

飲食店にとっての「良い立地」は駅チカが大きな要素だと思うのですが、デリバリーにおいての「良い立地」は、駅チカと言うよりも沢山の駅周辺エリアを内包している事です。

キッチンベース浅草の配達エリアには浅草駅周辺はもちろん、上野、秋葉原、錦糸町等々の名だたる駅が入っています。それら大きなエリアの真ん中辺に立地しているのですね。

お陰で様々なエリアからご注文を頂いています。

4,設備の初期投資リスク

キッチンベースでは各部屋にデフォルトで設備が設置されています。

照明、冷蔵庫、冷凍庫、ガス台、製氷機などですね。

これらを購入しようとするとそれぞれ100万円近く掛かるわけですが、それらは借りることが出来るのですね。

これはスタート時のコストを低く抑えられると同時に撤退を決断した時の腰の軽さにも繋がると思っています。


他にも挙げればあるのですが、大きな理由はこの4つです。

・1の人件費0.5~1人分

・2のライトなコンサル費用

・4の設備投資

これらを踏まえると決して安くないキッチンベースの家賃も少し見え方が変わってくるわけです。


なぜ浅草を選んだのか

正直に言うと、絶対に浅草!と考えた訳ではありません苦笑

キッチンベースの拠点5箇所はどれもよく考えられた立地で、なぜここに拠点を構えているのか、と言う説明を聞くとなるほど、と思うところばかりです。

ですが、だからといって適当に浅草にしたわけではなく。

簡単に言うと、デリバリーにしろ、店舗にしろ、人気店は東京の西の方にどんどん店を構えていて、デリバリーについては特に、東側は西側ほど密集していないからです。

世の中の流れもあり西も東もデリバリーの需要は高まっているワケですが、東側のデリバリーは西ほど充実しておらず、西に比べれば競争が激しくないのです。と言うか西側は既に以上な密度になっています。

浅草、上野エリアは飲食店が非常に多いエリアですが、昔からある店はデリバリーへ進出していません。そこに僕たちのつけいる隙があると思いました。

ひごの屋ブランドも青山では55年ですし、UberEatsでも高い評価を頂いていますが、青山を出れば誰も知らないお店です。手ブラで勝負出来るほど甘くないと思っていました。だから競合が少ない東側を選んだ、と言うワケです。


さいごに別に案件とかじゃないのでw、悪い事も書きます。

ここ最近キッチンベース浅草に空き部屋が目立つようになりました。立て続けに撤退するところが出ているんですね。

上に書いたように、僕はこの家賃は決して高すぎるワケではないと考えていますが、だからといって支払うお金はかわらないので、必然的に目標とすべき売上は高くなります。

青山の店舗でプラスオンの売上をデリバリーで、と考えていた時とは状況がまるで違います。

最近流行ってるから、コロナで店が苦しいから、と軽い気持ちで挑んだ所はあっという間にダメになっていくと思っています。(実際撤退したところが何を理由に撤退したのかは知りませんが)

競合も凄いペースで増えていますよね。

キッチンベースに限らずですが、デリバリーを売上のオマケと捉え、参入のリスクも低いしやってみようか、と考えている人は辞めた方が身のためです。

ウチの青山のように元々店舗があってそこでイートインにプラスしての運営だったらそれでも良いと思いますが、それでも色々と準備があるわけで全くお金が掛からないワケじゃないし商品開発に手間も取られるわけです。店舗でやっているモノをデリバリーにしたとしても店での販売とは容器が変わるしそのまま準備ゼロ、と言うワケには行きません。

商品撮影して、パックを沢山準備して、価格を決めて、商品登録して、タブレット準備して、、、。その甲斐があった、と言う売上まで持っていくのは決して楽なものではありません。

とにかく本気で挑まないと驚く程注文が来ない、と言う厳しい状態に陥ってしまうのが今のデリバリーです。

なんだかんだで青山で始めて今に至るまで、丸2年ほど。ここ半年はホントに本気で挑んできました。僕はコンサルではありませんから所詮は経験談でしかありませんが、お知り合いの同業の方々のお力になれるのなら喜んでお力になります。ぜひお気軽にご相談ください。

頑張って一緒にこの難局を乗り越えていきましょう!


使ったことがないのでよくわかっていないのですが、サポートしていただけたらお店やスタッフのためになる事をしたいと思いますので、よろしくお願いします!