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新千夜一夜物語 第22話:おしどり夫婦と恋愛運

青年は思議していた。

恋愛・結婚がうまくいかない人々に共通点があるならば、おしどり夫婦と呼ばれる人々にも何らかの共通点があるのではないか?
もちろん、夫婦間で日常的に気をつけていることはあるだろうが、運気的な要素もあるのかもしれない。

答えを確認すべく、青年は陰陽師を訪れるのだった。


『先生、こんばんは。今日はおしどり夫婦について教えていただけませんか?』

「おしどり夫婦とは、ここ最近の暗い話題とは正反対の話題のようじゃが、今回はどうしておしどり夫婦なぞに関心を持ったのかの?」

『先祖霊の霊障と天命運には“8:男女運”の相があり、自分と相性が良い異性が悪く見え、逆に、自分に相応しくない異性が良く見えてしまう。あるいは、ハイスペックなのに異性と縁遠くなってしまう人がいることは、先日のお話でよく理解できました』

青年は陰陽師が黙ってうなずくのを確認し、続ける。

『また、魂1〜3の人物が、相性が良くない2−4の人物に惹かれてしまう現象を“2−4色眼鏡”といい、逆に2−4の人物が、魂1〜3の人物に惹かれてしまう現象を“逆2−4色眼鏡”ということも理解しました』

「ふむ」

『ということは、おしどり夫婦となる人々にも、運気的な共通点があるのではないかと思ったのです』

「なるほど。で、おしどり夫婦に該当する具体的な夫婦がおるのかの?」
青年は芸能人の名前を読み上げ、陰陽師は鑑定結果を書き記していく。


①唐沢寿明さん

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②山口智子さん

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③杉浦太陽さん

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④辻希美さん

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⑤木梨憲武さん

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⑥安田成美さん

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『なんと言いますか、とてもわかりやすいですね。みなさん、先祖霊の霊障がなく、天命運に“8:男女運”の相もなく、恋愛運が最大値の9と。恋愛面に関しては正に非の打ち所がないですね』

羨ましそうに言う青年を励ますように、陰陽師は微笑みながら口を開く。

「まあ、そう羨ましそうな顔をするでない。彼らの場合、芸能界にデビューし、視聴者に夢や感動を与えるにあたり、各々の伴侶が必要不可欠な“要素“だったのじゃよ」

『そうですよね。全く縁がない人々ではありますが、円満な家庭を築いてくれることはとてもいいことだと思いますし、できることであれば僕も彼らにあやかりたいものです』

「そういう意味では、そなたも既に先祖霊の霊障も天命運とチャクラの乱れも神事を済ませておるわけじゃから、天命を歩むにあたり、何も心配することはない状態なのじゃがのう」

陰陽師の言葉を聞き、あらためて青年は自分の鑑定結果が記載された紙を取り出す。隅々まで眺めたところ、恋愛運の“6”という数字に気づき、驚きの声を上げる。

『以前のお話では恋愛運が7以下の人同士で結婚すると離婚しやすいとのことでしたが、僕の結婚生活は大丈夫なのでしょうか?!』

陰陽師は茶をゆっくり飲み、一呼吸置いてから口を開く。

「非常に言いにくいが、そなたの場合、女性関係のトラブルが多い人生であることだけは疑いようがないのじゃ」

『ゲゲエ! そんな馬鹿な。困ります。どうしたら恋愛運を上げられるのでしょう。どうにかしてください、お願いします!』

珍しく、語気を強めて話す青年。陰陽師は片手で青年を制しながら口を開く。

「そなたの気持ちはじゅうぶん理解するが、残念ながら、何人もそなたの今世の恋愛運を変えることはできぬのじゃ」

『・・・つまり』

「ワシの力をもってしても、今世はずっとそのままの点数ということじゃ」

『・・・そんなあ』

意気消沈し、顔を伏せる青年。そんな青年を眺めながら、陰陽師は諭すような口調で続ける。

「この世には、結婚して出産し、幸せな家庭を築くことが人間の幸福、といった世間的な常識が存在するのかもしれんが、前回の渡辺和子さんやナイチンゲールさんのように(※第21話参照)、恋愛や結婚とは無縁なものの、多くの人に影響をあたえる使命を持った人物も実際に存在しておるわけじゃから、己が歩むべき道をこの世の価値観のみで判断するなぞ正に愚の骨頂じゃ。そなたの場合、400回ある人生の1回がたまたまそうなわけで、今までやこれからの人生では、そなたの希望に沿った結婚生活を送ることもあながち夢物語ではないはずじゃ」

そんな慰めの言葉を受けて、しばらく黙考した後、青年は口を開く。

『たしかに先生のおっしゃる通り、仮に幸せな結婚ができたとしても、大器晩成型(50歳〜)であるために子供が持てず、それでも幸せな結婚生活を送った人もいるわけですよね。それに』

