リヨンとライオン

Lion et/ou Lyon

リヨンの街中にライオンがあふれる理由

 吼えているライオン、おとなしいライオン、立ち上がったライオン、腹ばいになっているライオン。全身の彫像もあれば、頭だけのもの、また、単にモチーフを描いたものも…。リヨンの街を歩いていると、そこかしこにライオンを見かけることができます。リヨン市の紋章も、ライオンにフランス王家のユリの花をあしらったものです。

 フランス語では同じ発音のリヨンLyonとライオンLion。しかし、語源的な関係はありません。リヨンの旧名は、「ケルトの神(または、光)の丘(砦)」を表すケルト語起源のラテン語「ルグドゥヌムLugdunum」。これが長い間に子音が消失し、今のリヨンという発音に変化しました。実際、今のつづりになる前は、ライオンと同じつづりで表記されていました。

 しかし、実はリヨンとライオンの関係には長い歴史があり、リヨンのシンボルがライオンであることには理由があるようです。ローマ時代、現在のリヨンにあたるルグドゥヌムで、カエサルの腹心であったマルクス・アントニウスを記念して鋳造された硬貨のモチーフにライオンが使われてきたからという説と、中世リヨンにて、教会権力と対抗していた世俗権力の紋章がライオンであり、フランス王領に組み込まれたあともリヨンの象徴としてライオンが採用されたためという説の2つが有力です。

 2004年には「60頭のライオン、60人のアーティスト、60の場所をコンセプトに、各国のアーティストが思い思いにライオン像を彩色するリヨンライオンビエンナーレが開催されました。閉会後のオークションで競り落とされた色とりどりのライオン像は、現在もリヨンの空港や銀行、レストランに設置されています。

 リヨンの人にこれほどもまでに親しまれているライオン。本物はテット・ドール公園(Le Parc de la Tête d'Or)内の動物園(入園無料)で見ることができます。昔の銅像や石像から最近のカラフルなライオン、本物のライオンまで、リヨンの街を歩きながら、自分のお気に入りのライオンを見つけてくださいね。

information

Le Parc de la Tête d'Or

入り口は周囲7カ所ありますが、美しい正門は、Quai Charles de GaullesとBoulevard des Belgesとの交差点にあります。

Metro A : Foch, Massena, Charpennes (Metro B / Tramway T1)

http://www.zoo.lyon.fr

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