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麻雀初心者でも楽しめる麻雀マンガ『キリンジゲート』レビュー

今回は麻雀漫画『キリンジゲート』の感想(またはレビューと言う)です。


先に結論を言うと、面白い。


『キリンジゲート』は『鉄鳴きの麒麟児』の続編です。

↑は第一部


↑こっちは第二部


鉄鳴きの麒麟児の主人公に代わり、新たに麻雀を全く知らない素人の女の子が主人公になり、麻雀を覚えながら高レート麻雀の代打ちとして成長するという、続編としてはかなり攻めた内容です(個人的な意見)。


前作のファンからするとえらく方向転換したなぁwとびっくりしましたが、内容は前作に続き、アツい闘牌が繰り広げられ、非常に面白い!

闘牌監修は前作に引き続き、Mリーグの解説でおなじみデジタルの申し子、魔神”渋川難波プロ”!リアルに近い高品質な闘牌が楽しめます。

そして麻雀を全く知らない主人公なので麻雀初心者の人も読むだけで麻雀が強くなる内容もたっぷりあります。ぜひ主人公と一緒に麻雀強くなりましょう!

前作のファンもの人も、鉄鳴きの麒麟児の物語(魔人との対決)もグイグイ進むもで前作ファンも鉄購入だ!

キリンジゲートについて


日本中の猛者が集い大金の動く麻雀の代打ちの世界――。
雇い主を裏切った代打ちと間違われ、ヤクザに追われる葉隠杏は、その麻雀打ち達の聖域に迷い込む。
不ヅキな運命からトラブルが続き、警察にもヤクザにも追われる身の杏は、打ち方も役も絵柄すら知らないまま代打ちの卓につくことに。
そして、負けの許されぬ状況に杏は勝負への決意を固める。
Amazon商品ページより引用

キリンジゲートの印象をざっくりまとめると、


「アカギ」+「オバカミーコ」=「キリンジゲート」


という式になります(個人の意見です)。



トラブルに巻き込まれた主人公が転がり込んだのが雀荘という点、主人公が麻雀を全く知らない素人、さらに舞台が高レート裏麻雀の代打ちってところがアカギっぽい。

加えて麻雀の素人なのにメキメキと麻雀が強くなる天才という点もまさにアカギのそれです。


また麻雀素人がストーリーを通して麻雀の基礎を学んで強くなっていく、それを読者が見ても勉強になる、という流れはまさにオバカミーコのそれです。


そして麻雀マンガには意外とありそうでないストーリー展開。かなり引き込まれます。面白い。

主人公が高レート麻雀の代打ちとして成長するだけでなく、なぜ主人公はトラブルに巻き込まれたのか?というミステリ要素もあるので麻雀だけでなくバックのストーリーにも注目です。


作者曰く前作を読んでいなくても十分楽しめるとのことですが、前作のキャラと世界観を濃く引き継いでいるのでストーリーを楽しみたい人は是非前作も読んでみてください。

全15巻なのでサクッと読めますし、麻雀が強くなるコラム付きなので麻雀が強くなりたい人は鉄読みだ!

キリンジゲートは麻雀初心者でも楽しめるか?

麻雀漫画は麻雀をある程度知ってないと楽しめないという壁があります(将棋漫画もそうだけど)。

ここらへんについての感想。

結論を言うと麻雀初心者でも楽しめます。むしろ麻雀初心者はこの本を読むと麻雀というゲームがすぐに理解できると思います。

これはうまいこと書かれてるな、とおもいました。

上のツイートのような感じで序盤は進みます。アカギのように先にルールを知ってからではなくマジでルールも知らずに鉄火場に放り出されるんです。

役や点数はもちろん、場の進め方や牌の読み方も全く知らない状態です。ハードすぎるだろ。

そんななか負けるとやばい鉄火場でゲームをしてるのはさながらカイジをみてるかのような緊張感。え?これでどうやって勝つの?とハラハラしました。


で、このシーンを見て「あぁ麻雀の”ま”を知らない人はこういうふうに考えたら理解しやすくなるな~」と膝を叩きました。

麻雀初心者向けの教材はいっぱいあるんですけど、実践ではどう考えたら良いのか?というのは今までなかったのでこれは新鮮です。


麻雀を初めて間もない人はキリンジゲートを読めば「こう考えたらいいんだな」というのが学べるのでおすすめです。

前作を読まなくても十分楽しめますが、物語の途中から前作のキャラが出てくるので気になった人は前作『鉄鳴きの麒麟児』シリーズを読むともっと楽しめます。

前作は麻雀を知ってる前提なので麻雀初心者の人はキリンジゲートの序盤(1~2巻)を読んでからが良いですね。

『キリンジゲート』は前作『鉄鳴きの麒麟児』のファンにも勧められるか?

勧められます。

(ただここについてはファンとしてちょっと言いたいことがあるので下の方に書きました。読まなくていいです。

前作に引き続き魔人の存在や前作で活躍したキャラ(ライバル)もたくさん登場します。

特にストーリーの途中から前作のライバルキャラが新主人公の杏ちゃんに麻雀を教えるという、ジャンプ漫画の修行シーンのような場面が出てきます。

前作のファンにとってはうまい登場の仕方だなぁって思いました笑。


というか鉄鳴きの麒麟児に出てきた話がどんどん進んで行くので実質鉄鳴きの麒麟児の正当な続編です。

新主人公も出てきますが、桐谷・・・キリンジパパのストーリーも続きます。

(『キリンジゲート』と鉄鳴きの麒麟児のタイトルが出てないので若干物語に繋がりがあると分かりづらいのがちょっとマイナス。ジョジョのSBRもそうだったんだけどね笑)

鉄鳴きの麒麟児の世界観に麻雀素人を出してどうするんだ?と不安になりましたが、そこは鉄鳴きの麒麟児版オバカミーコみたいなノリでうまいことストーリーにからめています。

闘牌も渋川プロの監修なので前作通りのクオリティは保たれてます。

てなわけで前作のファンでもキリンジゲートは十分楽しめます。

というか続編なのでファンの人はノータイムで買おう!

