僕の心のヤバイやつ 単行本11巻の感想と考察①
※本稿は11巻を読み終えてから閲覧することをおすすめします
まえがき
市川と山田2人の関係がイチャイチャからどんどん離れてしまう……というこの11巻は個人的に、僕ヤバ単行本の中でもかなり挑戦的な内容だと考えてます。ざっくり言えば1話で解消されず、中長期スパンで表現されるテーマの多くが表面化しました。内容自体はこれまでにも示唆されていたものですが、ここで強い問題提起があったという形です。それらを並べるとこんな感じ。
市川の受験
萌子の受験
山田の芸能活動
市川&山田の交際
市川の成長
山田の成長
これら全てが同時進行している上に、それぞれに個別の問題もくっ付いています。(小林への交際報告とか)
そして読むと分かる通り、市川と山田にかかるストレスがかつてないほど大きくなりました。これはそのまま読者にかかるストレスなので、チャンピオンクロス掲載時には次回更新までやきもきする日が続いたものです……。(この辺り、単行本でまとめて読む方がどう感じるかとても興味深い)
ただ、のりお先生はこの部分にとても気を遣う方ですし、またコントロールも凄く巧みなので、あえてここまで強く踏み込んだのだと思います。
つまりこの11巻の収録回には、数話で解消した問題、10話以上引っ張られた問題、まだ応急措置だけの未解決問題が重層的に存在しています。そしてその渦中にいる市川と山田が、非常に強いストレスがかかる中で、それぞれの問題にどう対応し行動したかが描かれています。
この際、現在成長したであろう2人の行動という部分がポイントです。
単行本11巻の感想と考察①とした本稿では、単行本1巻から成長した市川と山田の姿に着目して感想と考察を進めます。
各話ごとの感想と考察
Karte.141
山田と半沢さんのデート回。連載当時はほのぼの回として読みましたが、Karte.154、つまり11巻最終話を読んだ後では印象が変わりました。11巻冒頭として捉えたとき、後の展開に必要なことがちゃんと描かれていた。以下がそれです。
山田と半沢さんの関係
市川&山田と半沢さんの関係
市川と山田の関係
1は『山田が半沢さんの面倒を見る』という関係です。山田がいわばお姉さんなんですね。これは結構重要な点だと思います。
自分の考えでは、おそらく山田はこれまでの人生で誰かの世話をしたことがありません。妹弟もいないし、ポンコツだし、可愛いから皆に世話を焼かれるタイプです。だからこそ初期の大人しい市川との接し方に保護欲のようなものが見えました。そして社会見学でバキの生原稿を観せるために手を引っ張ってあげたとき、市川の見せた表情が忘れられない体験となり、今に続く『京太郎を幸せにしたい』という想いに繋がったと考えています。※これは1度Xで書いた話です。後日改めてnoteにまとめます。
山田が市川を保護するようなシーンは、Karte.57(単行本4巻)で一応終わりとなります。あれから市川は成長し、今はむしろ山田の方が面倒をみられる関係となっているのですが、そこで今回の話です。半沢さんとの会話ではちょくちょく無神経な、もとい無邪気な山田の言行が見られるのですが、どれも踏みとどまって軌道修正できてます。昔の山田のままならこの関係にはならなかったんじゃないかなと。成長の片鱗が伺えます。そしてこの流れはKarte.151の萌子文化祭回へと繋がります。
2は、実は11巻の大部分に影響する描写です。半沢さんは市川と山田の関係をある程度把握していたと思うんですが、確実にそうといえる描写は今までありませんでした。それをここで確定させたわけですが、その視点を持つと半沢さんの行動が次のように見えてきます。
Karte.143~145のフラモブ回で罪悪感を覚えた
Karte.146でのパートナーに山田を選んだ(結果として市川山田2人のためになった
Karte.154で市川を山田に会わせる手伝いをした(これは2人のため!
