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後記「スタートアップの中の知財の人でとことん議論しよう」(安高史朗の知財解説チャンネル)

サマリ

【媒体】Youtube

【他の登壇者】

  • ファシリテータ:安高史朗さん(IP Tech弁理士法人)

  • ゲスト:羽矢崎聡さん(エイターリンク(株))

  • ゲスト:松丸美央さん(バカン(株))

【トークテーマ】

・スタートアップにおける知財担当の業務範囲(どこまでを担当にしているか、すべきか)
・スタートアップにおける知財担当の業務内容(実際どんなことやってるの?)
・スタートアップの一人目の知財担当っていつ入るべき?その目安。最初の仕事量
・日々の悩み
 ・知財戦略と管理、どっちに重点を置く?
 ・社内コミュニケーション
 ・どこまで拾うか?ルール
・みんなスタートアップにおいでよ。
 ・スタートアップの魅力
 ・スタートアップに向いている人と向いていない人
 ・スタートアップ知財人材のキャリアパス
 ・スタートアップインハウスとして磨くべきスキルセット

概要

運営者である安高さんからお誘いを頂き「スタートアップの中の知財の人でとことん議論しよう」(安高史朗の知財解説チャンネル)に登壇した。

安高さんのファシリテーションに添って、3人のスタートアップインハウスの知財家がそれぞれの考え、感想、体験談等を出し合った。

羽矢崎さんも松丸さんも、僕とは経歴も現職の事業も違うし、ある程度予想していたけど、一致点と相違点が見えて、とても楽しかった。

スタートアップにいると、知財実務家と話す機会が極めて限られるので、貴重な機会だった。

雑感

三者三様の相違点

僕以外のお二人は、どちらも大企業知財部出身者だ。
一方の僕は、大企業知財部の経験は僅か3年の特許事務所出身者だ。
やはり、出自の違いは、話の節々に現れていたように思う。

僕は、ピクシーダストテクノロジーズで契約も見ている。
一方、お二方は契約を見ていない(松丸さんは一時期見ていたそうだが)。
この点も、話の解像度に現れていたと思う(契約まで見ると、どうしても知財の解像度は粗くなる)。

羽矢崎さんは、知財戦略(動画中では主に特許戦略)の話が多かった。
「そこに時間をかけたい」という想いが強いのだろう。
彼とは日頃よく話しているし、知財戦略へのこだわりの強さが気持ち良い(悪い?)くらいだw
契約業務まで巻き取ると、いわゆる一般的な「知財業務」の時間は相対的に減ってしまう。
それがときとして葛藤になることがある。
彼の知財戦略への想いは、そんな自分へのカンフル剤になっていたりする。

一方、松丸さんからは、「目の前のことをきちんとやりきる」という意思を強く感じた。
こういう方が1人目の知財担当者であれば、経営者はさぞ安心だろうな。
彼女の思考はどことなく自分と似ている。
日々の仕事のスタンスだったり、悩みだったりを聞いていると、自分が1人知財だったときを思い出す。
「見えるものはとにかく全部拾いに行く」という言葉には震えた。
敢えて、「拾う」ではなく、「拾いに行く」と表現したところに意思(WILL)を感じたのは僕だけだろうか。

そう、知財家ができるのは「拾いに行く」ところまで。
でも、それでいい。
実際に拾えるかどうかなんて考えている暇はないのだから。
拾いに行って拾えなかったときに、それでも負けずに次も拾いに行く。
誰に何を言われてもアタックを繰り返す意思を持っていたい。

三人の共通点

一言で言えば this is startupの精神。
これはみんな共通していた。

スタートアップは、成長の場であり、チャレンジの場であり、そのために何でもやれる場であり、だから全てを拾った者勝ちの場でもある。

だから全て拾いに行く。
やりたいことは全部やる。

キヤノンやソニーやパナソニックを追いかけられるし、丸島先生の本を呼んで特許部隊を作ることだってできるし、本田宗一郎さんのような情熱的な経営者と毎日話すことができる。

そういうスタートアップの魅力の語り口調は、みんな共通していた。
何より、大変な分だけ楽しそうにしていたよね。

むすび

スタートアップというところは、考える余裕もないほどに目まぐるしく状況が変わる。
一度悩むと、抜け出すキッカケがないままに忙しくなることもある。

こういう場でお互いの苦労や想いを共有することは、スタートアップの中で孤軍奮闘する知財家にとって、とても重要なことだと再認識した。

場を提供してくれた安高さんには感謝している。

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