今回は11年前の僕のセッションに対してスーパビジョンをしてみます。当時の僕はコーチを始めて8年目です。勢いのある中堅コーチですね
YouTubeで公開されているセッションですが、クライアントのユニークさもあって非常に人気のあるものです。ぜひビデオもご覧ください
しかしこのコーチ真っ黒ですね(笑)若気の至り。。。
気を取り直してスタートしましょう
明るくて楽しい感じでいいですね。テーマは「飛行機に乗れるようになりたい」です。
書き起こしでは分かりませんが、コーチの相槌がうるさいですね!(笑)ビデオをみてみてください。クライアントによっては、圧迫感を感じる場合もあると思います。
ここら辺は難しいところで、
明るく楽しくドンドンきいていくことで本音を喋ってもらうスタイル
VS
ゆっくり丁寧に深めていくことで、革新に近づくスタイル
その両方に良さがありますので、コーチのキャラクターや、クライアントの状態に合わせて選択すると良いですね
コーチは楽しそうで良いですね。クライアントのキャラクターもありますが、コーチが積極的に笑っているので、よい関係でセッションが進んでいっていますね。
「塞いでいる」をバックトラック(おうむ返し)しましたね。そのことで、クライアントは「塞いでいる」をめぐって思考を深め始めました。
そして楽しみを損している。→飛行機のりたいと「思いたい」
となったわけです。バックトラックに変えて
「塞いでるっていうのは?」
「なにを塞いでるの?」
「誰が塞いでるの?」
「塞いでいるものが外れたら、何が起こるの?」
など色々な質問ができますね
そして「乗りたいと思いたい」もバックトラックしました。すると「乗りたいのかな。。。。でも外国行きたい」
となりましたね。これもコーチのバックトラックによって内省が進んでいる事例ですね。
ビデオをみてもらったら分かりますが、終始コーチクライアントともに楽しそうですね。
そして注目すべきは最後の
宮越「行きました。はいはいはい。」
です。これは「次に進んで!」という気持ちで言っていますね。セッションの初期段階なので、クライアントの話を丁寧にききたいけど、話が長くなってきてるので、とっとと進めたい。そのバランスを取ろうとしてますね。いいと思います。
コーチングはドライブと一緒。飛ばすところは飛ばして(ただし事故には気をつけて)、逆にゆっくり楽しんだり、徐行したり、そのときどきによってスピードを変えていくのがよいのです。
「それまでは怖くなかったの?」で答えがYESなら、ビフォアフターで何が変わったのかに行こうと思ったのでしょうか
でも答えはNOでした。
別案は「揺れる感じがすごく怖くて」に対して「揺れているとどんなこと考える?どんなイメージが浮かぶ?」とかをきいてみることですね。その答えによって、揺れ(事実)に関してどんなイメージ(解釈)をもっているかがわかるので、それを起点にどう関わると良さそうかを考えられますね
クライアントの「怖くないですか?揺れた時」に対して「怖いですよ。うん、あはは」と答えています。
ある種のノーマライズ(クライアントに起こっていることが普通だと伝えること)ともいえますし、クライアントとの信頼関係を強化するような関わりともいえます。
コーチは怖いと言いつつ、多分(あなたとは)怖さの質が違うと思う。と言って、クライアントの中で何が起こっているのかきいています。
飛行機に不安を感じるのは普通だが、あなたはその上、さらに特別なイメージをもってしまっているから、余計怖く感じているのではなかろうか?と言っているわけですね。
飛行機の怖さは完全に無くならなくてもいいし、それが普通だけど、それとは別に、過剰に怖がっているのは、なにか特別な捉え方をしているからではないのか?そしてそれが変化するなら、あなたの感じ方も変わっていくのではないか?とクライアントに示唆していますね。
この路線で進めていこうとしていたら、クライアントの状態がすでに悪くなってきました。コーチはそれに気がついて、確認しました。クライアントの答えは「怖い」でした
怖いにいってしまったので、プロセスを止めています。これも良いですね。クライアントにいい状態で飛行機に取り組んでもらいたいので、作戦変更しようとしています。
CO「こんなに怖いものに乗れるようになりたい(笑)大丈夫?」
よいですね。怖いという気持ちに寄り添いつつ。笑いも交えて、乗りたいの?と問いかけイエスという答えを得ています。しかもコーチの余裕な感じが、クライアントにも安心と希望を感じさせていると思います。
その後もクライアントといい状態で楽しくセッションをしていくために、笑いで場を和ませ続けています。
目的を聞こうとしていますね。これは大切です。そもそも何で飛行機にのりたいのか、のれたら何がおこるのか。それを確認すること。
ここに本当に大切な目的が存在しないなら、無理して飛行機に乗らなくてもいいわけですし、目的が明確になり、そのためには飛行機が必須であるなら、クライアントのモチベーションは上がります。
僕はこういう粘り好きですね。確かにハワイは悪くないんだけど、それでもどうしてハワイなのか?を言語化してもらうべく粘るコーチ。
コーチはクライアントに具体的にイメージしてもらうために離れた場所に椅子を置いて、そこに座りながらハワイにきたイメージをしてもらおうとしています。
物理的に場所を変えると気持ちが切り替わったり、イメージが変わったりします。ナチュラルにやっていますね
「自然の中に戯れる」というキーフレーズが出てきましたが、コーチはそれで終わりにせず、「例えばどんな感じ」ときいて具体例を出してもらい理解を深めようとしています。
コーチは粘り強い。しつこいともいえますが。。。クライアントにハワイでの時間を具体的にイメージしてもらってます。そして
具体的なイメージをもってもらったら
「なんか、こういうこと体験できるって人生でどんな意味があると思います?」
という質問で、その体験の中にある価値観に気づいてもらおうという関わりですね。
クライアントからは「出会い」「やっと皆に出会えた」などの答えが返ってきました。興味深いですね。
いろんな場所に行き、いろんな人たちに出会うというのは、生きてる意味の一つ。それも大きな意味の一つですよね。
それが人生の醍醐味であり、そしていろんな人と出会うことで、自分が何者かも発見していくのが私たちです。いろんな人と出会うから、それぞれの人との違うところや重なるところから、自分は何者なのかに気づいていくのです。
クライアントは、もっと世界を人生を楽しみたい。いろんな人と会うことで、自分の人生とは何なのかを知りたい。そして自分の本当の人生を知りたいと言っているのかもしれません。
そして、それを助けてくれそうなのが飛行機である。と。
でもコーチは、まだ探究をやめません。あなたはハワイに繰り返し通いそう?それとも色々いきたいの?
そうやって確認しながら、クライアントが求めているものは何なのかを探究しています。ここからどう展開していくのでしょうか。
次回に続きます。まだコーチはクライアントの望んでいることが何なのかを丁寧に確認しようとしている段階ですが、ここから先に面白いことが色々と起こっていきます。お楽しみにどうぞ
僕たちと一緒に人生を変えるコーチングを身に付けたいかたは