子ども相談室
「なんでえ、人は人を殺しちゃいけないんですかあ?」
人が人を殺しちゃいけない理由なんて存在しない。多分模範解答としては、我々は生きていくために社会を作っていて、それを維持するために「お互いを殺し合わない」というルールを守らないといけない、という感じだろうか。でも子どもはそんなの理解できない。
一番やばいのは、そんなこと考えるなんて!と感情的に訴えることで、根拠のない倫理を押し付けると、禁忌を犯したい欲求を強めてしまう恐れがある。だったら、殺されたくないなら人を殺すな、と言った方が伝わる。それも殺されたくないって前提が共有できるなら。
一番の問題は「人を殺しちゃいけない」という前提で答えると、戦争との矛盾が生じてしまうこと。忌むべきものだとしても戦争は存在しているし、こいつのせいで説明がややこしくなる。戦争を絶対悪と捉えると歴史の教育もできなくなるので、「人を殺しちゃいけない」という前提を考え直さなきゃいけない。
子どもに答えるなら、理屈を重ねるだけでは理解されない。中途半端に感情に訴えても逆効果。であるなら、むしろ死とは恐いものだということを、本能的に植え付けるほうがいいのではないか。「人を殺しちゃいけない」を前提にせず、子どもに死の恐さを教える答え。
「うっせえ、誰が人を殺しちゃいけないなんて決めたんだ! てめえからぶっ殺してやろうか!!」って答える。
お金よりも大切なものがあるとは思いますが、お金の大切さがなくなるわけではありません。