Daisuke Kawano
今日、21歳の時に立ち上げて16年半続けたWeb日記サービスをやめます。

今日、21歳の時に立ち上げて16年半続けたWeb日記サービスをやめます。

Daisuke Kawano

昨年の夏の終わり、はてなダイアリーがこの春終了するとのアナウンスがあったのは割と記憶に新しいところですが、僕もほそぼそとWeb日記サービスを運営していました。

Web日記サービスを立ち上げたのが、エンジニア2年目の2002年の初夏、21歳の時でした。

当時、僕は所謂メールフォームとか、テキストファイルを読み書きするようなシステムといった、ちょっとしたPerlのコードしか書けなかったのです。
さらなるスキルアップを兼ねて、会社勤めの傍ら、PHP4+MySQL4(後にPostgreSQLへ移行)を使ったWeb日記サービスを始めました。

今に比べると回線は貧弱で、大分の小さい町では選択肢がISDNしかなく、検索も今ほど精度も高くなく、技術情報も少ない環境でした。
結局、会社帰りに本屋さんで技術書を漁り、帰宅中に読み、帰宅後に実装する、となかなか奮闘した覚えがあります。

その当時、Webで日記を書くサービスといえば「エンピツ日記」や「さるさる日記」(1999年開始、GMOに譲渡後、2011年に終了)を筆頭に他の個人運営だと「MEMORIZE」(2004年にライブドアブログに統合)、2003年には前述の「はてなダイアリー」が始まります。
2004年頃からは大手のポータルサイトを運営するネット企業がこぞって「ライブドアブログ」「アメブロ」「ココログ」といったブログサービスを投入し、アメリカではFacebookが立ち上がり、日本ではmixiが始まり、
2006年にはTwitterが始まり、SNSが主流の時代になっていったのはご存知のとおりです。

話を戻して、
アクセス数のピークは2003年から2004年頃だったかと思います。
収益面では、Adsenseを貼ったら月に5万円ほどになり、電気代の足しになっていました。
システム面では、DBチューニングや、サーバをあれこれ変えてみたり、住んでいたアパートにPCサーバを並べて自前のハウジングで運用したりしていました。
当時、横浜に住んでいたもので、秋葉原にRAIDカードやメモリといったパーツを買いに走ったことも何度もありました。

サービスが不安定になると決まって「不安定で書けないやんけ!」とか「繋がらないんだよ!」といったクレームを日記に書く方が現れ、それが気に入らなかった僕は一方的にアカウント停止をして、2chで炎上騒ぎになったこともありました。
サーバ負荷と戦う傍ら、ユーザーさん同士でコミュニケーションが取れるような「あしあと」機能や、「★」のボタンを押したらランダムに飛べるような仕組みを仕込んでいき、横繋がりができてコミュニティが広がっていくのを見るのがとても楽しかったです。
渋谷や新宿で何度か公式のオフ会を開いたこともあり、ユーザーさんとの触れ合いが楽しかったのも良い思い出です。

そんな日記サービスも、他所のブログサービスやmixiが拡大していくにつれ、だんだんとユーザーさんが離れていきます。
それでも近年は月に10人程度の方が日記を書き続けてくださっていました。

2015年ごろからそろそろ潮時かな…とは思いつつ、「1人でも書いてくれる人がいれば続けよう」と思っていました。
ですが、OSのサポート期限も切れ、PHPやPostgreSQLのバージョンも古くなり、またそれを載せ替えるリソースもなく、自分の中でカウントダウンが始まっていました。

2018年12月、3日ほどApacheが落ちてしまう事態が起きてしまい、またサーバの契約更新の期限が2019年1月末に迫ってきていたため、サービスの終了を決断しました。

ご利用いただきました皆様へ

2019年1月末でサービス終了いたします。

このサービスを作ったのは2002年6月、21歳の頃でした。

当時、まだ「ブログ」というツールが日本では浸透していなかった頃、「Web日記」が全盛の中開始し、16年半になりました。

2004年ごろがアクセス数のピークだったと思います。頻繁に停止やトラブルが起きまして申し訳ありませんでした。

mixiを筆頭としたSNS、ライブドアブログや、アメブロなど大手のネット企業がブログサービスを投入し始めたのもこの頃でした。

それ以降、徐々にユーザー数やアクセス数が減っていくものの、中には有名な方にもご利用いただきながら、細く長く続けてまいりました。

近年はサーバの契約更新の度に継続可否を検討してまいりましたが、サーバの維持管理がこれ以上難しいと判断しましたため、次の更新を以て契約終了することを決断しました。

つきましては、下記のスケジュールで終了とさせていただきます。

2018年12月20日   CSVでのエクスポートツールをご用意しました。WordPress形式はもう少々お待ち下さい。
2019年01月31日24時 サービスを終了し、終了画面に切り替えます。以降、アクセスができなくなりますので、それまでにデータのエクスポートをお願いいたします。

自分のスキルアップも兼ねて会社勤めをしながら作り、長年続けたサービスを閉じるのは、大変苦渋の決断でありました。

このサービスで得たプログラムやサーバに関する技術は37歳になった今でも、様々な場面で役立っております。

これからまた、別の形で皆様のお役に立てればと考えております。

長い間、ご愛顧頂きましてありがとうございました。

終了アナウンス後、今日までたくさんの終了を惜しむメールや書き込みを戴しました。勝手ながら一部抜粋します。

北海道でユースホステルを経営されている方から:

長い間利用させて頂き、本当に感謝いたしております。手で書く「日記」というものは、私は過去に数回、“三日坊主”で終わってしまいました。しかしここでの「宿主日記」は、10年以上の長きに渡って続ける事が出来ました。本当に、有難うございました。

