見出し画像

紅しょうが天そばか、コロッケそばか

29日はザムザ阿佐ヶ谷に中山うりさんのライブを観に行った。最高だったのでそのうち書く。翌日はまた阿佐ヶ谷へ。担当させてもらってる著者さん三人で阿佐ヶ谷ロフトAでイベント。去年の12月30日もやったので2年連続。たくさんのお客さんが入ってくれて、良い感想をもらえたのでよかった。夜なべして作った63枚のスライドを全部消化できてよかった。近いうちに記事にします。

そのあと3次会まで飲んで終電で自宅へ。いろいろ気遣いが過ぎたのか、一日飯食わないでやたらと飲んでいた事に気づき、駅前の富士そばに入る。

紅しょうが天そばか、コロッケそばか。富士そばに行ったら必ずどちらかを頼む。どちらもマイナーなメニューとは言えないけど、どこの店にもあるほどメジャーでもない。僕の生活範囲では富士そばでしか食べられない。富士そばに行く頻度は低いので、今を逃すとしばらく食べられない。

紅しょうが天そばか、コロッケそばか。迷う。比較対象が似ているなら選ぶのはそんなに難しくない。紅しょうが天の色気と、コロッケの優しさ。両者の魅力は全く逆のベクトルにある。僕は今日、どちらを抱きたいのか。

紅しょうが天そばか、コロッケそばか。僕はレストランなどで注文に迷うことがほとんどない。決断力があるのではない。優柔不断の極みで、迷い始めると決められなさすぎていっそ店を出ようとか思いかねないのだ。その病気が出る前に適当に人気がありそうなものを選んでいるだけ。そして今、発病しかけている。

紅しょうが天そばか、コロッケそばか。じっと券売機を見つめる。紅しょうが天そばとコロッケそばの位置に視線を交互にやる。何度もやる。紅しょうが天そばか、コロッケそばか。ふと気がつく。目を見開く。そうか。

お金を入れて、券売機で紅しょうが天そばを購入。店員さんに券を渡すときに110円を付けてこういった。

「コロッケも乗せてください」

えてして人間の迷いは、自らが作った枠の中で起こる。枠の外に広がる無限の選択肢に目がいかないだけだ。僕には、そばに紅しょうが天もコロッケも乗せる自由がある。どちらかだけなんて制限はどこにもないし、どちらかを乗せなきゃいけないという縛りもない。なんならうどんを選んだっていい。僕は自由なのだ。

味はどちらもあいかわらず普通でした。

お金よりも大切なものがあるとは思いますが、お金の大切さがなくなるわけではありません。