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Pardot導入後3ヶ月で運用に乗せた方法公開

お世話になっております。
SALESCOREの古山でございます。 

note書くのは約7ヶ月ぶりですが久しぶりにコンテンツを作ります。
今回は7月上旬に導入したPardot(現Account Engagement)の運用に乗せるまでに何をしたのかについて赤裸々に事例としてまとめてようと思います。

【想定読者】
・Pardotを含むマーケティングオートメーションの導入を考えている方
・Pardotを導入したがうまく使いこなせていない方
・Pardotを利用してマーケティング活動やインサイドセールス活動に活かしたいと考えている方

そもそもPardotは何ができる?

Pardotの公式な訴求ですと「豊かな顧客関係の構築、パイプラインの増加、より多くの成約を目指す営業チームの支援」に活用できると記載されております。

私の解釈ですと、「顧客のWeb上でのアクションをトラッキングし、Hotなリードに対してのアクションを適切なタイミングで実施することで効率的な営業活動を実施し、パイプラインの増加と成約率の向上ができるツール」と認識しております。

具体的に申し上げると、Web上でのアクションのトラッキングや通知、メールに対するエンゲージメントの可視化や通知、温度感の高いことをスコアリングで表現し対応するリードの選別かと思います。

Pardot公式ランディングページ
https://www.salesforce.com/jp/products/marketing-cloud/marketing-automation/

導入目的

導入前の課題

ウェビナーやマーケティングメール、デジタル広告などのマーケティング活動の成果を統合して可視化できておりませんでした。

またマーケティング活動とインサイドセールス活動の連携ができていなく、インサイドセールスは非効率的にひたすらコールを実施し、マーケティングはウェビナーやマーケティングメールも送りっぱなしになっており振り返り等もできていませんでした。

導入後の理想像

上記の課題を解決し最終的には下記を望んでおりました。

・マーケティング活動の成果をリアルタイムで可視化を行う。
・Hotであるタイミングを可視化し、適切なタイミングでアプローチすることで効率的に商談を生み出す。

弊社の当時の状況

【事業について】
「SALESCORE」というセールスイネーブルメントツールを運営しております。
Salesforceと連携してデータの可視化や分析、エクセルライクな入力を実施することで、データドリブンな営業組織づくりを可能にしています。
スタートアップの企業様から大手の企業様の営業変革にお手伝いしております。

【当時利用していたツール】
・Salesforce
・Slack
・SALESCORE
・STUDIO
・MailChimp

【リード獲得チャネル】
・Facebook広告
・サービスサイト
・ウェビナー
・CxOレター
・紹介
・紹介サービスなど

【ハウスリードの数】
約4000

Step1-Salesforceの設定のやり直し

まず初めに取り組んだのはSalesforce設定のやり直しでした。
やり直した理由は、「①リードの昇格時商談を作成しておらず、キャンペーンインフルーエンスを利用できていなかった」「②リードソースと発生経路の概念がマージされており、チャネルごとのLTVが可視化できていなかった」の大きく二つです。

①については、もともとアポイント獲得時のSalesforce上での記録フローとしては、リードを取引先と取引先責任者に昇格し、行動を手動で作成でした。
この運用ですとキャンペーンが自動で紐づくのは商談であり、行動ではないのでマーケティング施策からどの程度アポイントが発生したのかについてはトラッキングできませんでした。
そのため、アポイント設定時商談を作る運用に変更しました。

現在利用中の商談レイアウト

②については、非常にシンプルでリードソースと発生経路の概念分けと、項目の追加、過去データの移行を実施しました。

リードソース
発生経路

①②も記載をすると非常にシンプルですが、各部署との合意形成、過去データの移行、データを可視化するダッシュボードの修正と付随して発生してくる業務は非常に多いです。

Step2-プロスペクトの重複排除

次に実施したのがプロスペクトの重複排除です。Pardotの機能に触れる前に前段階として実施しなければいけない内容が非常に多いです。

Pardotだとデフォルトでメールアドレス一致で重複の排除を行っておりますが、当時は資料DLフォーム→Zapier→Salesforceでリード作成の運用をしており、重複排除をできておりませんでした。

おすすめ記事「プロスペクトの重複について」
https://help.salesforce.com/s/articleView?id=sf.pardot_admin_ampsea_parent.htm&type=5


正しくプロスペクトの数を把握する、メールを複数通送付しない、Engagementのトラッキングを正しく行うためにも重複の排除はマストでした。

Step3-新規リードをPardot経由で獲得する

Pardotの1丁目1番地は、リードをPardot経由ですることです。
Pardot経由で獲得するためには、Pardotフォームかフォームハンドラーを利用すること必要があります。
フォームとフォームハンドラーの違いを下記にまとめます。

フォーム・・プロスペクトの項目をベースに作成。レイアウトやデザインはPardot内でHTMLを記述する。最終的にLPにiframeで埋め込む。
フォームハンドラー・・Pardotのプロスペクトの項目とフォームの項目を対応づけする。既存のフォームにタグを埋め込む。

おすすめ記事「Pardotのフォームハンドラーとは? 仕組み・新規フォーム作成との違い」
https://biz.techvan.co.jp/tech-pardot/blog/pardot-form-handlers.html

