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小中高いじめ66,260件増、不登校63,698件増 

 10月4日の読売新聞および日経新聞では、2022年度に認知された「いじめ及び不登校の件数」が公表された。一部をまとめて記載する。

 調査は国公私立の小中高校などを対象に実施。いじめは前年度から6万6597件増えた。学校別では、小学校55万1944件(前年度比5万1382件増)、中学校11万1404件(同1万3467件増)、高校1万5568件(同1411件増)。
 続いて不登校の小学生は10万5112件(前年度比2万3614件増)、中学校19万3936件(同3万494件増)、高校6万575件(同9590件増)だった。(「不登校」は病気や経済的理由などを除いて、年間30日以上登校していない状況をいう。)小中学生の年間の欠席日数が90日以上の生徒は16万5669人で、不登校全体の55.4%を占めた。不登校の小中学生のうち、38.2%の11万4217人は学校内外で専門家らの相談や支援を受けられていなかった。文科省関係者は「学びにつながっていない生徒には特にケアが必要だ」と指摘する。
 不登校の学生が増えた原因としては、新型コロナウイルス禍で生活リズムが乱れやすかったことなどが影響した可能性がある。文部科学省が近く発表する。

 2021年度と比較して、2022年度ではいじめが66,260件、不登校が63,698件増えている。少子高齢化で子供の人数は減っているのに、いじめと不登校の数は増えている。図1に、日経新聞に載っていた小中学生の不登校の人数の推移を示す。

図1:小中学生の不登校の人数の推移(日経新聞:10/4)


 2001年度以降の人数と比較してもわかる通り、22年度は驚異的な伸び率だ。これは早急に対応しなければならない課題だ。不登校については、「コロナ禍によって生活リズムが乱れた可能性がある」と指摘しているが、それならいじめについてはどう説明するのか。数字から分かるように、いじめと不登校には相関があるように思える。「コロナ禍で生活リズムが崩れて不登校になった、だからいじめが増えた。」これだとおかしいので、「いじめられたから、コロナ禍での生活リズムの乱れを口実にして学校に行かなくなる子供が増えた」という見方にした方が建設的ではないか。つまり、生活リズムの乱れで不登校になったのではなく、いじめられて不登校になった生徒が多いのではないかということだ。

 しかし、だからといって、いじめがゼロの学校を作ろうと言うのは少し違う気がする。戦争がなくならないのと同じようにいじめはなくならない。もちろん、いじめを最小限にするよう努力はすべきだと思うが、ゼロにはできない。では僕たちには何が出来るか。いじめられた子に対して大切なのは「立ち向かわせる」ことではなくて、「逃げる場所」を作ることだと考える。昭和あるいは平成の時代では、いじめられた子に対し、「いじめっ子には立ち向かえ!そうじゃないとお前は強くなれない」と言ってきたと思うが、ウェルビーイングを考慮するとそれは正しい発言とはいえない。立ち向かうのではなく、逃げる。その逃げる先を作るのが大人の使命だと考える。コロナは人々の時間、幸福、人生を奪ったが、我々に与えてくれたものもある。その一つとして挙げるのが、教育のオンライン化である。生徒は自宅から教育を受けることが出来るようになり、新しい学習環境が生み出された。また、遠隔教育のテクノロジーが発展して、教育のインクルーシブ性が高まった。今ではオンラインで、アメリカの有名大学の講義を無料で受けることも可能だ。学校に通わなくても、高水準の教育を受けることが出来るのであれば、いじめられた子供に「逃げる場所」を与えることができる。また、今はVUCAの時代なので、学校で平板に教育を受けるよりも、好きな事をオンラインなどの「個人」で学んだ方が有効なのではないか。という見方もある。不登校になった方が充実した人生を送ることができる、そんな社会作りをしてみても良いのではないか。
 もし共感してくれる人がいたらぜひ話をしてみたいです!

参考文献:
  日経新聞、読売新聞(10月4日)

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