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映画館のお供はなぜポップコーンなのか

映画館へ行くと、コーンの弾ける香ばしい匂いや、甘いキャラメルの香りに誘われて、ポップコーンを買わずにいられない方もいるはず。
大きなバケツいっぱいのポップコーンを抱えると「映画館に来た!」とワクワクする気持ちになる方も多いのでは。
しかし、なぜあらゆるお菓子の中からポップコーンが選ばれ、映画館の定番メニューとなったのでしょうか?
今では切っても切れない仲になっているポップコーンと映画館の関係はどのように作られたのか。
今回はその理由をご説明します。

実は80年近くも前から定番だった!

日本の映画館でポップコーンが食べられるようになったのは、1940年の中頃だと言われています。
元々、ポップコーンはアメリカから日本に入ってきた食べ物です。
アメリカでは、1927年にトーキー映画が公開されるようになってからポップコーンを食べながら映画を観る文化が生まれました。
トーキー映画とは、音声の入った映画のことです。
それまでは、音がなく映像だけを楽しむ「無声映画」だったため、物を食べる音はとても嫌がられました。

映画館=ポップコーンとなった4つの理由

1.スクリーンに投げつけやすい

上映中は会場が暗くなるため、つまんで口に入れるだけのポップコーンは暗がりでも食べやすいからというのも大きな一つの理由ですが、映画のお供にポップコーンが選ばれたのには、意外と暴力的な理由が隠れていました。
高い入場券を買って映画館に入ったのに、映画の内容がイマイチだとがっかりします。
当時のアメリカでは、映画の内容が気に入らないと観客がスクリーンに物を投げつけていたのです。
ふんわり軽くてやわらかいポップコーンは、スクリーンに投げつけても傷付きにくいので、ポップコーンが映画館の定番お菓子となりました。
しかし、今ではもうポップコーンを投げる人はいません。
掃除が大変ですし、前の席の人にぶつけてしまうといけないので、絶対にポップコーンを投げるのはやめましょう。

2.音が出にくい&匂いがしない

バリバリ音を立てるポテトチップスやせんべいは、うるさすきてNG。
また、唐揚げなどの揚げ物は匂いがNG。
つまり、咀嚼音が比較的静かで、匂いも少ないポップコーンがベストなのです。
さらに、映画館のポップコーンは、紙やプラスチック製の容器に入ってることが多いため、袋菓子のようにガサガサ音が鳴りません。

3.原価が安い

恐らくこれが、映画館側の1番大きな理由ではないでしょうか。
映画は大人一人1800円(今では1900円に値上げをしているところもあります)、決して安くない金額です。
しかし、上映する映画館が儲かっているわけではありません。
鑑賞料金の大半は配給会社に支払いますし、観る人がたった一人であったとしても、上映しなければなりません。
経費がかなり掛かるため、上映だけでは利益が出にくいのです。
そのため、売店のフードの売り上げは、映画館にとってかなり重要です。
ポップコーンは原材料が安くコストを抑えて作れるので、とても利益の出やすい商品です。
また、ポップコーンは喉が渇きやすいため、飲み物とセットで買うことが多いです。
ドリンクもポップコーン同様、原価が安く利益が出やすいメニューです。
つまり、ポップコーン(売店のメニュー)は、映画館の利益に大いに貢献しているのです。

4.見た目が華やか

コーンが熱せられてポンっと跳ねる様子は、とても華やかです。
冒頭でも申し上げたように、バケツいっぱいに盛られたポップコーンを見ると、普段の生活から離れた非日常感、興奮を感じられます。
アメリカでは映画館だけでなく、お祭りなどのイベントでもポップコーンが人気を博していました。

以上が、ポップコーンが映画館の定番メニューとなった理由です。
映画を観る時には、ポップコーンが欠かせないという方、次回ももう少しポップコーンと映画館についての話をしたいと思います。

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