半沢さん、めちゃくちゃ良い仕事してるんですよ……そうか、あそこで3人で会ったからこうなったんだなと。
3は1でも触れた部分です。今の山田はもう自然と市川を頼ってるんですね。甘えていると言い換えて良いと思います。それ自体は別に悪いことではありませんが、現在の山田はKarte.120(単行本9巻)で話したように『自分が京太郎を幸せにしたい』のに『京太郎に甘えてしまっている』と思っています。それが端的に示されました。ここは11巻を貫くテーマの1つだと自分は考えていて、最終的にはKarte.154での山田の成長描写へと繋がります。
Karte.142
模試と受験組回。そして山田の欲と市川の性欲回。
市川が受験勉強をどれだけ頑張っているか、現状の成果が分かります。文句なく上出来だったようです。またKarte.150へと繋がる萌子の受験環境についても改めて市川(と読者)に提示されます。
山田の欲(の1つ)=市川の力になることだと自分は捉えていて、これはさっき書いた通りです(単行本9巻以降ずっと描かれているので気になる方はチェックしてみて下さい。Karte.126では『弱音を吐いて良いよ』と促してもいます)。おそらくこの部分、11巻の裏テーマだろうと考えています。山田はここで「私を見ているときだけは油断して良いよ」と市川へ伝えますが、これは山田なりの気遣いでもあり、精一杯の助力であり、そして自分の願望だと思います。油断して欲しいという。Karte.143と、11巻のラストに繋がるものです。
※余談ですが、山田は市川へ自分の願望を口にする時『~して良いよ』と遠回しな表現をすることがあります。これは多分いまいち自信が持てないときなんだろうなと思ってます。雑誌撮影の現場に誘った時がそうでした。
市川の性欲については長期スパンでのテーマだと思うのですが、ギャグテイストでありつつ『絶対忘れないし絶対描く』と意思表示しているようにも見えますね(笑)。
Karte.143
ここから話が大きく動き始めます。山田の知名度が急上昇し、市川と山田の学校生活に変化が現れました。まずはスマホ禁止。山田が所属する芸能事務所の影響力――学校生活への介入――も示唆されます。
肝心なのは、それでもポジティブで楽観的な山田です。2人だけのサインを作ろうと言い出します。山田のこういう姿勢が市川にも2人の関係にも凄く大事なんだろうなと、それはきっと今後も続いていくものだと思います。
あとこれはXでも書いたんですが、山田は『悪いと思いつつ京太郎に甘える(甘えたい)』シーンでは髪をいじると思ってまして、それがここでも出ています。
先述したように今の山田は自然と市川に甘えてしまうようで、それがここでも出てきたと受け取りました。そして11巻ではここが最後で、甘え描写はこの後出てきません。ちょっと注目してもらえると嬉しいです。
Karte.144
問題のフラモブ回。連載時には『地獄の祝祭』とまで書かれてましたが(笑)、個人的にも読み終えた後感情の整理が大変でした。市川が舐められるとめちゃくちゃ腹が立つんですよね……!
それはともかく、市川はここで大きな決断をします。山田にフラれたと嘘を付く。嫌がる山田を押し切り強行したわけですが、ここで以下のことが示唆されます。
なんとかする自信がある
山田のためならいくらでも泥を被れる
どちらも市川の成長あってのものです。山田への恋を成就させるため、そして今後交際を続けるために市川はここまで強くなった。そしてその力が山田の芸能活動を応援するために向けられました。芸能人と付き合うことへの市川の覚悟、本気が見て取れます。
そして同時に、山田に異変が起こります。「私は自分が嫌だ」と言い、今まで見せたことの無い表情になります。Karte.113(単行本8巻)で自分を好きだと言ったことの重要性を考えれば、連載当時にもこれはかなり深刻だと思えました。そして11巻ラストのKarte.154でここと対になるであろうシーンが現れたことで、的を得ていたんじゃないかなと個人的に考えています。具体的には、私が嫌だといった山田はその後水面下で(つまり本編で描写されないところで)行動を起こしていたのだろう、という話です。自分の立場より京太郎を優先するためにどうすれば良いか、ちゃんと考えたんじゃないかと。
