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2017zen

9:40、金沢に着く。妻の実家のある福井に向かう際、乗り換えで一瞬降りたことはあるが、しっかり観光するのは初だ。
まず向かったのは近江町市場。
東京の築地も、プノンペンのオルセーマーケットも好きだ。市場のなんたるかを知らないが、その活気、多彩さ、新鮮さに惹かれる。
山育ちの自分にとって嬉しいのは魚、なかでものノドグロだ。山奥村に住む親と姪っ子が、たいそう気に入って、北陸に行くたび贈るのが習慣化している。

幼少期、私もいわき市(福島県の海側)の親戚の家でツボダイという魚をえらく気に入っていた。ともに脂がよくのっている。
初めてノドグロを寿司で食べたが、おいしー。
とてもビールを飲みたかったが、まだ周るところがあるので我慢する。
保存食の店「ストック」で土産用のピクルスを買って、鈴木大拙館へ向かった。
禅に関する本の仕事が終わったばかりなので、自分的にホットな話題だ。客層は、日本人6割、外国籍4割といった模様。
大拙博物館とか大拙美術館と言わずに、大拙館と言うだけあって、シンプルな作りになっている。緑に囲まれ、打ちっぱなしのコンクリート壁の立方体を組み合わせた建物、室内は著作と資料用の音声と映像、そして四角くて広い池と、四角くて小さくて天井の高い個室。
えらく心地よい場所だ。

前日の講演会で登壇したお坊さまがこんな話をしていた。
「AIでどんどん便利に、いろんなことができる時代になったけど、人間の特権は、しないができることです」
そうだなと思った。気づけば、スマホをいじってしまう。スマホを操作しているのだか、操られているのだか。
短い時間だけど、ポーッと外を眺めたり寝転んだ。
少しだけ、何もしなかった。
そのあと有名な二十一世紀美術館に向かったら人だらけで、げんなり。
何かをしようとする人の海だ。

さてそろそろ福井へ向かう。

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