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後記「スタートアップ知財コミュニティ - スタートアップの中の人あるある -」(知財実務オンライン)

サマリ

【媒体】Youtube
【他の登壇者】

  • 片山 晴紀さん(ピクシーダストテクノロジーズ)

  • 玉利 泰成さん(Polyuse/知財の楽校)

  • 掛 悠輔さん(MAZIN)

【トークテーマ】

  • スタートアップの中の人になった理由は?

  • 弊社自慢(CxO、同僚、カルチャー)

  • 入社前に予想していなかった事案

  • 私にとってスタートアップで働くということは

  • (番外編)代理人から見たスタートアップあるある

概要

スタートアップインハウスの知財人材で組成したコミュニティがいよいよ形になってきたところで、「外部に情報発信していきたい」という話になった。

知人である押谷さん&加島さんにコンタクトしたところ、彼らが運営する「知財実務オンライン」での登壇枠をいただけた。

コミュニティでは、Closde様々なイベントをやっており、僕は自他ともに認めるおしゃべりなので、僕自身が出ても新鮮さが出ない。

ということで、自分も出つつ、メインスピーカを他の人に任せる打ち手として、某トーク番組のフォーマットによるパネルディスカッションを思いついた。

三者三様でいながら、スタートアップに飛び込む輩はすべからく「良い味」していた。
そんなことが分かった会であった。

トークテーマ

スタートアップの中の人になった理由は?

1問目では、多くの人が知りたいであろう質問を投げた。
いわゆる入社動機だったり、転職動機だったりを探る狙いだ。

【回答フリップ】
・片山さん「直接向き合いたい社会課題があった」
・玉利さん「自分達の技術で社会を変えることを心から信じる人だけが乗る船で航海したいから」
・掛さん「圧倒的に妖しい」

三者とも共通して言えるのは、会社そのものに、前職にはないポテンシャルを感じた点だろう。

片山さんの「社会課題」への関心の高さについては、同じ会社で働く僕よりも正直言って高い。
その関心の高さが日々の行動にも現れていると感じる。

玉利さんの「船」のフレーズには、他人事とは思えなかった。
というのも僕も創業者から「同じ船に乗ろう」というワンフレーズを浴びせられ、それで乗船を決めた人間の一人だからだ。

掛さんだけ「妖しい」と表現したところに、人となりが現れているw
妖しさに惹かれる人間は、一言で言えばスタートアップにマッチしている。

弊社自慢(CxO、同僚、カルチャー)

2問目には、会社の自慢をしてもらった。
自分の会社の良いところを挙げてみれば、それぞれの会社へのスタンスが伺い知れるはずだ。

【回答フリップ】
・片山さん「CEOが有名人。社員のバックグラウンドの幅がすごい。仲間の偉業を称える風土。
・玉利さん「CEOの全方位グリップ力。メンバー同士の課題の巻き取り合い。」
・掛さん「クラスのやんちゃリーダー」

三者に共通しているのはCEOの特徴を挙げている点だ。
やはり、スタートアップはCEO(もっと言えば創業者)の色がとにかく強く現れる。

掘り下げてみれば、それぞれタイプの違うCEOであるのだが、彼らが働き手に深い印象を与えているという点では共通していた。

入社前に予想していなかった事案

弊ブログ「This is startup「スタートアップで働くことはRPGみたいなものだ」」では明文化し忘れたが、スタートアップはダンジョンみたいなものだ。
それは、サプライズの毎日である。

3問目では、各社のサプライズを問うた。

【回答フリップ】
・片山さん「研究開発が進んでいた事業が突然ストップ」
・玉利さん「もはや複業がマジョリティ」
・掛さん「CEOの熱量高すぎると入社後に驚く」

この質問では、三者三様にばらけた。
会社の属性や規模が反映されているのかもしれない。

入ってみないと分からない世界というのはたしかにある。
最近では、スタートアップx知財の情報に触れる機会も増えてきているし、弊ブログでも僕自身「そういう情報の発信に一役買おう」というスタンスでいる。