弊社の場合はノーコードのCMSでSTUDIOを利用しており、タグを埋め込めないためフォームハンドラーを利用することが出来ませんでした。

余談ですが、STUDIOは便利なツールですがPardot関連にとどまらず、マーケティング活動の中で実施したい施策がSTUDIOでできないことが多いです。

Pardotフォームを作成し、iframeでLPに埋め込むことでリード獲得が可能です。またこの際完了アクションを設定することでスコアの調整やSlack通知やキャンペーンへの追加などさまざまなことが可能です。

完了アクション

最後に1つ注意点は、このパートでは単にフォームを作れば良いのではなくCVをどこに設定するのか、計測はどの粒度で行うのがなどの視点が必要でマーケティング活動の全体設計の見直しが必要です。
そのため、Pardot管理者がマーケティング部門ではない場合はマーケティング部門をコミュニケーションを取ることが必要かと思います。

Step4-Pardotスコア/Einsteinリードスコアの活用

Pardotにおいて点数付をするにはスコアリングをグレーディングの機能を活用できます。
それぞれの違いを下記にまとめます。

スコアリング・・プロスペクトのアクション(フォーム登録/メールの開封など)によって点数づけ
グレーディング・・プロスペクトの役職や部署情報に基づきランクづけ

弊社ではグレーディングはフォーム登録時にいただいている項目が少なく、活用しておりません。
スコアリングについては充分に活用しており、スコアが高いリードから積極的にフォローするといったことを実践しております。

スコアリングは難しく精度が悪いとよく言われますが、Pardotではデフォルトのスコアリングが基本設定としては問題なく、弊社ではメールの開封の点数を変更したのみです。

また精度も高いと認識しており、スコアが高いリードから生まれた商談はFSからも案件化しやすいと聞いております。

Pardotスコアで並び替えをしたリストビュー


弊社では上記のPardotスコアと別にEinsteinのリードスコアリングも活用しております。
Einsteinではリードの項目を機械学習し独自のスコアリング算出方法で点数づけしています。

Einsteinスコアリング


Step5-ナーチャリング実践

ナーチャリングと聞くと難しい印象があるかもしれません。
弊社もMarketoさんのように体系化されたナーチャリングができているかというとそうではありません。

我々はまずHotな状態に温めることではなく、Hotなリードであることを可視化と通知をし、インサイドセールスにパスをすることからナーチャリングを実践しました。

具体的には「①LPに来訪しているプロスペクトのSlack通知」「②マーケティングメールの内資料へのクリックなどがあったプロスペクトのSlack通知」を実施しています。

①はページアクションという機能を使いページに来訪したらSlackに通知。通知後は5分以内にインサイドセールスが詳細な情報を提供をコールやメールで実施しています。

ページアクションの通知

②はPardotメールに特定のトラッキングリンクにアクションが発生した時に、完了アクションを仕込むことができるので、同様にSlack通知をしております。

Step0(番外編)-Engageの活用

インサイドセールスはそもそもEnagagement Historyから個々のリードのWeb上でのアクションを認知し、それに合わせてフォローアクションを実施することができますが、Engageを利用することで、さらに1to1Emailにおけるトラッキングができ、温度感の高いリードに対して優先的にフォローをすることができます。

おすすめ記事「Engageを活用しましょう」
https://successjp.salesforce.com/article/NAI-000165

具体的にはGmailからEngageメールを送付し、メール内の活用事例記事やデモ予約などのトラッキングリンクのクリックを通知できるのでそれに合わせて優先的にフォローやトークを実施します。

Engageデモ画面

例えばデモ予約リンクをクリックしたが、日程調整されないときには単純に候補日がマッチしていないのかもしれません。
その際は別の候補日をテキストで送付などのアクションを実施します。
※個人的にはイチオシで絶対使った方がいいです。

運用にあたって難しかったことまとめ

前提Pardotの各機能の設定はそんなに難しくないし、CRMに比べたらはるかに簡単だと思います。ただPardot特有の概念やデータを正しく可視化するためのハコづくり、そもそもの全体設計が非常に難しかった、、、。

システムを運用に合わせることも非常に重要ですが、まずは何をPardotを利用し成し遂げたいのかを言語化するとが非常に重要だと思います。
Pardotは機能も非常に多いので全ての機能を使うべきか?と問われればNOです。

全体設計に注力するのがオススメです。ここは外部の方や既に導入した先輩企業を頼るべきかと思います。

Pardotはいつから導入するべきか

よくハウスリードが10000を超えたらマーケティングオートメーションを導入するべきと言われます。
しかし、弊社はハウスリードが4000のタイミングから導入をしました。

Pardotのコアな価値は確かにナーチャリングを実践するだと思っておりますが、そもそもマーケティング施策の成果の可視化や温度感の高いリードを可視化など複数用途があります。

そのため、ハウスリードが10000に満たなくてもこれからマーケティング施策を強化するタイミングであれば導入することも非常に良い意思決定かと思います。

終わりに

ここまで読んでくださりありがとうございました。
個人的には約3ヶ月でPardotの運用に載せたナレッジを記載できたかなと思っております。

この記事の中での疑問点や、Pardot関連、さらにはBtoBのマーケティングについては是非情報交換ができると幸いです。

下記のMeetyからお待ちしております。
https://meety.net/matches/iQmLjLcsrXwu


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