市川の自己犠牲により、山田との交際はバレないまま一応乗り切ります。誕生日プレゼントも渡して、変なキスして、いい雰囲気でこの回は終わりました。でも根本的な問題はどう見ても応急措置で未解決のままです。これも11巻の特長ですね。
Karte.145
足立との友情回。以前Xで書いたのですが、市川にとって足立は結構特別な存在です。ざっくり言えば、教室の片隅で存在感ゼロだった市川がどれだけ頑張って今の姿になったか、ちゃんと見ていたのは山田と足立なんです。興味のある方は次のツリーを見て頂ければと思います。
市川にとって足立はよき理解者であり、友達であり、かつては恋敵でもあったので、フラモブ時の真実を伝えます。友達ゼロだった市川に、今はこんなことを話せる相手がいるんですね。これも市川が成長した証でしょう。
一方では(演技とはいえ)山田にフラれたことで、市川を取り巻く環境が一変します。山田の知名度が急上昇した直後なだけに、市川も一躍有名人となりました。市川本人は『身の程知らずの男として悪い意味で』注目を集めたと思い込んでいます。読者視点では市川って相当成長しているのですが、相変わらず自己肯定感が低いことが分かります。
そして夏祭りへ向かうわけですが――。
Karte.146~148
夏祭り回。ここは後日別稿で語ります。山田と小林の関係がメインで描かれたと考えているためです。
市川に焦点を絞ると、今回はもう冒頭から山田のことしか考えていないんですが(笑)、まずはカンカンと2人で対話する時間ができました。色々理解を深めるわけですが、山田と関係する部分で言えば、クラスのリーダー的存在(らしい)カンカンに市川と山田は今も別に気まずい関係じゃないと分かってもらえたことは、結構大きいんじゃないかなと思ってます。
そしてナンパイ。何故このタイミングで再登場したのか。1人のキャラとして決着をつけてあげたかった、市川との対比、色々と理由は考えられるんですけどどれも決定的なものとは思えず……まぁ色々ってことなのかもしれません。
読者が印象に残るのはおそらく、山田とナンパイが2人で話すシーンでしょう。何故あの時市川はフリーズしたのか。後の展開を見ると、市川が抱き続けている劣等感の示唆だったようにも見えます。山田に相応しい男として、自分をまだ認めることが出来ないという。
ちなみにナンパイについてもXで書いたことがあります。どういうキャラなのか考察しつつまとめたので、こちらも興味のある方はどうぞ。
Karte.149
しゃぷ葉デート回。11巻の折り返しです。激動の展開から一旦落ち着いて状況を整理する感じになります。それがこちら。
山田はもう変装してても顔バレする有名人
今後ドラマ放映で更に知名度が上がる可能性
2人は学校でもあまり話せていない
山田は市川と一緒に居たい(寂しがっている)
市川は山田の芸能活動を優先するつもりでいる
山田の意向は一貫して『京太郎と一緒が良い』なんですよね。どんな状況になっても一緒にいるための方法を前向きに考える。2人だけのサインを考えようとしたり、今回なら変装をしたり。
市川も山田と一緒に居たいのは同じなんです。だからそれが難しい状況に変化しつつある今、とりあえず事務所方針を確認しようと山田に言います。でも山田は反応しないんですよね。読者視点では問題が改善も悪化もしないまま、保留となってしまう。僕ヤバは元々、山田の内面描写が控えめなつくりです。何でもかんでも言葉にして説明したりしません。とはいえここまで露骨に隠されたことは過去にありませんでした。しかもめちゃくちゃ引っ張るんですよね(笑)。のりお先生はここへ来てまた新しいことをやるんだ、凄ぇなぁと思ったのを覚えてます。
Karte.150、151
萌子の受験回&文化祭の準備回。萌子にとって私立高の受験は相当ナイーブな問題のようです。Karte.133(単行本9巻)で山田と衝突したときのように、今回も山田の発言に苛立ってしまいます。
が、山田は踏みとどまるんですよね。Karte.141で半沢さんとデートしたときのように一線は越えなかった。予想に反していたため、萌子もちょっと意外に感じているところへ市川が釘を刺します。
「山田を気遣わせるな」
彼氏ムーブがさく裂。山田が失敗をちゃんと反省して、変わろうと努力することを市川は知っています。今回も山田は萌子の態度を見て、一歩引きました。それが夏合宿時のように山田の過失だったならともかく、市川には今の萌子が、山田に対して苛立つ感情をぶつけたってことが分かるんです。萌子が受験問題で神経尖らせてる理由を知ってるから。
