見出し画像

宇宙太郎メイキング①バイアスブレーク


宇宙太郎 SFショートショート

あとがきのようなもの

初めて小説を書いてみた。ChatGPTがそのキッカケをくれた。この体験は完全にAIとの共創だったと思う。

ネット上にあるあらゆる文章や言葉を学んでいるChatGPTは、つくり話が得意。紡ぎ出された文章は非常に巧みなフィクションになる。
人々は「AIは平気で嘘をつく」と言う。
それなら未来の話を作らせたら良いのでは?と考えた。嘘も真実も全ては可能性になる。
嘘つきなChaGPTにはもってこいのテーマ。。

誰もが“創造的でありたい”と願う一方で、“正しく” “完璧で” “間違いのない”情報しか受け付けない体質に知らず知らずになってはいないか?
創造の真髄は、心を動かす“嘘”を形にすることなのかもしれないのに。

創造性を育みたければ、SFショートショートはいかが?
あなたの空想が、広がれば広がるほど魅力的になる。
未来に対しては誰もが素人。限りなく自由に想像を巡らせ、心に秘めていたメッセージを込め、未来の物語を創ろう。

ChatGPTは共創パートナー。あなたの妄想にいくらでも寄り添ってくれるし、無茶振りにもとことん付き合って、次から次へと文字を紡いでくれる。

「ChatGPTは大した答えを出さない」
それこそ“間違い”で“嘘”ということになる。

ChatGPTと小説を書くコツ

「〇〇を主人公にしたSFショートショートを書いて」

このPromptでもスラスラと書いてくれる。電車の中の暇つぶしになるくらいの話しなら、いくらでも紡ぎ出す。
しかし、それなりに面白いストーリーにしたり、自分の想いやメッセージを込めようとなると、それなりの工夫は必要になる。
ショートショートとはいえ、その2万文字を適切に並べ、さらに誰かに読んでもらうものにするにはどうしたら良いか?

自分がやったのは、構造化とバイアスブレーク
日頃やっている、デザインや企画創出と同じ手法だ。
これができると生成系AIは確実にクリエイティブパートナーとなる。

参考になるのは
濱口秀司氏による
SHIFT:イノベーションの作法

この中で“桃太郎”を題材にした、バイアスブレークの実例が紹介されている。
物語を構造化し、それを壊すことで新たな物語をつくることができる。その手法を簡単に紹介すると

桃太郎は勧善懲悪の戦隊ものストーリー。
それをSHIFTさせると…
例えば、鬼退治した桃太郎が村に帰る途中で
仲間のキジを食べてしまうストーリーとすると
途端に桃太郎がサイコパスな新桃太郎の物語となる
この“軸”を見つけることが肝になり、本当のクリエイションなのだ。
自分もクリエイターの端くれとして、30年以上の経験があるが、このレイヤーでクリエイションできている人はほとんどいない。

ジェネラティブAIが誕生した今。
AIで描いた絵や小説はクリエイションなのか?
AIで絵を“描いた”と言えるのか?などと言う論争は
クリエイションのレイヤーが末端レベルの話しということに気がついて欲しい。
また、デジタルの点を並べた画像やデジタルの文字を並べた文章そのもののアウトプットでは、もはやコンピュータの方が人間の能力を遥かに超えているのは明らか。
そのレイヤーで勝負しても、まず人間は勝てない。
しかし、それは残念なことでは全く無く、クリエイティブの本質はそこではないこと。
クリエイションができるところはいくらでもあること。
AIの登場で我々はそれに気がつき、さらなる創造性が発揮される筈だ。

バイアスブレークで物語を考える

初めて小説を書いてみる時に
“桃太郎”をベースにした理由が3つある。
桃太郎のような誰でも知っているストーリーなら
・初めての小説のベースとして書きやすい
・読み側も理解しやすいストーリーになる
加えて、この濱口さんのバイアスブレークを
実例に沿って実践してみたかったから。。

まずは、ざっくりと…やってみた

誰もが知る桃太郎を、初めて聞くような物語にする。
子ども向けの桃太郎を大人が読んで楽しめるように。
桃太郎は昔話だけども、未来のSFストーリーにする。
これらの考え方もバイアスブレークだ。

例えば、SF物語としての桃太郎。
「むかしむかし、あるところに
お爺さんとお婆さんがいました…」から始まる桃太郎を
「遥かなる未来、星々が織りなす大宇宙の中に、ある年老いた夫婦がいました…」とすると?
どんな“お爺さん”と“お婆さん”がいるだろうか?
あなたの想像力が発動するはずだ。

桃太郎の登場人物やキーになるモノなどをリストにしてみた。

物語に出てくる人物やアイテムが変わり、新たなストーリーが生まれる手がかりになる。

もうひとつ、クリエイションの手の内を公開する

“受容れやすい未来の話し”にするには?

SFストーリーは妄想でも構わないが、何でも魔法のようなテクノロジーで解決していては茶番になるし、自分の世界だけでは読み手がついてこれなくなってしまう。
そこで、未来を考える前に“今”を挟んでみることにした
例えば、お爺さんお婆さん。
今現在、“人生100年時代”という価値観が広がりつつある。それを鑑みて、未来には“エキスパート科学者の現役老夫婦”という設定にする。
それならリアリティも感じられるのではないだろうか?

他の登場人物やアイテムやトピックなど、“今”起きていることを挙げて、延長としての未来をプロットしてみると、ストーリーが徐々に見えてくる。思いついたアイデアをChatGPTに問えば、ディテールの描写を含めストーリーの肉付けができる。

“お婆さんが川で洗濯している時に、流れてきた大きな桃から生まれた桃太郎” これに対して、未来にShift→
“宇宙の遥か彼方から届いたAIの設計データをヒントに、エキスパートの科学者老夫婦が、AIロボットの宇宙太郎をつくる”
未来の話しなのに余程リアリティがある。

未来の話しはリアリティが出にくい。
これもバイアスブレークの一例ということに気がついただろうか?

宇宙太郎の物語には、他にもバイアスブレークしたアイデアが散りばめられているので、ぜひ探し出して欲しい

思っていたよりボリュームが出たので
ストーリーラインの構造化については
次回パート②にて

つづく

この記事が参加している募集

AIとやってみた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?