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宇宙太郎メイキング②物語の構造化

生まれて初めて書いてみたSFショートショート“宇宙太郎”。
AIとの共創プロセスを通じて気付いた、クリエイションのノウハウをお伝えする

宇宙太郎メイキング①バイアスブレーク

ストーリーラインも構造化する

ストーリーの流れには不文律がある。
このようなストーリー化のノウハウは、巷にいくらでもあると思う。
そういう事はChatGPTに尋ねれば、ズバリと答えてくれる。

🙋‍♂️
ハリウッド映画などのストーリーの更生パターンはどのようなものですか?

🤖ChatGPT
ハリウッド映画などのストーリーの更生のパターンは多岐にわたりますが、以下はよく見られる基本的なステップです。

導入部:映画は通常、主人公が個人的または職業的な問題に直面しているところから始まります。彼らは道徳的に破綻しているか、幸せでない生活を送っているかもしれません。

課題の発生:主人公は何らかの課題や困難な状況に直面します。これが彼らの人生を変えるきっかけとなり、もっと良い人間になるための道を探り始めます。

自覚と反省:主人公は自分の欠点や過ちに気づき始め、それらを是正するために何らかの行動を起こすか、誰かから助けを求めるかもしれません。

試練と困難:主人公は更生の道のりで多くの試練や困難に直面します。彼らは過去の行動に対して責任を取り、新しいスキルを学ぶかもしれません。

助けとサポート:多くの場合、友人、家族、またはメンターが主人公を支えます。これらの人々は主人公に勇気を与え、正しい方向への手助けをします。

変化と成長:主人公は徐々に変化し、成長します。彼らは以前の行動を改め、新しい価値観を持ち、他人との関係を改善します。

試練のクライマックス:物語は、主人公が最終的な試練に立ち向かうクライマックスに達します。これは彼らの更生がどれほど成功したかを示す決定的な瞬間です。

解決:主人公がクライマックスで成功すれば、彼らの人生は向上し、新しい価値観で新しい生活を始めることができます。敗北の場合でも、彼らは通常、何らかの教訓を学び、人間として成長します。エピローグまたは反省: これはオプションですが、映画は時折、エピローグで主人公の更生がどのように続いているかを示すか、または、物語を通じて得られた教訓やメッセージを観客に伝える反省の瞬間を描くことがあります。これらのパターンは非常に一般的であり、ハリウッド映画だけでなく、世界中の映画や文学作品にも見られます。これは、人々が変化と成長の物語に共感しやすく、それが人間の経験の基本的な側面であるためです。

もちろん、すべての映画がこれらのパターンに厳密に従うわけではなく、多くの映画はこれらの要素を異なる方法で組み合わせたり、独自のツイストを加えたりします。しかしながら、これらは更生をテーマにしたハリウッド映画の典型的な構造の基本です。

“構成”を“更生”ストーリーと間違えてしまった、。
しかし、ストーリーの流れは参考になるので
そのまま加工なく掲載した。

ちなみに、“更生”を“構成”に直して訊ねると

🤖GhatGPT
ハリウッド映画の典型的なストーリー構造は、三幕構造としてよく知られており、以下のように分割されます。

第一幕 (導入部):
セットアップ:物語の背景、登場人物、設定が紹介されます。
触発要因 (Inciting Incident):物語の中で何かが起こり、主人公の通常の生活に変化が生じます。これは物語を動かすキーとなる出来事です。
第二幕 (展開部):
対立:主人公は困難や障害に直面し、目標に向かって闘います。この間にサブプロットや複数のキャラクターが絡み合うことがよくあります。
ミッドポイント:物語の中盤で、主人公の状況が何らかの形で大きく変化します。これは通常、主人公が新しい情報を得たり、重大な出来事が起こることによって引き起こされます。
ダークナイト・オブ・ザ・ソウル:主人公が最も深刻な危機に直面し、目標を達成できないのではないかと感じる瞬間。
第三幕 (結末部):
クライマックス:物語のハイポイントで、主人公は最終的な試練や対決に立ち向かいます。
解決:クライマックスの結果が明らかになり、物語の緊張が和らぎます。キャラクターたちの運命や物語の結末が描かれます。
これはハリウッド映画の非常に一般的なストーリー構造ですが、映画によってはこれを変更したり、異なる構造を使用することもあります。更生のテーマを含む映画でも、この三幕構造が基本としてよく用いられます。

これも充分に参考になる。
桃太郎のストーリーそのものを構造化せよ!
というオーダーも答えてくれる。
誰もが知っている桃太郎なので、情報は豊富だ。

ストーリーの流れの参考として
導入→課題→自覚→試練→助け→成長→解決→結末
として、今回は最も基本的な“起承転結”で考えた。

ChatGPTは記憶装置を持っていない

ChatGPTは自然な対話ができている様に感じるものの、計算量の都合から数スレッド分しか考慮しない。記憶装置は今のところ持っていない(余談:もし持っていると、意識も間違いなく生まれるはず。)
これが大事なポイントで、やり取りしているうちに全く違う話に変わっていってしまう。
なので、ストーリーの構造化ができたら、その流れは自分で掴んでおいてコントロールする必要がある。

