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岩崎宏美「Kiss Again / 女優」 - 【ゲイに刺さるシティポップとは?】


ゲイにも根強い人気のある、岩崎宏美。

俺も、子供の頃から、大好きでした。
うちにLPがあって、よくかけてました。

岩崎宏美は1975年にデビューをして、山口百恵あたりの対抗馬としてデビューし、
今年の10月に亡くなった筒美京平がエラく力を入れてプロデュースした
真のヴォーカリストであります。

70年代といえばディスコサウンドの全盛期に
「日本のドナ・サマー」的な打ち出し方で
未来」「シンデレラハネムーン」「女優
などのディスコフレイバー満載の曲でヒットを連続させます。

ただ、うちら的に有名な「シンデレラ・ハネムーン」て
実はシングルとしてはそれほどの大ヒットではなかったそうなんだけど(オリコン最高18位)、
コロッケのモノマネで一躍有名になっているみたいです。
この曲をレパートリーに持ってきた、コロッケもやっぱセンスあるんでしょうね笑

シンデレラハネムーン
ものまねタレントであるコロッケの物真似で知られており、コロッケはニヤニヤと笑顔でアゴを極端に上げながら歌っていた。その影響からか、当曲のイントロが流れると岩崎のコンサートで客席から失笑の声が聞こえてくるために、彼女は当曲の歌唱を「この曲はコロッケにあげました」として、一時封印した時期があった。しかし現在では岩崎自身も歌っており、さらに彼女はコロッケに対して「モノマネ」という形で、若い世代にも「岩崎宏美」の名前を繋げてくれた事に感謝しているという。


これ、ウケますよね。テレビとかでも、
「あれはコロッケさんの歌なんで。」
とか言っちゃってたし笑

確かに。みたいな笑

とはいえ、すごい楽曲ですよ。あんなドラマティックな曲。


Kiss Again

で。今回はその2年後、1980年の8月にリリースしたアルバム「Wish」に
収録されてる「Kiss Again」と「女優」を取り上げます。

先出の筒美京平大先生の肝いりで、全曲プロデュースしたアルバム「Wish」。
当時、日本のアーティストが海外でレコーディングするのが、ちょっとしたトレンドになってたみたいです。音楽業界的にバブルだったんでしょうね。



後半になるにつれて、どんどん切なげにドラマティックになっていく展開が、さすが、という感じ。筒美京平も
「岩崎宏美の真の良さは中低音だ」
と言ってましたが、そのちょっとハスキーな中低音ががこの曲では堪能できます。



女優


ごめんなさい、これ、個人的に大好きで、カラオケでもよく歌うんですww

歌詞も、おかま心をくすぐられる内容。
「女はいつだって 恋を真剣に演じてる 女優なんです」
ですって。
令和の今では「女優」なんてワード、ビッチな意味にしか使われませんが、
昭和では、こんなに純な女子(オカマ含む)の気持ちを代弁してくれています。

まあ、とはいえ、この歌詞、裏を読むとかなり黒い内容になりそうw


明るすぎるわモンシェリ 少しライトを弱めて
時々外を通る 車の光が素敵
思いがけないラブ・シーン 初めてのキス・シーン
セリフも動きも ぎこちなくて

嫌われないかしら 心配なんです
見られるなら 一番きれいな私を
あなただけに 見られたい

アクトレス 女はいつだって
恋を真剣に演じてる 女優なんです
アクトレス 女はいつだって
恋を真剣に演じてる 女優なんです

静かすぎるわモンシェリ 何か言葉を話して
不安の影がよぎり 涙がにじむの私
上手くないのよラブ・シーン 不慣れなのキス・シーン
人形みたいに ぼんやりして

まちがえないかしら 恋人の役
捧げるなら 一番素敵な私を
あなただけに 捧げたい

アクトレス 女はいつだって
恋を真剣に演じてる 女優なんです
アクトレス 女はいつだって
恋を真剣に演じてる 女優なんです


そして、このアルバム「Wish」の中では、リアレンジされてます。
ベースラインもディスコ調になり、コーラスは現地の人で歌いなおされ、
より、洋楽風に。

日本のシングルは軽すぎなんですけど、アルバムバージョンはもうちょっとドラマティックさが欲しい!というところですw

ほかにも、この「Wish」のアルバムには「Street Dancer」や「Rose」
などの、シティポップも収録されてるんで、聴いてみてくださいな。

日本が誇る、ヴォーカリストがシティポップを料理すると
こんな感じになるんですね。

岩崎宏美ってもともと、ヴォーカルもちょっとフラット気味(半音ズラす)に歌うところが魅力なんですよね。
それって、上手いからできることであって。
ものすごいジャジーなんですよね。
ほんと、この人のあと、この人を超えるポップスシンガーは現れていないと思います。


ちなみに「女優」のオリジナルはこんな感じ。


このアルバム「Wish」で筒美京平と岩崎宏美は袂を分ち、
岩崎宏美はもっと素朴な「すみれ色の涙」「檸檬」などの路線に行きます。
それからほどなく、「聖母たちのララバイ」の大ヒットにつなげます。

どちらの路線もいいですが、自分個人としては、前半のディスコ路線が大好きです💜🕺

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