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エヴァの呪いは解かれなかった

※ネタバレ込みです

僕は一生14歳のままだ。

テレビ版は当時12歳だった。リアタイしてなく、高校生になってやっとレンタルしてみた。
2003年に出た、あの赤いでかいBOXも買った。
でも僕は、庵野監督や殆どのエヴァファン同様、ずっとシンジだった。
だから終わってしまうのはもちろん怖かった。
でも見ない理由もない。

3月8日に最寄りの劇場で7:00の回を見に行った。
上映時間2:34だけど、180分とかもあるし、長時間の映画ほど好きな傾向なので特に気にせず、事前にトイレを済ませて飲み物も持ち込まないくらい。

途中まではよかった。父子の怪獣特撮メタシーンくらいまでは。そこまでは涙しつつも、「これ世界最高のアニメ映画だ、AKIRA超えた」とか思ってた。

ミサトさんがシンジに言った「行きなさい」への贖罪としての行動だったり、ゲンドウのユイへの囚われだったり、泣けるシーンはいっぱいだった。
エンドロールで神木くんの名前を見た時、あれか!と思ってそこは拍手したくなった。

でも、どのあたりのシーンだろう、あっエヴァが終わってしまう、と思った瞬間から涙が止まらなくて、エヴァが終わってしまう感情でいっぱいになった。
ぼんやり感じたのは綾波とのスタジオシーンか。前後が曖昧だけど、明確に感じたのは3本目の槍をシンジが受け取ったところじゃないだろうか。
そのシーン以降から出てくる涙は別の涙で、ユイに抱かれながら死んでいく初号機以降一瞬で、海岸で8号機を終わらすところとか受け止められないくらい身悶えしながら見ていて、ドローンでの宇部市内の空撮はもう作品としてのカタルシスと僕の全てが終わってしまった気分が混ざり合ったわけわからない感情だった。

劇場出てから5分くらい過呼吸になって思わず道端に座り込んでしまった。
僕にとってのエヴァンゲリオンが終わってしまった。
エヴァが終わった、と。

ドラマとかが終わった後に起こる〇〇ロスがあるが、この時感じていたロス感は過去最大で、もうエヴァは始まらないんだとただ辛い気持ちでいっぱいだった。
HUNTER×HUNTERとエヴァが完結するまでは死ねない、とオタクの誇張した表現があり自分のその一人だった。
でもエヴァが終わった今、それは誇張ではなく本当に生き続ける理由の半分が無くなった気持ちだった。この喪失感が一生続くなら死ぬしかない、と思うくらい。

が、それも半日したら落ち着いてきて、徐々に受け入れられるようになってきて、シリーズものの完結編としては史上最高の映画だったと思い直せて、今週中にもう一度見に行こうと思えた。

でも、1回目でちゃんと卒業できたり成仏できたり解脱できた人もいたようで、そういう人と比べると自分はずっと、なぜ生きなくてはいけないのか、なぜ死んではいけないのか、なぜ自分はこうなのか、なぜ人とうまくやっていけないのか、なぜ一人ではいけないのか、思春期の頃に置いてこなきゃいけないものをずっと持ち続けてしまっているから、このままずっとエヴァから卒業できず、14歳から卒業できない、ずっと14歳のままでいたいと思っているんだろう。

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