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『9月1日の君へ』

運営中のYouTubeチャンネル『未来に残したい授業』にて、下記の方々をゲストに『9月1日の君へ』というテーマの連載企画を配信します。

8/25 21:00 石井志昂さん(『不登校新聞』編集長)
8/26 21:00 今井紀明さん(NPO法人D×P、株式会社SOLIO代表)
8/27 21:00 大澤真幸さん(社会学者)
8/28 21:00 本川達雄さん(生物学者)
8/29 21:00 夏目誠さん (精神科医)
8/30 21:00 安藤寿康さん(教育心理学者)
8/31 21:00 小林康夫さん(哲学者)

「普遍的な問いに対する論考をお持ちの方々にお話を伺い、一緒に考える」ことを普段の配信の大テーマとしているこのチャンネルは、私が今までに出会った「この考え方やものの見方は私の世界を広げてくれた!」と感じた論考を、それを述べていたご本人に直接聞いてみる、という試みでもあります。

本や記事から感銘を受けた方々にあらためてお話を伺えるという行為は、その人や考え方への「出会い直し」の行為で、どの方とのお話も毎回本当に楽しくて感動しっぱなしです。

普段の配信ではそのように私自身が大きな歓びを感じているチャンネルなんですが、今回の企画は歓びなどは別にして、「このタイミングでどうしてもやらなければならない」と感じた内容を配信します。

9月1日は多くの学校で新学期の始業日です。厚労省が発表している2015年以前の過去40年間の統計によると、この日は一年の中で最も多くの18歳以下の若者が自ら命を落としてしまう日でもあります。

夏休み明けで新学期のはじまりであるこの日に、毎年百数十名の若者が自ら人生を終わらせてしまう選択をします。

初日のゲストである『不登校新聞』編集長の石井志昂さんによると、昨年小中高生の自殺は過去最多を記録しましたが、今年はそれを上回るペースで推移しているそうです。

また、国立成育医療研究センターのアンケート調査によれば、4人に1人の子どもに中程度以上のうつ症状が見られたとのことです(思春期のうつ症状の重症度尺度PHQ-A)。さらに、2021年上半期の小中高生の自殺者数を見ると、昨年を上回る水準で推移しているというデータが示されています。(不登校新聞社による緊急アピール参照)

このYouTubeチャンネルではここ数ヶ月間、視聴してくださっている方の7割が13-17歳という数値が出ています。その数値を見て私は、生き延びて今がある大人としてやらなければならないことがある、と感じました。

私は10代の頃に、生きるのが苦しい…と強く感じ、心身の不調をきたしたことがありました。眠れなくなり、食欲もなくなり、通常の生活が送れなくなり、しばらくの間学校にも行けなくなりました。そんな私を救ってくれたのは、そのときに出会ったいくつかの「言葉」でした。

それらの「言葉」は私に「生き続けてもいいのかもしれない」と思わせてくれました。(その経験があるから、私は今でも言葉の力を信じているのだと思います)

苦しい思いを抱えている方の事情はさまざまで、そのこと自体に対しては私は「わかる」とは決して言えません。ですが、そんなときでもあなたの苦しさを少し軽減させてくれる言葉はもしかしたらあるのかもしれない、とは思うのです。

「絶対」とは言えないけれど、もしかしたらそういう可能性はあるのかもしれない、と感じるから、そう感じた者の務めとして、私は自身に響いた考え方や「言葉」を届けたい、と思いました。

その思いに賛同し、お話くださる方々が上記に記した方々です。

決して軽々しくは引き受けられないこのオファーを受けてくださった上記の7名には、みなさん一様に「救えるかもしれない命を救いたい」という思いがあります。企画者の私にしても同様です。

「不条理」を描き続けた20世紀を代表する作家のカミュは、「子供が苦しめられるように創造されたこの世界を愛するなんて、私は死んでも拒否します」「私はあなたがた(聖職者や修道士)と同じ希望(死後の魂の救済)をもつことはなく、子供たちが苦しんで死んでゆくこの世界と闘いつづけます」という言葉を残しています。

お話くださるゲストやこの投稿を目にして少しでも共感してくださった方も、同様の思いを抱いているのではないかと私は感じます。

今まさに苦しい思いを抱いている人にとって、どんな「言葉」が希望となるのかには絶対解がなく、正直わかりません。ゲストの方々もそのことは重々承知の上、それでもなお引き受けてくれました。

答えはわからないし、届かないかもしれないけれど、もしかしたらたったひとつの「言葉」が明日を続けてみようというきっかけになるかもしれない。そんな思いでお話してくれます。

明日を迎えたくないと苦しんでいる人にどうか届きますように、と願って配信をします。

もしこれを読んでこの取り組みに共感を覚えてくれた方がいらしたら、拡散のご協力をしていただけないでしょうか?

25〜27日は同日より事前に収録したものを21時より配信し、28〜31日は生配信を行います。生配信では、もし今まさに苦しい思いをしている方がいたら、その旨をチャット欄にて書き込んでくださったら、ゲストと一緒にどう考えたらいいかを考えさせていただきます。

あなたのご協力が、苦しい思いをしている「君」に届くきっかけになるかもしれません。どうぞよろしくお願い致します。

代麻理子

◎電話相談/「#いのちSOS」 TEL0120-061-338 (https://www.lifelink.or.jp/inochisos)
◎SNS相談/生きづらびっと(https://yorisoi-chat.jp)
◎厚生労働省相談先一覧 (https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan)
◎いのち支える相談窓口一覧 (https://jscp.or.jp/soudan)

●配信予定YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCHTiWt4evGgqnf_klyH0LcQ

●ゲストの一人である石井志昂さんが編集長を務める『不登校新聞』の運営母体であるNPO法人全国不登校新聞社が発表した緊急アピールです。併せてご覧ください。
https://www.futoko.org/topics/210819

書けども書けども満足いく文章とは程遠く、凹みそうになりますが、お読みいただけたことが何よりも嬉しいです(;;)