本を他人に紹介することが苦手な自分
みなさん、こんばんは。
カイロスマーケティングで代表を務めております、佐宗(さそう|@dsasoon)と申します。
本を読むことが好きで、休みの日には読書のためにわざわざ時間を取ることがあります。読書のために旅に出ることさえあります。
学ぶことが好きなので、その延長として本を読むことが楽しみになっているのだと思います。気づけば、月に10万円以上を本の購入に使ってしまったこともあるほどです。
本を選んだり読むこと自体は大好きですが、他人に本を紹介するのはあまり得意ではありません。
仕事がらなのか、立場上のせいなのか、「おすすめの本を教えてください」と尋ねられることがあるのですが、正直に言うと、その質問に答えるのはとても難しいと感じています。
本を紹介することが苦手
特定の領域で、本人が具体的に学びたいことがある場合、その知識レベルや背景を十分に理解していれば、本を気軽に紹介できるかもしれません。
たとえば、エンジニアが契約書の内容を理解するために民法を学びたい、といった具体的な状況がある場合には、時間をかけて調べてら適切な本を紹介できると思います。
本を紹介するためには、この例のように、その人の現在の状況と目指す姿の両方が明確にわかっていることが必要です。この条件が整わないと、本を紹介することは難しいと個人的に感じています。
このように具体的な状況であれば、本を紹介するよりも、本の内容を直接伝える方が、より役に立つのではないかと思います。
そもそも、本の内容を伝える手間を省いてでも紹介する価値がある本とは、どのような本なのでしょうか。専門書のように内容が多岐にわたっていて説明することが面倒な場合もあるでしょう。それ以外の場合は、本をわざわざ紹介するよりも、その内容を教えれば良いと思います。
一方で、漠然とした興味から学びを深めたいという理由で本を探している場合は、本を紹介することにかなり躊躇します。無責任に「この本を読んでみて」と勧めるのが嫌で、本を紹介するのが苦手なのかもしれません。
本を紹介することは「きっかけ」に過ぎない
「本を紹介して欲しい」と頼まれたときには、その人がこのタイミングで読むことで自己成長につながる本を紹介したいと考えています。
一見すると本を紹介する行為の主体は「わたし」に見えますが、実際には、本を紹介すること自体が目的ではなく、その本を読んで成長する「本人」が主役のはずです。
だからこそ、本人の成長を真剣に考えると、安易に、無責任に本を紹介することはできないと感じています。
本を紹介する行為とは「気配り」ではないか
とはいえ、先日、知人に本を紹介しました。いろいろ話を聞いた上で、その場で即答するのではなく、時間をかけて読む価値のある本を選び、お伝えしました。相手のことを深く理解できていないと、なかなか本を紹介する気になれない、少し面倒くさい自分がいるのです。
本の紹介に限らず、仕事でも同じことが言えます。その人やその会社のために、過去の状況や現在の状況、そして将来の目標を理解した上で、その人や会社に役に立てるよう、最善の努力をしたいと思っています。
これを「気配り」と呼ぶかもしれませんが、気配りはとても大切な要素だと感じています。
たとえば、資料の作成を頼まれた時でも、その資料が相手にとってどのように使われるのかを考えることが重要です。移動中のタクシーの中で印刷物を読むのか、新幹線でPCを開いてPDFで読むのか、小さなことかもしれませんが、このような気配りが十分であるかないかは、次の仕事を頼まれる上でとても重要だと思います。
たとえ小さなことでも、その人の未来を真剣に考えたい。全力を尽くしたいです。
実践が本で得た知識を成長という果実にする
しかし、実際に本を読んだだけで成長できるのか?については疑問に思う点もあります。
自分自身、読んだ本のメモやまとめを15年以上も記録しているにも関わらず、過去のメモを読み返して今の自分を振り返ると、本を読むことが直接的に自分の成長につながっているのか?と感じることがあります。
本を読むことで得られるのは、自分で考えるための情報や知見、ノウハウの習得にすぎません。成長を感じる瞬間は、実際の行動や実践に対して生じるものです。つまり、本を読んで得た知識やノウハウを実際に活用することで、初めてそれらが実を結び、成長を感じることができるのだと思っています。
特に、論理的思考やスキル系の領域における「ポータブルスキル」に関する本では、読んだだけでは成長を実感しにくいことが多くあります。これは、本を読むことで得た知識やノウハウを、実際の場面でどのように活用するかが重要であり、それをを知らなければ、成長に結びつかないからです。
つまり、成長は実践が伴ってこそ実現するのではないでしょうか。
本を読むことと、それに基づく実践や行動を通じて、初めて読んだ内容が成長につながっていくのだと思います。
さらに、実践や行動を通じて得た知識を活かすための助言や指導があると、本を読むことがより成長につながるでしょう。これもまた本を紹介する側の「気配り」であり、本を紹介した後も、引き続き助言などをするべきなのかもしれません。
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