青年は少し身を乗り出し、続ける。

『僕の場合、平穏無事な結婚生活よりも、複数の女性との様々なトラブルを繰り返すことで魂磨きと天命を全うするのであれば、それもそれで仕方ないと思います。そうしたことも含めて、全ての出来事を受け入れると決意したわけですから』

悲壮な決意を込めた青年の言葉を聞き、陰陽師は微笑みながらうなずく。

「今世のそなたは女性関係で苦労する運命なのだとしても、苦労する分だけ天の後押しを得られることは、たしかに事実じゃしな」

『つまり、女性とのトラブルを通して学びを得る、それが僕の人生なのですね』

「その通りじゃ。そなたの人生を端的に言うならば、前半の人生は女性との接点がなく、女性に恋い焦がれる人生。これからの半生は、女性と多数の接点ができるものの、その一つひとつが波乱含みということになる。とはいえ、それらの葛藤の中に学びがあるわけじゃから、来る者は拒まず、いや、積極的に女性との接点を求めることこそが、そなたの天命に沿った生き方なのじゃよ」

『つまり、これからの僕の人生の宿題は、そんな女性問題の中にあると』

「まあ、簡単に言ってしまうと、そういうことになる」

『・・・わかりました』

ちょっと恨めしそうな顔で陰陽師を見ながら、青年は気を取り直したように鑑定結果の紙を指差しながら続ける。

『ちなみに、フジモンさんとユッキーナさんの夫婦(※第20話参照)だけ、共に魂3なのに転生回数が2期と3期で異なっていますが、240回代の“小山”と190回代の“大々山”の差が仲違いした主な要因になるのでしょうか?』

「それも一つの可能性じゃが、そなたは木下優樹菜さんと安田成美さん(※⑥参照)の共通点を知っておるかな?」

青年は無言で首を左右に振る。

「この二人は揃って在日韓国人なのじゃが、木下優樹菜さんのケースは、アシアナ航空の創業者一族である“ナッツ姫”事件同様、権力を後ろ盾にした“勘違い”という韓国人の悪い側面が出てしまった典型的な事例ということができるじゃろう」

『つまり、木下優樹菜さんが起こした例の“タピオカ恫喝事件”のことですね』

「うむ」

小さく一つ頷くと、陰陽師は鑑定結果が書かれた紙に、“朴”、“チョン・ソンミ”と書き足す。

『なるほど。韓国人は怒ると手がつけられないが、それは情が深いからだという話を聞いたことがありますが、安田成美さんが木梨憲武さん(※⑤参照)とうまくいっているのは、逆にそんな情が深いという韓国人の良い面が出ているからなのですね』

「いくら仲睦(むつ)まじい夫婦であったとしても、長い結婚生活じゃ。いろいろなことがあったとは思うが、みるかぎりそのようじゃな」

陰陽師の言葉に大きくうなずいた後で、青年は言葉を続ける。

『さらにこの鑑定をみると、頭が1同士であることから、人生に対する価値観みたいなものもほぼ一致しているであろうこともじゅうぶんに想定できますね』

「そうじゃな、この二人にかぎれば、そのあたりも含めて理想的なカップルということができるのじゃろうな。それに引き換え」

『はい』

「もう一方のカップルの方は、結婚以前の問題を抱えておるようじゃ」

『とおっしゃりますと?』

「これまでにも、芸能界には2(4)-3-5-5…2という厳然としたルールが存在していることについて言及しておると思うが、ユッキーナの属性をみるかぎり、この世界にいる人間ではないことは明らかじゃ。それ故、今回の一連の事件も“排除の法則“が働いた可能性は極めて高く、本来であればこれを機に芸能界からきっぱり足を洗うことが、彼女のためになることは言うまでもない」

『以前(※第10話参照)、3(9)―3の人物が芸能界入りすると、排除命令が出ると仰ってましたが、あれに類する話なのですね』

青年の言葉に陰陽師はうなずいてみせる。

「この話を始めると話が長くなるから今回は控えるが、スポーツ・芸能・芸術界で起きる事件の多くは、当人の責任というよりも、この“排除命令”に起因している可能性が極めて高いのじゃ」

『その話は、僕としてもとても興味のある問題なので、ぜひゆっくり聞かせてください』

そんな青年の言葉に大きくうなずきながら、陰陽師は話を続ける。

「ともかく、人間とは様々な要素が複雑に絡み合った複合的な存在なわけじゃから、一辺倒の鑑定を見比べただけでは相手のことを完全に判断することは難しい。よって、そなたも結婚を本気で考える相手ができたときには、ことを進める前に、まず、当該の女性との相性鑑定を依頼するとよい」

『わかりました。よく、肝に命じておきます。お互いの、さらに言うと子供たちのためにも』

青年の言葉に陰陽師は微笑みながらうなずき、時計に視線を向ける。

「そろそろ時間のようじゃな。気をつけて帰るのじゃぞ」

『今日もありがとうございました。また、よろしくお願いします』

そう言い、青年は立ち上がって深々と頭を下げる。
陰陽師はいつもの笑みで小さく手を振り、青年を見送る。

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