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【アイシャドウは成分名で選べ】現役の化粧品開発者が徹底的に解説

<動画の目次>
0:00 オープニング
2:44 持ちがいい5つのアイシャドウ
3:36 揮発性油分と皮膜成分
4:55 ①Dior オンステージクレヨンの成分解析
7:02 ②BOBBI BROWN ロングウェアクリーシャドウの成分解析
8:17 ③MakeUpForEver アクアレジストスモーキーシャドウの成分解析 9:16 ④REVLON カラーステイ グレイズスティックの成分解析
9:41 ⑤excel グリームオンフィットシャドウの成分解析
10:38 まとめ



コメント紹介

以前投稿したYouTube動画やXのポストがバズりました↓

こちらの動画に書かれたコメントの中に非常に面白いものがあったので、今回はそれを取り上げて解説したいと思います!
(リップティントは関係ないですが笑)

スティック型アイシャドウはなぜ持ちが良いのか?
指で繰り広げる時は簡単に伸びるのに、塗ってから時間が経つと全くヨレない!
フィットした後はかなり強くこすっても本当に落ちないので不思議で仕方がないです。
なぜでしょう?

さらに、以下の5製品を例に挙げてくれました!↓

  • Dior オンステージクレヨン

  • BOBBI BROWN ロングウェアクリーシャドウ

  • MakeUpForEver アクアレジストスモーキーシャドウ

  • REVLON カラーステイ グレイズスティック

  • excel グリームオンフィットシャドウ

今回は、これらの製品について、成分に注目しながら解説していきます!


着目すべき2つの成分

まず、重要な用語を軽く説明します。

①揮発性油分
持ちが良くなる成分です。

②皮膜成分
今回挙げる5製品の中で入っているものと入っていないものがありますが、入っているとより持ちが良くなる成分です。

5つのアイシャドウを解説

<Dior オンステージクレヨン>


下に全成分表示を載せましたが、着目すべきはイソドデカンです。
これは揮発性油分で、メイク持ちが良くなります。

ドデカンです。イドデカンではなく。

では、なぜ揮発性油分がポイントなのでしょう?

メイク製品は基本的に、塗るときは塗り広げやすいほうがいいですよね。なんとなくイメージできると思いますが、軽いタッチでさらさら塗れるものはメイク持ちが良くないのに対し、逆にタッチが重いものの方が密着力が高いです。
しかし、重くすればするほど塗り広げられなくなるため、重くするにも限界があります。

ここで揮発性の油分の出番。

塗ったばかりのときは、油分の膜が張っているため肌の上で動きやすく、指やチップでぼかすのが簡単です。

これがしばらくして油分が揮発すると、膜が硬くなり、重いオイル・ワックス成分・粉末が残るため、べたっとした強い膜ができるんです。

こういうわけで、揮発性油分が入っているメイクアップ化粧品は一般に持ちが良いんですね。

この製品に関してはイソドデカンが配合されているため、塗り広げるときはスムーズで、さらにぼかせる状態ですが、油分が飛んだ後はぴたっと密着するんです。

<BOBBI BROWN ロングウェアクリームシャドウスティック>

この製品で着目する成分はシクロペンタシロキサンです。

先ほどのイソドデカンが炭化水素系の揮発性油分なのに対し、シクロペンタシロキサンはオイルベースの日焼け止めやファンデーション等に使われる、揮発性のシリコンです。
シリコンなので、とても伸び広がりが良いのに、時間が経つと揮発するので、膜が密着しやすくなるんです。

もう1つ注目すべき成分は、トリメチルシロキシケイ酸です。

これは皮膜成分で、膜を硬くする効果があるので、メイクキープミスト等によく配合されている成分です。
他にも、アイライナーやマスカラ、ファンデーションでもよく使われるこの成分ですが、覚えておいて欲しいのは、持ちがいいメイク用品には必ずと言っていいほど配合されていることです。こすっても落ちないような塗布膜ができるこの成分は要注目です!

