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神のDB(005)

物語が動き出しましたよ~|ω・)どうぞ~

前のお話:https://note.com/daikiha/n/n9ad9ed4adbb1

後のお話:https://note.com/daikiha/n/na9053e2ad910

【十】


決まった世界。
神が決めた世界。
神が作った世界。

その世界に住まう人類はなんだろう。

人が作った世界。
人が思ったように作った世界。

そこに住まう生物は人が家畜する生物。
その生物たちは、人の為に生き、そして人の為に死ぬ。

では神の作った世界に住んでいる人類は?
神の為に生き、そして神の為に死ぬのか?
そんな世界に生きる意味はあるの?
意味すらあるの?

そんな世界に住まう人類にできることは、
神が作った世界で、
神が決めたルールで、
作られた世界に、

抗うことだけだ。


【11】


『きゅうせいしゅぅ~』

『なによその声、その態度、ムカつく』(バキッ!)『かはぁ!!』

殴られた。
普通に不機嫌な顔をされて、殴られた。
それもグーで。頬に。

『ブファぁぁ。イテェなぁ!なにすんのよ!そんな直ぐ手を出しちゃいけないバイ!女の子でしょ!』『男女差別』(バキッ!)『あふぅ!!』
言い終わる前に殴られた。今度はおもいっきりグーで。鼻に。

『やめて、ホンに、鼻は弱いの。』
涙目になりながら女の子に懇願しながら這い蹲っている男がそこにいた。そう、ボクだった。
そう思いたくないが、紛れも無くボクだった。
どこかの吸血鬼もどき主人公以下の情けなさだった。

『って、ハクション!!。ふぃぃ。それで改めて聞くんだけど、救世主、ってなんなの?』

『言葉の通りよ。人類を神の世界から「救」い出し、新たな「世」界を創り出す人類の「主」。「救世主」よ。私たちレジスタンスの真の主である方。私たちはこれまで三度、「救世主」に従い戦ってきたわ。さっきも言ったけど、古の時からね。』

『。。。はぁ。救世主ねぇ。でも、なんで君はボクが救世主なんだって断言できるの?別に特別な力があるわけでもないし、子供のときに引き継いだ特別な武器を持っているわけでもない。ましてやなんかの印が体にあるわけでもないし。まあ、お尻に蒙古斑があるかもしれないけど、それが印なんかい?みる?』『みない』(バキ!)『ブファぁぁ!』

『まあね、確かに救世主の転生によってその人自身になにかあるわけではないわ。力の発現が無い限りね。あなたはまだ完全に発現していないし。でもわかるのよ、私たちは。まあ、その辺を話すのはここではなんだし、来て。』
と、その女の子は踵を返し、玄関に向かった。
『来てって、どこに行くんだ?ていうか、ボクはまだ君を信用したわけでもないし、名前すら知らない。そんな訳のわからないやつに付いて行けないよ。』
そう、ボクが言ったあと、女の子は振り向いて、
『さっき言ったでしょ。レジスタンスだって。名前は祠堂ますみ。レジスタンス日本支部所属。第一遊撃隊 所属。そして、』
その女の子、ますみはまっすぐで意思の強さを感じる目でボクを見つめて力強く、言った

『あなたを護る騎士よ』

・・・・移動中・・・・

・・・・・・・・到着(徒歩約10分)


『って、近!!』
そこはボクのマンションから徒歩10分程度にある飲食店だった。

『Restaurant & Bar Celye(レストラン&バー「クエリ」』。

名前からは如何にもおしゃれでこじゃれた感がありそうだが、そのお店はシンプルでなんか親しみ易い雰囲気をかもし出していた。こんなお店がこんな近くにあったなんて、
『知らなかったなぁ。こんなお店があったなんて。もう7年ぐらい住んでいるんだけど、結構知らないお店はあるんだなぁ。で、このお店で話をするの?』
『そうよ。』
『いや、でもさ。さっき話していた内容を飲食店では話せる内容でないんじゃないの?それだったらボクの部屋の方がまだましのような気がするけど。』
『ここで大丈夫よ。それに、あなたの部屋では他の連中に筒抜けになっているかもしれないしね。後でクリーニングしておかなくっちゃ。』
筒抜け?クリーニング?って。
『え!ボクの部屋、盗聴されているの?うそ!!出来るだけ知らない人を部屋に入れないように気をつけていたのに。うわぁ。あんなことや、こんなことも聞かれていたのか。。恥ずかしい!』
『そうね。確かになんあマニアックな企画物ばかり選んで購入して、興奮してシコっているのは恥ずかしいわね。さあ、入りましょ』
『って、ちょっとまて。なんで知っているんだ、って無視して入っていくなや!!』

カランコロン。
ボクの静止を何一つ気にせずますみが「CLOSE」の札がぶらさがっている扉を開けるとよくある喫茶店の扉のように鐘がなった。
店内の第一印象は、清潔感。白を基調に、扉のはいった目の前がカウンターで、左手にはトイレだろうか?綺麗な大きなステンドグラスが特徴の扉。そして、右手奥にはテーブルが4つあった。こじんまりであるが、居心地が良さそうだ。そして、カウンターの奥はキッチンになっているらしく、マスターらしき男性が後ろを向いて作業をしているようだった。
『兄さま、お連れ参りました。』
あにさま?
ますみがその男性にそう声をかけると、男性はこちらに振り向いた。

『ああ、おかえり、ますみ。ご苦労様。それと、』
ますみに、声をかけたあと、その男性はボクをみて恭しくお辞儀をしながらこう言った。


『お待ちしておりました、救世主、鳴沢大樹様。』

前のお話:https://note.com/daikiha/n/n9ad9ed4adbb1

後のお話:https://note.com/daikiha/n/na9053e2ad910

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