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【去年の日焼け止めって使えるの?→はい、使えます】<現役の化粧品開発者が徹底解説します>

みなさんこんにちは。
化粧品開発者の みついだいすけです。

みなさんは去年開封した日焼け止め、どうしていますか?
「もう効果ないかも・・・」「劣化しているかも・・・」と捨てようとしてる方、もったいない~!その日焼け止め、まだまだ使えます。

今回は「去年の日焼け止め、今年も使えるのか問題」について、解説します。


X(Twitter)で「去年の日焼け止め、全然気にせず使ってください!」と発信したところ、結構反響がありました。

こんなツイートをしたのですが、2500いいねがつきました!

このツイートの真意は「日焼け止めってそんなに簡単に劣化しないよ」ということです。

日焼け止めは1年程度では劣化しない

現役の化粧品開発者の私の知見から言うと、日焼け止めは未開封でも、封を開けて使っていたとしても、そんなに簡単に劣化しません。

このことをツイートしたところ、大きな反響を頂きました。
美容関係者や化粧品開発者でこんな発信をする方は、そうそういないと思います。
「そんな無責任なことを発信するな」と怒られるリスクもあります。

ただ私は、去年の日焼け止めを使い切れなかったからといって簡単に捨ててしまうのはもったいない!という気持ちがありますし、実際に日焼け止めが劣化するメカニズムも知っています。

今回はこの「日焼け止めが劣化するメカニズム」「開封して1年たった日焼け止めも使える」ということを解説していきます。

なぜ去年の日焼け止めを使いたくないのか

1年前の日焼け止めを使うのが怖い!と思う心理

「1年目の日焼け止めを使うのが怖い」という心理を推察するため、SNSなどで調べてみたところ、大きく分けて3つの不安要素があるようでした。

① 菌が増殖しているんじゃないか? 

「去年使っていたものだから、菌が混入して腐っているんじゃないか」「菌が繁殖しているんじゃないか」という問題ですね。

これについては、ほとんどリスクがないと思います。
というのも、日焼け止めには必ず防腐剤が配合されています。

防腐剤というのは、文字通り菌の繁殖を抑えて腐らないようにするための成分です。
日焼け止めにはこの防腐剤が十分量配合されているので、腐ることも菌が繁殖することもありません。

実際に日焼け止めを開発するときには、そこに菌を入れてみて、菌が増殖しないか、死滅していくかどうかの試験をします。

そういった試験データやこれまでの知見に基づいて日焼け止めは開発されているので、安心して製品を使うことができます。

また、日焼け止めは容器の形からも菌汚染リスクは低いです。

お手持ちの日焼け止めやドラッグストアの日焼け止め売り場を思い出していただくと、チューブやボトルに入っている製品がほとんどではないかなと思います。

チューブやボトルはほとんど肌に接触しませんよね。
肌に接触しないという意味で菌の混入リスクが少ない、プラス
処方上も万が一菌が混入しても増殖しない(もしくは死滅する)ので、
一年前に開封済みだったとしても、日焼け止めの菌汚染リスクはとても低いです。

②効果が落ちていそう

「紫外線吸収剤や紫外線散乱剤などの紫外線防御効果が激減しているんじゃないか」「日焼け止めの効果が無くなっているんじゃないか」という問題ですね。

まず、紫外線吸収剤はそんなに劣化する製品はありません。

そもそも化粧品の品質保持期限は未開封で3年と定められているので、
一般的に市場に出回る日焼け止めは3年間効果が落ちないように作られています。
開封した場合でも、紫外線防御効果が激減することはほとんどないです。

例外として、T‐ブチルメトキシジベンゾイルメタン(通称:アボベンゾン)という紫外線吸収剤は結構分解が早い成分なので、この成分だけ気を付けていれば大丈夫です。

紫外線散乱剤の方については、細かい粒子なので、時間がたつと凝集といって固まってしまう現象がたまに起きます。
これによって紫外線防御効果が落ちることもゼロではないですが、こちらも化粧品の品質保持期限の3年保証が担保されるように作られているので、開封されたからといって効果が激減することはないです。

③中身が劣化していそう

「日焼け止めの中身自体が劣化しているんじゃないか?」「油分が酸化しているんじゃないか」という問題ですね。

これについても開封したからといって、一気に酸化するということは考えなくて大丈夫です。

開封したことによって酸素に触れる部分が大きくなるとは思うのですが、酸素にさらされて分解が一気に促進する成分は限られていますし、そのような成分が配合された日焼け止めはあまり無いです。

また、酸化のリスクというとオイル成分を思い浮かべる方も多いと思うのですが、これもそんなに心配はいらないです。

去年の日焼け止めは使っていい

私の知見では、去年の日焼け止めが1年で劣化するということは考えにくいです。

少なくとも未開封3年とされているもので、1年前に使った時点で製造から2年以内のものに関しては、そこから一気に劣化することは無いと思います。
もちろん、リスクがゼロではないので「自己責任でお願いします」という部分はあるのですが、リスクの大きさから考えると、「そこまで心配しなくていいんじゃないかな」というのが私の見解です。

注意が必要な場合

例外として、過酷な保管条件に置かれていた場合は注意が必要です。

例えば、車の中に1年置きっぱなしで夏場に40度50度の状況で保管がされていた等の場合は、品質の担保は難しいので使わない方が良いと思います。

まとめ

去年の日焼け止めは、普段生活しているような環境で保管されていたものであれば、普通に使って大丈夫です。
オイルベースであろうが、ジェルタイプであろうが、ノンケミカルであろうが、日焼け止めのタイプは問いません

今回はちょっと思い切った発信内容だったのですが、日焼け止めの開発現場を知っているからこそ「そこまで心配いらないよ!」「もったいないから使ってよ!」という気持ちを、お話させて頂きました。

今後も日焼け止めに対するもっとマニアックなお話や、
こういう状況ではどうなの?」ということがあればコメントを頂ければ回答して、それを元に動画を撮影したりしようと思っています!

日焼け止めに対する疑問や感じていることなど、遠慮なく頂ければ嬉しいです。

このブログの内容は、YouTube動画でもご覧いただくことができます。
また、他の動画で、生活スタイルやレジャーに応じた日焼け止めの選び方や、日焼け止めの効果的な塗り方、日焼け止めに配合されている紫外線散乱材の1つ「酸化亜鉛」等についても詳しく解説しています。
紫外線や紫外線対策、日焼け止めについての知識をまるっと得ることができるので、
気になった方はそちらもあわせてご覧ください。
 
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