<MakeUpForEver アクアレジストスモーキーシャドウ>


これにもDiorと同じイソドデカンが配合されていますが、着目すべきは、ポリメチルシルセスキオキサンです。

これも皮膜成分ですが、先ほどのトリメチルシロキシケイ酸より少し柔らかい成分です。これにより、やはり化粧持ちが良くなるような処方構成になっています。

トリメチルシロキシケイ酸はこれまでに何度も紹介してきているので聞き馴染みのある方も多いと思いますが、意外とこのポリメチルシルセスキオキサンもよく使われる成分なので、覚えておくと良いかもしれませんよ。

<REVLON カラーステイ グレイズスティック>


これにも、イソドデカンやイソヘキサデカンといった炭化水素系の揮発性オイルが入っている上に、先ほどのトリメチルシロキシケイ酸という皮膜成分も入っているので、強い化粧膜を作る処方構成になっています。

<excel グリームオンフィットシャドウ>

この中で注目すべきは、メチルトリメチコンという揮発性油分です。

これはシリコンオイルで、BOBBI BROWNのシクロペンタシロキサンのように、非常に軽やかに広がるのに時間が経つと飛んで密着してくれて膜が強くなる役割を果たしてくれます。

他には、何度も登場しているトリメチルシロキシケイ酸が入っているのもポイントですね。

製品の成分表示から読み取ってみる

”揮発性油分(+皮膜成分)” 
がポイントであることをご紹介しました。

今回ご紹介した5製品のみならず、揮発性油分と皮膜成分はセットで配合されていることが非常に多く、アイシャドウだけでなく、ファンデーションやペンシルアイライナー、ウォータープルーフのマスカラも同じような処方構成です。

現代はいろいろな技術がありますが、原理は似ているので、化粧持ちの基本的な上げ方は結構似通っていることが多いです。

メイク持ちを上げたい方は、ぜひこの成分処方を確認してみてください。

まとめ

アイシャドウを選ぶ際には、成分を確認しさえすれば絶対にヨレないアイシャドウを見つけられますし、チーク等でもこのような処方構成になっているものもあるので、チークが消えやすい方は確認してみると良いかもしれません。

ファンデーションにおいては、揮発性油分配合のものがほとんどですが、まずはトリメチルシロキシケイ酸が入っているかどうか、また、トリメチルシロキシケイ酸が全成分表示の中で上位に記載されているかどうかを確認すると良いでしょう。
目安として、6番目以内に入っていれば持ちが結構良い処方になっていると考えてOKです。

今回は揮発成分をいくつか紹介しましたが、その中ではイソドデカンが最も揮発速度が速いです。速乾性に優れ、塗ってからぼかしてフィットするまでの時間が短いことは喜ばしいことではあるのですが、思ったより早く揮発してしまい、ぼかしきれないことが多々あることがデメリットですね…

アイシャドウには、パウダーだったりジャーに入ってたりいくつか種類がありますが、今回紹介した揮発性油分や皮膜成分が入っているアイシャドウは、ボトルだったりスティック状になっていることが多いです。

逆に、揮発性油分を閉じ込めることが容器的にも処方的にも難しいパウダー製品においては、こういった処方構成はほとんど見かけません。
逆に言えば、パウダーは塗った後何度もぼかせるので、修正が効きやすいアイテムであるとも言えます。


私が普段紹介しているメイクの知識は理論に基づいているので、普遍的に使えます。今回ご紹介した5製品に限らず、他のアイシャドウ、さらには他のジャンルの化粧品にまで応用可能な知識です。
継続してnoteを読んでいただくと(YouTubeやXも!)メイクに詳しくなり、上手にもなると思います。何より、メイクするのが楽しくなるんじゃないでしょうか。

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また、他の動画で、日焼け止めの選び方、日焼け止めの落とし方、日焼けしてしまった後のケア方法、毛穴と角栓についてのお話等についても詳しく解説していますのでぜひ見てみてください。
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