初期の頃から外食メモとして使ってくださっていた方から:

だいすけさんがお若い頃、私もまだまだバリバリ動ける頃にご縁をいただき、ずーっと使わせていただきました。
全然収益に貢献出来ないユーザーでしたが、使い勝手が良くて、外食メモとして便利に使わさせていただきました。
アクセス出来る時にログをコピペしておこうと作業をしていたら、懐かしいあれこれが思い出され、亡くなった人たちやもう行けないお店のことなど、目に浮かび、胸がキュンとなりました。
本当に長い間、お世話になり、まことにありがとうございました。
お名残惜しいですが、これからもご活躍をお祈りしております。

2003年3月から使ってくださって離れたものの、久しぶりに開いた方から:

15年のあいだ、サービスの運営を続けていてくださって本当にありがとうございました。
15年ぶりに覗いて残っていたと知ったときは、ちょっとしたタイムカプセルを開いた気分でした(笑)。
個人的にはとても色々あった頃の日記だったので、懐かしくて切なくて……色々思い出して泣けました。
当時は辛かった思い出も、今の私にとってちょっぴり苦い、でも間違いなく宝物です。
残しておいて頂いて本当にありがとうございました。
そしてお疲れ様でした!

2002年6月から毎月欠かさず続けてくださった方から:

ここ何日か開けない状況が続いていたので、
何かあるのかなあ、とちょっと思っていたのですが、
いよいよ日記の終了…(>_<)
思えば2002年から、もう16年間もお世話になっていたのですね。
ここの日記スペースは、シンプルでデザインも良くて
本当に使いやすくて、大好きでした。
その時々のいろいろな思いとか楽しいこととかを
たくさん綴らせてもらったなぁと思います。
終わってしまうのは本当に残念です。
でも、感謝しかありません。

「きんぎょのつぶやき」というタイトルで2002年11月から毎月欠かさず続けてくださった方から:

 16年前、友によってこの日記サイトを利用するようになりました。もう夢中になって更新しました。
 最初の頃は、ただ楽しいばかりを目指して更新していましたが、どんどんどんなことでも書くように変化していきました。
 きんぎょのつぶやきは私にとって振り返るだけでなく、理想郷でした。
 友によってヒキチャとご縁がありました。すごくいろいろな経験をしました。
 私にとってきんぎょのつぶやきは大切な私の一部です。一番頭の中が騒がしくて整っていなくてカオス状態なのですが、きんぎょ邸は静かでずっしりしていて陸の孤島のように落ち着く世界です。
 私はいよいよこの世界を卒業し、新しい空に向かって歩み始めます。それはすでに始まっています。
 私を見つけてもどうぞさらっとそっとしておいてほしいと思います。私は変わらず自分の思いをつぶやいています。
 きんぎょのつぶやきがあって本当に良かった。私を支え導き助けてもらっていた。本当に本当に感謝の思いでいっぱいです。
 心と空はいろんな色を残しますが、私の思いは単純で明快だと思っています。
 このつぶやきは私のためのつぶやきで、神様に捧げるつぶやきでした。
 読んでくださるみなさんがほっこりするのを目指していました。その目標に到達できているのかわかりませんが、私は自分の書く文に助けられていました。
 いつかはなくなる、それが2019年の1月だった。
 新しい空に描く色はどんな色になっているのでしょう。
 そこは思いがけないいろんな色との出会いが待っているかもしれません。
 大きな期待はしないように、小さなことに心を注いでいきたいと思います。
 私は自分の心の激しさについていけなかった時が何度もありました。
 でも今は助けもあって整えられてなんとかコントロールしています。
 新しい空の下で大きなことは少な目に、小さなことをたくさん紡いでいきます。
 あと、少し、きんぎょのつぶやきにお付き合いください。
 31日のその日まで。
 本当に、感謝の思いでいっぱいです。
 平成最後の年の17年続いたブログが今日で終了します。
 一時代を築き、時代と共に幕を引く、その在り方もすがすがしさを感じています。
 万感の思いでこの場を去りたいと思います。
 たくさんの出会いがあり、たくさんの経験を積みました。
 まだまだ未熟者だけれど、次は明るくまぶしい世界にどんどん生まれ変わっていくような時代になるようワタシも微力ながら努めたいと思います。
 たくさんの方々にきんぎょのつぶやきを読みにきていただきました。
 大勢の方々に支えられ今があります。
 本当に感謝しております。
 この場所はもう消えてしまいますが、記憶の中できんぎょのつぶやきは残ると思います。
 2002年、まだFacebookも、Twitterもない時代でした。イメージにぴったりのきんぎょ邸を作り、このブログはきんぎょ邸の柱でした。
 最後に、この先も平穏で、静かで波のない道となるように、願いながら幕を引きたいと思います。
 本当に、ありがとうございました。

DBからすれば、1つの記事は1レコードなんですが、それが集積されることでいろんな人の人生が詰まってたんだと、しみじみしてしまいました。

今時のネットは、なにかと数字がどーとか、炎上だとか、荒んだ部分がクローズアップされがちなんですが、本来はこんな暖かい側面も持ち合わせているんですよね。

儲からないから終了するとか、そういうサービスが多く目に付くのもとても残念に思います。(もちろん、システムや運用に係るコスト面での経営上の判断として仕方ないのは承知しています)

僕はこれからも、こんな暖かい世界づくりを大事にしていきたいです。

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Daisuke Kawano
大分県臼杵市出身 39歳AB型♂。 フリーランスエンジニア9年生。HTMLからデータセンターまで。何でもお任せ!