市川がこうやって他人に怒るのは、足立に続いて2人目です。どちらも山田関連ですね。市川って自分のことなら大抵は飲み込むように思うんですけど、山田のことになると我慢が出来ないし身体を張る。山田のことを軽く見られたりすると凄く怒る。今は彼氏としてそういう姿勢を見せるようになりました。
そしてこの回で最も重要な示唆はこれです。
「俺は諦めなかったよ。山田を」
市川が初めて言葉にしたことですが、この先何があっても絶対に変わらない彼の行動原理だと思います。
※この回はまだ色々、萌子の受験についてとかもあるんですけどそれも別稿に譲ります。市川と山田の成長について語るのがメインのため。
Karte.152
この回に対するのりお先生のコメントがこれです。
『市川京太郎の現在地』。もうそれに尽きます。
市川自身のセリフである「何を言ったかではなく、誰が言ったかが大事」が、そのまま自分に跳ね返ってきました。山田にフラれたことになって自分が嫌われている、そう思い込んでいた市川にとっては青天の霹靂だったはずです。
さて。単行本11巻はここで一旦クライマックスを迎えます。本稿ではここまで市川の成長を示す部分を太字でチェックしてきました。一旦並べましょう。
これが市川京太郎の現在地です。単行本1巻当時と比べたとき、一体どれだけのものを市川が積み上げてきたかが分かります。そのことを山田と足立は知っていたし、萌子をはじめ他の人にも少しずつ伝わり始めています。
だから、エグいことするよなぁと思いました。話を続けましょう。
Karte.153
市川はクラスの中心となり、文化祭準備を行っています。一年前と違う景色は、山田が見せてくれたものです。市川がこの一年間頑張ってきたのは、全て山田のため……というか山田が好きだったからです。この時点での集大成になる文化祭の出し物=迷路の出来も評判も、どうしたって山田に見てもらいたいでしょう。
それが当日欠席。しかも理由が急な仕事。目に見えて意気消沈します。
でも市川のスタンスだと、山田には仕事を優先してもらいたいんですよね。だから本来はこれで良し、仕方ないと受け入れる状況。……と頭で分かっていてもそう素直になれない。
空き教室で1人になり、考えるうちに、かすかな違和感を覚えます。山田の前日の様子を思い出す。あの調子だったら何故自分には連絡が無いのか。貼り紙に目をやると電源OFFのルール。このルールが出来た理由。この間市川のセリフは一言もありませんが、読者ははっきりとその思考を追うことが出来ます。
やがて1つの可能性に思い当たった時、この場所にいるはずのない人物、諏訪さんが姿を現します。そのことで市川の疑念はほぼ確信に変わりました。前置き無しに諏訪さんに質問をぶつけます。Karte.152の不穏な幕引き、その意味が明らかになりました。
Karte.154
市川に突きつけられた現実は、分厚過ぎる壁でした。あれだけ気を遣ってきたのに結局山田の行動に制限がかかってしまった。自信を持っていた文化祭の出し物を見に来てもらうことすら出来ない。市川が手に入れたはずの何かは、大人社会の前にどれだけちっぽけなものかを思い知らされます。
この先なんですよ。11巻の本当のクライマックス。
死ぬほど悔しかっただろうに、市川はそれでも膝を折りません。諏訪さんの前でも虚勢を張ります。なぜなら市川は山田を諦めないと決めているからです。Karte.126(単行本9巻)で、山田に「それでも諦めないのが私の好きな市川京太郎」だと言われたときから、それが彼の行動原理になったんです。山田が芸能活動を優先したいならそうして欲しい、その結果どれだけ手の届きそうもない場所まで行ったとしても見失うことなく追い続ける、それが市川の覚悟です。
ただ、そうは言っても。
まだ中学生なんです。無理してるんですよ。1人で戦ってきて、打ちのめされて、辛うじて立ってるけど心はボロボロになってる。本当は山田に会いたくて仕方ないけど、山田は仕事に行ってるから会えないと諦めてる。このギリギリのタイミングで山田は学校へ来れた、仕事よりも京太郎を優先できたってことなんです。Karte.144でそれが出来なくて泣いた山田が1番肝心な時に間に合った。市川にとって1番居て欲しいときにいることができた。11巻はここ! だと思ってるんですよ!