自分は以下のような表にしておいた。
登場人物の状況や、キーになるアイテムやトピックなども整理できる。

ストーリーラインを表にする

登場人物がどのような状況でどんな感情なのか?
読む人にとって何が納得できる出来事になるか?
人間の感情や、文化的背景などはアイデアの出しどころかと思う。

一方で、ChatGPTはこちらが発した言葉に対して、枝葉を繋げていくことが得意だ。
ディテールの描写などはChatGPTに展開してもらう。
言葉の連想や展開能力は人類の"知の肥溜め"から学んだ事から紡いで貰った方が良くなる可能性が高い。
「美は細部に宿る」とは言うが、それは同時に全体観が出来ている前提の話し。ということを忘れずに。

ストーリーに厚みを出す

ショートショートストーリーは、大体8000文字から長くて2万文字。1万文字前後で充実感を出せるか?
登場人物を多くすると収拾がつかなくなるし、とは言え少なすぎると話が広がらない。
ストーリーラインも、単純な起承転結を選んだものの、主人公が問題に直面して、成長して解決してハッピーエンド。
これでは面白くないだろう。

参考になったのは
岡田斗司夫氏のアイデア発想法
「デスノート」を「ラブスマホ」という少女漫画のストーリーに展開する秘策
これはぜひ観て欲しい

だいぶ前の動画だが…かなり本質的なアイデアの作り方。切り抜き動画も出回っているが、オリジナルを引用。
デスノート→ラブスマホのくだりは25分頃〜

人気抜群のデスノートのシナリオを構造化し、それを少女漫画に変換させる。お見事!としか言いようがない。

加えて、続編への期待値を上げて繋いでいくところも
参考になった。
桃太郎ベースのストーリーをパート1(上)として
パート2(下)の構成とすることにして、全体構造を作り直した。

宇宙太郎・上下ストーリーライン全体像再考

桃太郎ベースのパート1に続けて、パート2を加える。
それはパート2は下敷きのないストーリー展開だが、全体構成を把握すればなんとかなると直感。
これは、自分にとってもクリエイティブ成長ストーリーだ。
全体を起承転結として、パート1、2それぞれも起承転結とする入れ子構造とした。
そうすれば物語としてまとまりが出る。
桃太郎ベースのパート1の終わりをハッピーエンドとせず、新たな課題を立ち上げパート2の布石とすればいい。
その方がスリリングな展開になる。

ChatGPTは基本ポジティブ

ChatGPTが紡ぐシナリオは、どんな話しでも直ぐにハッピーエンドに持って行きたがる。 
ChatGPTは変な思想など助長させないように、相当チューニングされているからだろう。そのプログラムの癖のようなものが、ChatGPTの性格になりつつあるところも面白い。
しかし、ネガティブな考え方も、すぐにポジティブ方向へ持って行く傾向があるのは、小説などを書く場合は厄介なところもある。
これを上手く利用する手もあるが、物語をつくる時には上手にコントロールする必要がある

宇宙太郎がスクスクと成長→宇宙から異星人の脅威→宇宙太郎が立ち向かう→異星人をやっつけてヒーローになる。

やはり桃太郎を変換だけでは、あまりにも茶番だ。
ということで、「実は異星人が困っていた」という設定にする。ChatGPTに指示

やはり桃太郎を変換だけでは、あまりにも茶番だ。
ということで、「実は異星人が困っていた」という設定にする。

宇宙からの脅威→宇宙太郎がそれに気がつき→宇宙人の課題を解決→地球に戻りヒーローになる

何も変わってない。そうじゃないよGPT!!
この辺りは粘り強く、何度も何度も対話していく。
宇宙人の脅威に晒されていた地球人のために、宇宙に飛び立った宇宙太郎が、宇宙人と一緒に地球に帰ってきたら、地球の人は恐怖に慄くよね?
それをパート2への布石にするんだよ。とChatGPTに粘り強く伝える。
「なるほど!わかりました。」素直だ。
その対話の中で、アイデアが生まれることもある。
これは現実のクリエイターと議論していくのと変わらない。

全体像を把握する

今回ストーリーを展開する中で、最大の気づきだったのが、ストーリーの全体像の把握が大事なことだ。
全体像の俯瞰は(今のところ)ChatGPTにはできない。
そして個人的に面白い発見だったエピソードとして、後半のストーリーに宇宙太郎が出てこなくなり、なんとか登場させてもどうしても脇役になってしまい、どうしたものかと暫し悩んだ。

桃太郎の主人公は桃太郎。
宇宙太郎の物語も宇宙太郎の成長ストーリー。
太郎が主人公だとすっかり思い込んでいた。

全体像を俯瞰していて、
この物語は老夫婦科学者レオとエミリーの夢を叶えるお話しだということに気がついた。
それでやっとストーリーの筋が通った。

やってみないとわからないことがある

ChatGPTは嘘をつくが、決して悪いことではない。
ChatGPTは人間よりも創造性が高い部分もあり、
新しいアイデアも生み出せる。
しかし全体俯瞰など人間の方が得意なところもある。

このAIとの共創は刺激的な体験だった。
クリエイティブの可能性は無限大だ。

興味が湧いて、自分もトライしてみよう
という人が一人でも出てくれたら…
リアルにハーモニクスコミュニケーターが生まれた証拠かも知れない。
それが人生100年時代を生きるジジイクリエイターとしての本望です。

それではご機嫌様。。

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