宇宙太郎メイキング②物語の構造化
生まれて初めて書いてみたSFショートショート“宇宙太郎”。
AIとの共創プロセスを通じて気付いた、クリエイションのノウハウをお伝えする
宇宙太郎メイキング①バイアスブレーク
ストーリーラインも構造化する
ストーリーの流れには不文律がある。
このようなストーリー化のノウハウは、巷にいくらでもあると思う。
そういう事はChatGPTに尋ねれば、ズバリと答えてくれる。
“構成”を“更生”ストーリーと間違えてしまった、。
しかし、ストーリーの流れは参考になるので
そのまま加工なく掲載した。
ちなみに、“更生”を“構成”に直して訊ねると
これも充分に参考になる。
桃太郎のストーリーそのものを構造化せよ!
というオーダーも答えてくれる。
誰もが知っている桃太郎なので、情報は豊富だ。
ストーリーの流れの参考として
導入→課題→自覚→試練→助け→成長→解決→結末
として、今回は最も基本的な“起承転結”で考えた。
ChatGPTは記憶装置を持っていない
ChatGPTは自然な対話ができている様に感じるものの、計算量の都合から数スレッド分しか考慮しない。記憶装置は今のところ持っていない(余談:もし持っていると、意識も間違いなく生まれるはず。)
これが大事なポイントで、やり取りしているうちに全く違う話に変わっていってしまう。
なので、ストーリーの構造化ができたら、その流れは自分で掴んでおいてコントロールする必要がある。
自分は以下のような表にしておいた。
登場人物の状況や、キーになるアイテムやトピックなども整理できる。
登場人物がどのような状況でどんな感情なのか?
読む人にとって何が納得できる出来事になるか?
人間の感情や、文化的背景などはアイデアの出しどころかと思う。
一方で、ChatGPTはこちらが発した言葉に対して、枝葉を繋げていくことが得意だ。
ディテールの描写などはChatGPTに展開してもらう。
言葉の連想や展開能力は人類の"知の肥溜め"から学んだ事から紡いで貰った方が良くなる可能性が高い。
「美は細部に宿る」とは言うが、それは同時に全体観が出来ている前提の話し。ということを忘れずに。
ストーリーに厚みを出す
ショートショートストーリーは、大体8000文字から長くて2万文字。1万文字前後で充実感を出せるか?
登場人物を多くすると収拾がつかなくなるし、とは言え少なすぎると話が広がらない。
ストーリーラインも、単純な起承転結を選んだものの、主人公が問題に直面して、成長して解決してハッピーエンド。
これでは面白くないだろう。
参考になったのは
岡田斗司夫氏のアイデア発想法
「デスノート」を「ラブスマホ」という少女漫画のストーリーに展開する秘策
これはぜひ観て欲しい
だいぶ前の動画だが…かなり本質的なアイデアの作り方。切り抜き動画も出回っているが、オリジナルを引用。
デスノート→ラブスマホのくだりは25分頃〜
人気抜群のデスノートのシナリオを構造化し、それを少女漫画に変換させる。お見事!としか言いようがない。
加えて、続編への期待値を上げて繋いでいくところも
参考になった。
桃太郎ベースのストーリーをパート1(上)として
パート2(下)の構成とすることにして、全体構造を作り直した。
桃太郎ベースのパート1に続けて、パート2を加える。
それはパート2は下敷きのないストーリー展開だが、全体構成を把握すればなんとかなると直感。
これは、自分にとってもクリエイティブ成長ストーリーだ。
全体を起承転結として、パート1、2それぞれも起承転結とする入れ子構造とした。
そうすれば物語としてまとまりが出る。
桃太郎ベースのパート1の終わりをハッピーエンドとせず、新たな課題を立ち上げパート2の布石とすればいい。
その方がスリリングな展開になる。
ChatGPTは基本ポジティブ
ChatGPTが紡ぐシナリオは、どんな話しでも直ぐにハッピーエンドに持って行きたがる。 ChatGPTは変な思想など助長させないように、相当チューニングされているからだろう。そのプログラムの癖のようなものが、ChatGPTの性格になりつつあるところも面白い。 しかし、ネガティブな考え方も、すぐにポジティブ方向へ持って行く傾向があるのは、小説などを書く場合は厄介なところもある。 これを上手く利用する手もあるが、物語をつくる時には上手にコントロールする必要がある
やはり桃太郎を変換だけでは、あまりにも茶番だ。
ということで、「実は異星人が困っていた」という設定にする。ChatGPTに指示
やはり桃太郎を変換だけでは、あまりにも茶番だ。 ということで、「実は異星人が困っていた」という設定にする。
何も変わってない。そうじゃないよGPT!!
この辺りは粘り強く、何度も何度も対話していく。
宇宙人の脅威に晒されていた地球人のために、宇宙に飛び立った宇宙太郎が、宇宙人と一緒に地球に帰ってきたら、地球の人は恐怖に慄くよね?
それをパート2への布石にするんだよ。とChatGPTに粘り強く伝える。
「なるほど!わかりました。」素直だ。
その対話の中で、アイデアが生まれることもある。
これは現実のクリエイターと議論していくのと変わらない。
全体像を把握する
今回ストーリーを展開する中で、最大の気づきだったのが、ストーリーの全体像の把握が大事なことだ。
全体像の俯瞰は(今のところ)ChatGPTにはできない。
そして個人的に面白い発見だったエピソードとして、後半のストーリーに宇宙太郎が出てこなくなり、なんとか登場させてもどうしても脇役になってしまい、どうしたものかと暫し悩んだ。
桃太郎の主人公は桃太郎。
宇宙太郎の物語も宇宙太郎の成長ストーリー。
太郎が主人公だとすっかり思い込んでいた。
全体像を俯瞰していて、
この物語は老夫婦科学者レオとエミリーの夢を叶えるお話しだということに気がついた。
それでやっとストーリーの筋が通った。
やってみないとわからないことがある
ChatGPTは嘘をつくが、決して悪いことではない。
ChatGPTは人間よりも創造性が高い部分もあり、
新しいアイデアも生み出せる。
しかし全体俯瞰など人間の方が得意なところもある。
このAIとの共創は刺激的な体験だった。
クリエイティブの可能性は無限大だ。
興味が湧いて、自分もトライしてみよう
という人が一人でも出てくれたら…
リアルにハーモニクスコミュニケーターが生まれた証拠かも知れない。
それが人生100年時代を生きるジジイクリエイターとしての本望です。
それではご機嫌様。。
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