山田に会えたこと、山田が迷路を見に来てくれたことを知った市川は我慢の限界を迎えます。もう虚勢は張れない。泣きながら今まで無理して頑張ってきたその理由を全て山田に話します。このシーンがKarte.142の山田と対になっています。あの時とは逆、市川は自分を嫌いだと言います。
山田は市川を受け止めますが、このときKarte.142の山田のままなら何の説得力もありません。Karte.142の項目で11巻の裏テーマと書いた部分です。山田は今回かなり無茶をしてるんですよ。プライバシー保護の観点から学校行事不参加を、事務所と学校で決めてるんです。しかもそれを周囲に隠しています。にもかかわらず、市川のためにこっそり学校へきた。もう1度書きますが、京太郎を優先したいのに自分の立場を考えてしまうと言って泣いた山田が、このとき困難な状況下でも京太郎を優先して学校へ来たんです。これは山田の成長と言って良いと思うんですよ。劇中で描写こそなかったけど、裏で山田は頑張っていたんだと思います。だから市川を救うことが出来た。
山田の成長を裏付けるかのように、最後のシーンでは山田が市川の頭を撫でつけます。Karte.57(単行本4巻)以来の、山田の保護欲を満たす市川との関係です。成長した市川に対して、山田はずっと『自分の方が京太郎を幸せにしたい、力になりたい、自分といるときは油断してもらいたい』と思っていたわけで、それがようやく達成されました。
市川の言葉も昔を思い出すかのような「やっぱり僕の好きな大人の山田だ」で11巻は終幕します。
まとめ
成長した市川と山田の姿、主に市川ということになりますが、そこに着目して単行本11巻の感想と考察を書きました。冒頭で書いたようにこの巻は重層的にいくつものテーマが描かれているのですが、メインはここだったのかなと思っています。
個人的にはある種の仕切り直しのような印象を持ちました。これまでの物語を整理して、現状確認をした。今の市川の実力や立ち位置、そしてこれから向き合う最も大きな課題が示されたという。そこに山田や他キャラとの関係が加わる感じでしょうか。率直に、これからのことを考えるとワクワクしますね(笑)。どうなるんだろう。
そして市川は……山田を本当に高く見積もっていることもあって、めちゃくちゃに高いハードルを自分に課しますね。でも例えばプロ野球選手になるとか売れっ子Youtuberになるとか言い出さないので、そこの現実感は失っていないようです。無理なものは無理だとして、そのとき出来る範囲での最高を目指すというか。だから選択肢に入る自分の能力にはいくらか自信があるのかな。
とはいえこのままだと修行僧のような生活を送りかねないところがあって(笑)、そこを山田が上手くほぐしてあげる感じがバランス良いのかなぁなんて思いながら見ています。
お互いがお互いのために成長しようとする関係は尊いですね……羨ましいですが……。
そんなところで本稿を終えたいと思います。長くなりましたが②もあります(笑)。書きたいことがまだ沢山あるんですけど、どうまとめたら良いか悩み中です。
それでは、ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございます。
追記
ここから先は単行本11巻を読んでの追加分です。本編には無かった描き下ろしページがあったため、ちょっと印象が変わった部分があります。山田の成長という部分です。
市川を優先するために頑張ったのは多分そうだと思うんですけど、そこにあまり理屈は無かったかもしれないという。というのも、自分は山田をかなり楽観的でポジティブだと考えているのですが、その想像を更に超えるくらい危機感が無かったようなので(笑)、ちょっと再考している所です。
丁度連載当時、文化祭時の諏訪さんと山田の動きはこんな風だったんじゃないかなとSSを書いたんですけども。
これは諏訪さんが相当頑張ったという前提で書いたんですけど、これよりもっと頑張ってた可能性が出てきたんですよね(笑)。もとより正確なものになるとは思っていませんが、色々修正して行くことになるかもしれません。