が、やはり「百聞は一見にしかず」である。
入らないと、触らないと、浴びないとわからないものが間違いなくある。

そういう意味で、今回の番組の企画のキーメッセージは、「入って、触って、浴びてみて」だったと言っても良い。

私にとってスタートアップで働くということは

最後に、NHKプロフェッショナル調で各人の This is startup を掘ってみた。
これがとにかく面白かった。

【回答フリップ】
・片山さん「DIY」
・玉利さん「精神と時の部屋」
・掛さん「JMJT」

まず、先陣を切ってくれた片山さんは「DIY」。
一緒に働いていてもこんな言葉は聞いたことがなかったが、「Do It Your Self」の精神というのは、すごく腑に落ちるし、スタートアップ感があって良い言葉だと思っていた。
が、もう一つの意味がしびれた。

DIY = Dive Into Yabai

手前味噌になるかもしれないが、これこそ This is startup、いや The startup だ。

次に、アルファベット繋がりで掛さんの「JMJT」に振った。
こっちはこっちで何のことか全くわからなかったところ、「自問自答」と。
納得感しかない。
「自問自答を止めたことは1秒たりともない」と思う(例外的にこの思いだけは自問自答せずに言える)
頭の3文字「JMJ」が妙におちょくっているように見えたのは愛嬌だw

最後に玉利さんの「精神と時の部屋」。
ドラゴンボールをご存知の方であれば説明不要だろう。
僕もドラゴンボールで育った身である。
創業者ともよく漫画の話をしているが、「精神と時の部屋」は何度も出た。
それこそ入らないと分からない世界である点もスタートアップ感が出ている。

この最後の質問は、3人のキャラクタがとにかく現れた回答になって本当に面白い。
そして、もう1つ。
全ての回答に納得感がある。

いまスタートアップにいらっしゃらない方は、いったん、「この3つの回答がスタートアップだ」と思って頂いて差し支えないだろう。

(番外編)代理人から見たスタートアップあるある

番外編として、運営の押谷さん&加島さんにも「スタートアップと言えば?」という趣旨の質問をしてみた。

【回答フリップ】
・来週発表あるんですけど!?
・NDA前にいっぱいしゃべっちゃった
・共同開発契約書が不平等!?
・新しいITツールやソフトへの好奇心が旺盛。GPT4が出たときはどの会社もこの話題で持ちきり。サマリア等の新しい特許関連ツールにも興味津々。
・知財担当の方がいないときに誰か兼任の担当者(窓口)を決めてもらうがしょっちゅう他社に転職してしまう!
・コミュニケーションツールや請求書の送付方法(クラウドへのアップロード等)が各社まちまちなので昔のようにメールで一本化されていた方が管理が楽だった?
・初めての特許出願の場合、特許取得のためのハードルが凄く高い(画期的な発明でないと特許を取れない)と思い込んでいる?既存の製品やサービスとのちょっとした差異でも特許を取れることをアドバイスすると驚かれる。

時間の問題で全ての回答にタッチすることはできなかったが、僕の代理人としての経験に照らし合わせても「そうだよな」という回答ばかりだ。
どれも、知財経験者がインハウスにいない会社に共通した回答のように思うが、そういうスタートアップへの支援についても、これからますますニーズが高まってくると思う。
今回はスタートアップ知財コミュニティとしての発信活動であったため、代理人サイドの目線は薄めていたが、個人的には、代理人サイド(支援側)の目線での発信もしていきたいと思っている。

むすび

知財実務オンラインは、毎回、実務の深いぃ話が多い印象だったので、今回のようなカジュアルタッチな企画がはまるかどうかは不安だった。
が、運営の押谷さん&加島さんが快く受けてくれて、本当に感謝している。

スタートアップ知財コミュニティとしても、今回が初めての外部発信機会になり、大変ありがたかった。

登壇者の3人は、僕よりスタートアップ歴は浅いが、もう立派なスタートアップ漬けに仕上がっていると思う。

既に3人とも、僕がジョインしたばかりの頃のレベルを超えた世界線で戦われているし、一スタートアップ知財マンとしては、うかうかしてられない、というか、危機感というか、若さからの末恐ろしさを感じた。

スタートアップx知財がこれからもますます盛り上がっていくことを確信できた夜だった。

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