『キリンジゲート』まとめ


面白い。

鉄鳴きの麒麟児の続編というのを無視してキリンジゲート単体でみても十分面白い麻雀漫画です。

麻雀をしたことがない女の子がどんどん強くなる過程も面白く、かつ麻雀上級者でも納得の闘牌が繰り広げられます。

麻雀初心者の人は読めば麻雀が強くなってもっと麻雀が楽しめるはず。

麻雀ファンの方、前作ファンの方、麻雀初心者にもおすすめの漫画です!Mリーグを見て麻雀に興味を持った人は鉄で買おう!面白いよ!











【ここは読まなくていいです】キリンジゲート(と塚脇先生)に物申す!


鉄鳴きの麒麟児ファンがキリンジゲート(と塚脇先生)に向けた物申しタイムです。どうでも良いことが書かれてるので読み飛ばしてください。






塚脇先生に一言、






今のタイミングで新主人公って必要ありましたか?



ここを読んでいる人に誤解を招く書き方をしたのでフォローすると、キリンジゲートは面白いです。新主人公の杏ちゃんの闘牌やキャラ、前作のキャラとの絡みも面白いです。

でも『鉄鳴きの麒麟児』で出す必要はなかったのでは?と思ってます。


キリンジパパ(の物語)のファンとしては『キリンジゲート』というタイトルではなく『鉄鳴きの麒麟児~キリンジゲート編~』と題して引き続き桐谷をメインの主人公として出して欲しかった。

前作の歌舞伎町編では魔人の話や各キャラの背景など物語が大きく動いたまま終わりました。そして桐谷の歌舞伎町制覇にもキリが付きました。

で、次は待望の代打ち編だ!・・・ってときにいきなり前作主人公を一旦退場させてW主人公にするのはどうかなぁ・・・と。どうも新主人公が勢いに水を指してる感じが否めません。


他の方がレビューを書かれてたのですが、”例えるならラスボス直前だったRPGのセーブデータが消し飛んだ気分”というのはそのとおりだと思いました。

麻雀を知らないという女性主人公を登場させたのはおそらくこれから増えるであろう麻雀初心者層の読者を狙ってだと考えられます。

それはいいとしてそうだとしたら余計に今のタイミングか?と改めて疑問を抱くのです。


素人意見で恐縮ですが、このタイミングでW主人公で話を展開するのはなかなか難しいのでは無いかと思えるのです。さらにネット麻雀と代打ちという戦いの場が2つもあるので余計にややこしくなるのではないかと。

杏ちゃんをメインにするのもいいんですけど、そうすると前作主人公の影が薄くなるのでファンとしてはちょっといただけない。(今はキリンジパパもそこそこ活躍はしてるのですが)

それなら桐谷をメインに歌舞伎町の強者たちとバリバリやりあって強くなったキリンジパパの活躍をもっと見たいです。

キリンジゲートでもやると思うんですけど、ネット麻雀VS歴代の代打ちの戦いとかたくさん見たい。ネトマ最強はもちろん代打ちとして強くなったキリンジパパの闘牌をもっと見たいんです(今後たくさん見ることになると思いますが)

サブキャラクターも非常に魅力があるので(稲作くんとかフィルさんとか)ジャンプの格闘マンガよろしくサブキャラクターメインの闘牌とかもみてみたい。

(現在新主人公が修行ということで前作のライバルたちと闘牌してるのでサブキャラクターも活躍はしてます。面白いんですけど、どうせならサブキャラクターメインの闘牌をもっと見たい)


ぶっちゃけると新主人公も杏ちゃんは『鉄鳴きの麒麟児』の物語が一旦締まってから鉄鳴きの麒麟児の数年後~みたいな感じで出てきた方がよかったです。

もしかしたら麻雀の天才である新主人公の杏VSネット麻雀の頂点&伝説の代打ちのキリンジパパ、みたいなファンからしたらメチャクチャアチィ闘牌になるんじゃね!って妄想できるんですよ!!

・・・すでに先生の頭の中で考えてるかもしれないけどwww(キリンジゲートで出てきたらすいません)



てなわけで、キリンジゲートは面白い!新キャラの杏ちゃんもいいキャラしてるし!闘牌も相変わらずおもしろい!中身に文句なし!

杏ちゃんと前作のキャラの絡み合いも面白い!読むだけでまじで勉強になるストーリー展開と闘牌!素晴らしい!杏ちゃんの成長が楽しみ!


・・・でも繰り返しになりますが、今このタイミングでキリンジゲートで新主人公を出すのはやっぱり違和感を覚えるばかりです。

塚脇先生もファンからこのような物申しが出るのをわかった上で今のキリンジゲートのストーリーを作ったと思われます。それでもやっぱりいちファンとしては言わせてほしかったです。

…って書いてる途中に思い出したけど、ジョジョも似たような感覚だったのかなぁと。当時SBRが出たときもファンからの”物申し”はすごかったのかもしれない(笑)

最後に


・・・と、こんなこと書きつつ4巻がでたら買います。

僕は鉄鳴きの麒麟児のファンなので。

麻雀漫画ってなかなか長続きしないのですが、鉄鳴きの麒麟児はシリーズを通すと15巻以上続いてる人気漫画です。

私も買ったのでぜひきれいに鉄鳴きの麒麟児、キリンジパパの物語をオーラスまで続けてほしいとおもいました。




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