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洗濯が上手くなる4つの要素

*これは洗濯の勉強の為にまとめたメモです。この記事は2019年11月発行の技術情報を参照させていただきました。
プロの洗濯の知識を、一般家庭でもシェアできるように自分なりに再編しました。不適切な表現や描写がある場合は適宜対応させていただきますので、その際はお知らせください。

前回は界面活性剤に関してアップしましたが、今回は【洗う】ということにフォーカスしてみます。

多くの人のイメージでは恐らく洗剤を使わなければ汚れは落ちないと思っていると思いますが、実は汚れを落とす要素は、洗剤以外にもあるってことをまとめたいと思います。

汚れってなんだ?

汚れを除去するには、まずは汚れの種類を知ることが大切で、大きく4つに分類されます。

【油性汚れ】
自転車のチェーン油・皮脂・口紅・オイルなど
【水溶性汚れ】
汗・果汁・血液・醤油など
【不溶性汚れ】(固体粒子)
土・砂・鉄粉・ススなど
【特殊汚れ】
ペンキ・インク・接着剤など

ここでは各汚れの落とし方については言及しませんが、汚れの種類を知ることで洗い方が変わり、最終的には仕上がりに違いが出ます。だからクリーニング屋さんにシミ抜きをお願いする時には、かならず「何の汚れですか?」って聞かれるのは、この為です。

汚れの原因が分かれば、落とし方もおのずと分かるからです。


ここから本題↓

【汚れを落とす4つの要素】

洗濯において、汚れを落とす要素は大きく分けて4つで構成されています。下記のグラフは4つの要素が汚れに寄与する比率を示したものです。

ではその要素を1つずつ説明していきたいと思います。

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1)洗濯機の作用

機械的エネルギーといい、洗濯機での機械作用を意味しており、汚れの除去に寄与する比率としては全体の約30%と言われています。

洗濯機はドラム(叩き・揉み)・縦型(水流)の効果で汚れを除去しています。少し極端な言い方かもしれませんが、水溶性汚れや不溶性の汚れは、洗剤を使わずに洗っても、汚れの約30%は除去できるということです。

しかし注意すべき点は、適正量以上に洗濯物を入れてしまうことです。適正量以上に洗濯物をいれてしまうと、極端に効果は低下し洗浄性が悪くなってしまいます。

また最近の家庭用洗濯機は、大型化・節水型に進化しているので、水の量も充分に気をつけなければなりません。適性な水量で「洗い」を行い、たっぷりの水量で「すすぎ」を行うことが大切です。

ちなみに必ず定期的に洗濯槽も綺麗にしましょう。

【まとめ】
洗濯機の力を充分に生み出す為には、必ず洗濯物と水の適正量を守ること。またすすぎは2回以上行う。

2)温度の作用

熱的エネルギーといい、洗濯の際の水温を意味しています。汚れの除去に寄与する比率としては全体の約15%と言われています。

温度と分子の動きには比例関係があり、水温が上昇すれば分子が活発になり、汚れに作用する効果が大きくなります。

しかし水温を上昇させると、色落ちが起こり易くなる為、注意が必要です。

【まとめ】
がんこな汚れには高い温度が効果的。その際に素材の特性や色落ちに気を付けなければいけない。
※タンパク質汚れ(血液など)は40度以上はNG

3)洗剤の作用

前回でも述べましたが、界面活性剤の力で汚れを落とすことを意味しており、汚れの除去に寄与する比率としては全体の約40%と言われています。

界面活性剤は油性汚れを水中に溶解し、また不溶性汚れを水になじみ易くし除去効果を高めます。

以前にまとめた界面活性剤の作用を合わせてみると、さらに理解が深くなると思うので是非↓

【まとめ】
界面活性剤は濃度が重要な鍵となる。しかし多すぎると衣類に残存し変色や肌刺激の可能性がある為、必ず洗剤の使用量の目安に従って使用すること。

4)時間の作用

時間的ファクターといい、洗浄時間を意味しており、汚れの除去に寄与する比率としては全体の約15%と言われています。

洗浄時間が長くなれば、洗剤や洗浄液が汚れに物理的に作用する回数が増える為、結果的に洗浄効果が高くなります。

襟・袖口の汚れは、洗浄時間が15分〜20分程度までは上昇カーブを描いて除去は進みますが、それ以降はカーブが緩やかになる検証結果が出ています。

漂白剤などを使ったカビの除去など、化学的な反応や漂白作用と伴う洗浄は、長時間に渡って上昇カーブを描きながら汚れの除去が進行する結果が出ているので、この場合はつけ置きなど方法が効果的とみられます。

【まとめ】
時間の作用を最大限に引き出すには、時短モードではなく時間をかけて一般モードで洗濯をした方が◎。特に漂白剤で除菌をする際は長時間のつけ置きが有効である。

5)まとめ

「洗う」ということは、4つの要素が複合的に作用することで汚れを除去することです。どの要素が欠けても、上記に添付したような綺麗な円グラフは完成しません。

一般家庭では温度の作用が少しネックになるかもしれませんが、その場合はお風呂の残り湯を使ったり、定期的に漂白剤などを使ったつけ置き洗いをすることにより、この円グラフの様に近づけるのではないでしょうか?

また洗剤と一緒に、重曹やセスキ炭酸ソーダなどを助剤と言われるものを併用し、洗浄性(アルカリ性にする)をあげることで、洗濯の悩みの上位ランカーである【ニオイ】や【黄ばみ】を防ぐことが出来ます。

しかし注意すべき点は、【洗浄力】と【衣類へのダメージ】は比例しているということである。

洗剤で悩みを抱えている皆さん、洗剤を買い換える前に、一度ここに上げたポイントを見直してみてはがいかがですか?


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