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映画感想【ペットセメタリー】

家族と田舎に引っ越した医師ルイス。
新居の裏には謎めいた動物の墓地「ペットセメタリー」があった。
ある日飼い猫が事故に遭うと、墓地を越えた奥深くの森で猫を埋葬する。しかし、次の日凶暴に変身した猫が姿を現した。その地は先住民が語り継ぐ秘密の森だった。そして迎えた娘エリーの誕生日、彼女は事故で帰らぬ人に…果たしてルイスのとった行動とは。

リメイク版のペットセメタリーは怖さのボリュームアップがなされていて、とても満足度が高い作品でした。

リメイク版はオリジナル版ともに死生観について描かれている点は同じなのですが、どちらかと言うとリメイク版の方がそれが深く作られていた様に感じました。
というのも、オリジナル版はルイスの愚行にスポットが当たっているので、死への向き合い方の様なものは後半殆ど影を潜めていましたが、今作ではレイチェルが死を恐れるようになった幼少期のトラウマが多くの時間を割いて画かれており、寧ろそれでもう一本撮れるんじゃないかという位に怖いシーンになっていました。

また、長女のエリーが変貌する事で、1度死に、生き返る事の罪深さと身勝手さを知ることが出来ます。

エリーは自分の考えをしっかり持っている9歳の女の子なのですが、それは生き返った時にも反映されています。この状態がどれだけ苦しいものかを伝え、恨み、襲いかかってきます。
自分の娘に自分を生き返らせた事を恨まれながら、襲われる悲しくもとても恐ろしい状況を観る事で、こちらにもこのルイスのとった行動がいかに愚かだったかが分かる様になっていました。

長年その土地に住む隣人ジャドの提案から始まった悲劇ですが、ジャドがルイスに土地の持つ力を教えなければ何もなかったかもしれない。

ですが、ジャドもまたその土地に狂わされていた1人ではないかとも思いました。
ルイスを導いたのもルイスが子供達を思う気持ちに動かされてだと思っていたのが、実は土地のもたらす何か不思議な力がジャドに指示を出したのではないのかなとも感じました。

後、今回驚いたのは飼い猫チャーチの演技です。
愛嬌たっぷりに人に懐く所、変貌してからの凶暴さ、不穏な眼差し。色んな顔を見せてくれるカメレオン俳優とでも言いましょうか。ややこしいですね。でもそれくらい幅広い姿を見せてくれていました。
調べた所によると、CGを使っておらず大半が猫の演技によるもの。エンドロールで4匹の猫が演じていた事が判明したのですがそれにしたって素晴らしい姿を見せてくれています。
アニマルトレーナーと俳優猫のコンビネーションも垣間見れました。

ペットセメタリーリメイク版はホラー要素のボリュームアップがあった他、死生観についても、より向き合っていた作品に感じました。
オリジナル版と合わせて是非是非。
(オリジナル版のチャーチもリメイク版のチャーチもちょっと大型の猫でかわいい)

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