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令和立新の心コラム6

●年金制度の解決策
 このまま進めば、どうあがいても今までの年金制度は崩壊します。近未来のある日、記者会見が開かれて年金が払えなくなりました、と言って厚生労働大臣が謝罪する姿など見たくはありません。しかし、具体的な解決策はなかなか見出せないようです。誰もが考えないような突飛な発想が求められるのではないでしょうか。とは言え、世代によって受け止め方が違い、どんな策を打っても不公平感が生まれるようです。特に若い世代には、絶望的な感をさえあります。日本の国自体が活力を失い、新たな産業が立てられない閉塞感があります。人口が減るから、高齢者が増えるからとネガティブな事ばかりが取り上げられています。マスコミなどは泣き言しか言っていないように見えます。それでも、それらを一掃できるかもしれない策はあります。

寿命を伸ばして200才近くまで健康で生きられるとしたら、いろいろな問題が解決するのではないでしょうか。イカれた夢物語だと笑う人がいるかもしれません。しかし、その当時誰もが無理だと思っていたことをやり遂げて来た人類の英知はいくつもあります。動力による飛行は絶対に無理、空気より重いものは飛ばない、なんて当時の人は真面目に思っていました。それが今や世界中を飛び回っています。人が思いついたことは、いつか必ず実現するとも言われています。そこで寿命についてですが、近年iPS細胞が発見されたり、ヒトゲノムの解析が進んでいます。完全な不老長寿に至らないまでも、かなり寿命が伸ばせる時代は、すぐそこまで来ていると言えます。そんな夢のような技術はどこかの外国人が発明してから日本人が改良すれば良い、そうすれば開発費がかからないと消極的な考えが出るでしょう。そんなカネがあるなら、社会福祉に回せととか批判が上がるでしょう。しかしどこかで根本的な奇策を世界に先駆けて打たないと、どうにもならない時期に来ているようです。

 国のトップが10年以内に人の平均寿命を200才にすると演説したら、かなり刺激的です。ケネディーが10年以内に月に人を送ると言ったことに匹敵するかもしれません。期限を切ることで研究開発に拍車がかかるはずです。それに世界中どこの国も、このような政策はぶち上げていないので、成功したら独壇場になります。長寿関係の特許は日本が独占する形になります。スマホの5Gの特許を中国が独占しているのと同じ状況になるわけです。しかし正直言って、実際に10年で200才の長寿医療が完成するかどうかは微妙ですが、医療やバイオ産業などは活気づきますし、日本に対する世界の見方や株価も影響しやすいと言えます。長寿医療の研究開発に伴ってその周囲の関連産業も活気づくのではないでしょうか。ロボット工学的な面も長寿に一役買うことが考えられます。国家百年の大計としてみれば、日本立て直しの窮余の一策となるかもしれません。一時しのぎの観光立国よりも先を見据えた長寿医療立国を提唱したいのです。

 ここで今までの年金制度との切り替えをどうするかが問題になります。長年年金保険料を払ってきた人と、数年しか払ってきていない人では、いきなりの年金制度の廃止は不公平感を生みます。そこで考えられるのが、長寿医療の負担額に差を付けることです。長寿医療がある程度完成したとして、当初は健康保険の適用外で、その金額は数千万円単位になるのではないでしょうか。いくら長寿医療を推奨しても高価なので、限られた金持ちだけになってしまいます。そこで、今までの年金支払額に応じて、長寿医療の補助割引制度を導入したらどうでしょうか。年金保険料を多く払ってきた人ほど、割引率が大きくなるようにするのです。年金未納者は、30年~90年の長期ローンという低利融資を用意して対応したらどうでしょうか。もちろん自然死を望む人には、年金を支給しても良いと言えます。

 長寿といっても、どの程度のものになるかや、何才ごろに長寿医療を受けたら良いか気になるところです。誰もが30才前後の見た目と体力になれれば、クレームはほとんどないと言えます。しかし現実的な線では、60才ぐらいで長寿医療を受けて、40才前後の見た目と体力が妥当ではないでしょうか。ですから60才以降は40才的な身体で残り140年生きるようなことになるでしょう。140年後に最新の長寿医療に更新するのかは、わかりません。
140年待つまでもなく、30年でも長く生きていられれば、医療は進むはずです。もしかすると本当に不老長寿が実現するかもしれないのです。人生が長くなれば、知識の吸収も増え、いろいろな方面で卓越した才能が開花するかもしれません。高価な欲しかったものが、長期のローンを組めば買えるようになります。生活様式が今までとガラリと変わるでしょう。生殖期間も延長されるので、人口はますます増えることが予想されます。またこの制度が始まった年の新卒の社会人は、年金保険料ではなく、長寿医療保険料として給料から徴収されることになります。

 この長寿医療を受けて健康で働ければ、税金を納めてもらえるので税収もアップします。労働人口の減少に歯止めがかかり増加に転じます。人がほとんど死ななくなるので、人口は増える一方となります。消滅都市に住んでもらえば、国中が活気づきます。新たな主要産業の柱が立ち税収も増えるので、国家財政の累積赤字も減らして行けます。日本がこの施策を推し進めれば、日本の医療やバイオ系大学の魅力が高まり、入学時期を10月にする小手先のことをしなくても、留学生は増えるはずです。
 不安な未来という暗闇に明かりが灯れば、将来に迷っていた人たちが集まり、その明かりをより大きく明るくできるはずです。これは一重に長寿医療ができるかできないかにかかっていますが、人類の長年の夢に携わることでモチベーションは上がるはずです。絶対に完成させる必要があり、完成したら人類にとって大きな一歩になります。


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