変態の通勤

　最寄駅のある前立線から今日の商談があるGスポ駅がある放屁線に乗り換えるには、蟻の門渡り駅まで行かねばならない。
　近隣の裏筋駅は東狂の中でも比較的郊外に位置している。故に人間も一般的だ。
　普通の変態が自動改札機の切符吸い込み口に股間を入れようとして血みどろになっている。駅員もそれを見て手淫しているので構わずギャグボールをくわえて悶えている目隠しモヒカンおじさんを踏み越えて改札を抜けた。
　ホームの乗車位置に立つと、目の前の駅名表示板に飛び込みで跳ねられて勢いで叩きつけられた死体がトカゲのように壁に張り付いている。男だから誰にも相手にされていない。
　自動販売機に頭を打ち付けている男が今日もいる。この間病院で見た。鉄線で縫われた頭。余程オブセッションのために努力しているのだろう。
　盲目車用の黄色いタイルの膨らみをやすりで一生懸命削る男も向こうの方に見える。あと数カ月で彼の仕事も終わるだろうが、そのあとはどうするのだろう。
　電車がホームに滑り込んできた。先頭の女性専用車両では脱糞もののレズビデオの撮影が行われているようだ。床に噴霧された小便が戸のない乗車口から外に吹き出し、蛍光灯の明かりに照らされ虹が浮かんだ午後11:30。
　いつもの車両に乗り込み、前の駅から乗り込んでいるいつもの女のスカートをたくし上げて挿入し、後ろに並んでいたいつもの男から挿入され、いつものように頭上に開いたロボトミーホールに右手人差し指を突っ込む。電車が揺れるとこれらがうまく動いて次第に気持ちがよくなる。
　田舎者にはここまで出来ないだろう。都会ではこのくらいのソティスフィケート・マインドをもっていないと通用しないのだ。
　今日の培養金玉の売り込み、うまくいけばいいが。
　最近は安物の養殖金玉が幅を利かせているが、私は純粋培養の金玉にこそ、本来の臭みと本当のフェロモンが含まれていると信じている。
　ほら、そこの優先席に座っている老婆が、美味しそうに培養金玉を噛み砕いているじゃないか。ああ、口から肉片が出てきている。フェラチオのしすぎで顎関節がずれて、入れ歯の具合が悪いんだな。歯医者に行くよう、勧めnight。