【サンドブラスト解説④】砂:アルミナの「褐色」と「白色」の違いとは?
有限会社 秋山産業は、大阪府でサンドブラスト、バレル研磨に関する機械・材料や各種研磨機材の販売、歯科技工用研磨材料の製造販売を行っております。
秋山産業が取り扱う”マニアック”なジャンルを皆さんに是非知ってもらいたくて、noteにて「サンドブラスト」について説明してまいりました。
過去3回はサンドブラスト全般に関することでした。
今回は、サンドブラスト用砂(メディア)でよく使われている「アルミナ」についてのお話しです。
既にサンドブラストで「アルミナ」を使われている方や、これから使う予定のある方に参考にしていただければ幸いです。
サンドブラストで使用するアルミナは主に2種類
サンドブラストの砂(メディア)として幅広く使用されております定番商品「アルミナ」。
秋山産業では『アルミナ・褐色(A)』と『アルミナ・白色(WA)』の2種類を取り扱っており、多くのお客様にご支持いただいております。
お客様から寄せられる質問で「この2種類の違いは何ですか?」というお問い合わせがかなり多いことから、その違いを説明します。
作業環境や加工目的などを踏まえて、「アルミナ」選定の参考情報にして下さい。
『アルミナ・褐色(A)』と『アルミナ・白色(WA)』との比較
簡単ですがまとめてみました。
上の画像資料を文字で箇条書きにするとこのようになります。
アルミナ・褐色(A)
色:茶褐色
アルミナ純度:普通(95%)
硬度:普通(20.0GPa)
耐久性:割れにくい
価格:安い
『アルミナ・褐色(A)』は、「循環式サンドブラストで繰り返し使用する際に適している」「財布に優しい」という点で、『アルミナ・白色(WA)』に比べて優位があるといえます。
アルミナ・白色(WA)
色:白色
アルミナ純度:高い(98%)
硬度:やや高い(20.4GPa)
耐久性:割れやすい
価格:やや高い
『アルミナ・白色(WA)』は、「金属等にサンドブラストした場合に白っぽくなるので綺麗に見える」「アルミナ純度は高く、より精密な仕上がり面を生成する」「研削力はわずかに大きい」という点で、『アルミナ・褐色(A)』に比べて優位があるといえます。
どんなユーザーがどちらを使うのか?
アルミナ・褐色(A)
全体で見てみると、『アルミナ・褐色(A)』のほうが幅広い用途で使われており、ユーザー数も多いかと思います。
サンドブラスト処理をした後に何らかの加工や表面処理を行うといったユーザーは『アルミナ・褐色(A)』を選ばれるが傾向が強いです。
あと、「割れにくさ」という特徴から、循環式サンドブラスト機などで同じ砂を繰り返し使われるユーザーにも人気です。
「価格が安い」という点も大きなポイントですね。
アルミナ・白色(WA)
『アルミナ・白色(WA)』は「研削力」「仕上がり面の綺麗さ」を特に重視する用途のユーザーでご愛用頂く傾向があります。
『アルミナ・褐色(A)』では研削力が物足りない、サンドブラスト処理を行なうことで加工が完了するような見栄えを求められる用途では人気です。
業界業種の違いでもどちらを使用するかが分かれる
『アルミナ・褐色(A)』と『アルミナ・白色(WA)』のどちらを使用されているケースが多いかについて、いくつかの業界業種を例にまとめてみました。
しかしながら、ユーザーの好みによって違ったものを使用していたり、使用用途で分けて2種類とも使っているユーザーもおられますので、あくまで傾向としてご理解ください。
『アルミナ・褐色(A)』をよく使用使っている業界業種
自動車修理
金型加工
ゴム加工
めっき加工
機械部品加工
『アルミナ・白色(WA)』をよく使っている業界業種
ガラスアート
宝飾加工
電子部品製造
歯科技工
墓石加工
いかがでしたでしょうか?
今後もこのような「サンドブラスト」を使われている方に、少しでも役立ててもらえるような豆知識を紹介していきたいと思います。
最後までお読みいただき誠に有難うございます。