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Web3、国家、DAO

はじめに

これは最近漠然と抱えているアイデアのメモです。
何のアイデアかというと、それもまだ漠然としていて、強いて言えば今後の社会の、会社の、ビジネスの、プロダクトのアイデアだと思います。

技術的な話ではなく、思想的な話です。

戦争のためのチーム分けとしての国家

近代国家は戦争するためのチーム分けとして生まれてきている関係上、
当然国内にいる多様な集団のそれぞれの利益や価値観を体現するには限界があります。
それは「最大多数の幸福」と呼ばれ、民主主義はなるべく多くの人の幸せを実現するシステムとして形作られてきました。
当然時代の変化とともに、「最大多数の幸福」の中身も変容しますが、それを定期的な「投票」によって反映できる、というのが前提でこのシステムは成立しています。

しかしインターネットの力により多様な価値観を持つ個人が繋がり、組織化し、各々の権利や利益を叫ぶ現代社会において、現在の仕組みの限界が様々な面で表出してきていると思います。

これだけデジタルが進化した現代においては、戦争マシンとしての国家単位での区切りのみに依存することなく、より柔軟に個々人や組織にとっての幸せを最大化することが可能ではないかという、漠然としたアイデアが頭をもたげてくるのです。

エコーシャンバーという牢屋

このような旧システムによる機会損失や弊害は政治経済においてのみではく、個人の余暇の過ごし方、例えば仕事以外での時間の過ごし方にも大きく影響しています。
元々戦争のプロパガンダのツールとして開発されたマスメディア(例えばテレビ)もそうですが、本来グラスルートの意見、価値観を発信するためのツールとなるはずであったSNSもまた、結局は特定の(そして往々にして先進国の)著名人の意見を拡散するツールとなり、マスメディアとSNSが共鳴する強力なエコーシャンバー現象によって、生活者が自身にとって本来意味のある情報に意識を向けづらい環境が形成されています。

最大多数の幸福→個人の幸福にオプティマイズする

Web3、もしくはブロックチェーンと言われている技術には、通貨を作成し、独自の経済圏を形成すると同時に、投票を行うことでコミュニティの合意形成を行うという、国家に非常に類似した機能が揃っています。
このような組織はDAO(Decentralized Autonomous Organization)、日本語に訳すと「自律型分散組織」と呼ばれ、これまでの価値観、技術では実現が難しいとされていた組織のあり方です。

このメモはDAOが現在の主権国家に代替すべきということを言っているのではなく、国家がトップダウンで担うべき役割と、DAO組織がグラスルートで担うべき役割を分けて考え、国家とDAOの2レイヤーで政治経済、社会生活をサポートするような仕組みが、これからの時代、「個人の幸福の最大化」に寄与するのではないか、という非常にメタなアイデアを表現したものです。

最後に

これからの時代、Web3の技術がこのような漠然としたアイデアをサービス・プロダクトといった形で具現化し、爆発的に世界への影響力を増していくはずです。
それは、Web1,2の時代にGoogleやFacebook、TwitterやAmazonがドットコムバブルで台頭したのと同じように、恐ろしく勢いのあるものだと考えています。

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