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コーチングを上手に活用するには?(経営者向け)

コーチングの認知度が上がってきていますので、「知人の経営者がコーチングを受けてよかったと言っているので、自分もコーチングを受けてみよう!」と思われる経営者さんが増えているようですね。
この記事では経営者さん自身がコーチングを受ける際に、その時間を上手に活用する方法について記載します。


1.活用の目的を明確にする

一口にコーチングと言っても様々な活用の仕方があります。以下に私のクライアントさんたちがどのような目的でコーチングを活用しているか代表例をリストアップしますので、今のご自身のタイミングにピッタリの活用目的を考えるときの参考材料にしていただけたらと思います。

但し、コーチングでは「今この瞬間」「眼の前のクライアントさんの状態」を大切にしますので、セッション中により重要なテーマが見つかった場合には進め方を変えることもできますし、「この活用目的ではこうする」という型にはまった進行手順に従うわけでも有りません。実際のセッションではコーチとクライアントさんとの間で柔軟にセッションの進め方自体をデザインしていくのがベストだと思います。

コーチング活用例1 具体的で明確な目標達成

長期的な目標を明確にし、中期・短期目標に落とし込み、日々の行動のPDCAを回していくという活用方法です。
典型的には、長期目標を明確にするフェーズで長期的スパンで何を求めているのかという抽象度の高い話からスタートし、PDCAを回すフェーズでは抽象度の低い課題に対して具体的解決策や行動計画を検討します。日々忘れず・サボらずに行動を続けるサポートも含まれます。

目標は事業の目標でも、事業に向かうにあたっての個人の目標でも、プライベートな目標でも構いません。様々な側面のうち自分にとって本当に重要な側面はなにかをコーチとともに検討して、目標を設定していく事をお勧めします。(例えば、奥さんとの人間関係が改善したので事業にも集中して上手く進めることができるようになった社長の例も珍しく有りません)

コーチング活用例2 自分の軸を見つける・大きく自分を変化させる

自分の軸を見つけることと、自分を大きく変化させることは一見逆のことのように見えますが、私の実際のセッションではかなり似た話になることが多いです。自分の価値観や自分にとって重要な意味のあることなどを明確にしていきます。そのうえで、大きく自分を変化させたい場合は、どう変化したいのか明確にしたり、自分を現状にとどめている原因を探って、大きな変化ができるようにサポートしていきます。

自分の軸がしっかり見つかったことで、よりしっくり来る目標を設定できたため充実した日々を過ごすことができるということはよく起こります。

コーチング活用例3 意思決定やアイディア出しのサポート(壁打ち相手)

進むべき方向が明確な場合でも、日々の意思決定の連続の中で、より充実感・納得感のある意思決定ができるために考えを深めたり、あるいは一人で考えていたときには持っていなかった視点を持つために、壁打ち相手としてコーチングを活用していただくことも効果的だと思います。

ほんの小さな迷いの積み重ねで、知らず知らずのうちに大きな精神的を感じながら日々を過ごすのではなく、向き合うべき迷い・弱点・リスクにはしっかり向き合って納得感を持ちながら、選択に自信と確信を持てる日々を過ごすことができることは素晴らしいことではないでしょうか。


コーチング活用例4 自己理解・自己成長

自分自身にはどんな価値観があるのか、どんな考え方の癖があるのか、どんなふうに他の人に思われているのか等、自分の特徴を理解し、自分自身のより良いあり方を探し、それに近づくための行動を決めていくような活用の仕方です。

会社の器は経営者の器で決まると言われることもあるくらい、経営者さんの自己成長は大切だというのが通説だと思います。しかし、経営者さんは裸の王様になってしまいやすいポジションにいます。自分ひとりで自己理解と自己成長を実現するのは簡単では有りません。そこで、コーチからの質問やフィードバックを通じて自己理解と自己成長を起こしていくというのも良い方法だと思います。

コーチング活用例5 自分自身の状態を良くする

日々力を発揮するためには、心、体、人間関係、経済状況、身の回りの環境などを良い状態にしておくことが必要です。自分とその周りの状態を良くするためのメンテナンスのためにコーチングを活用するのも一つの手です。

その中でも特に、心と人間関係を良い状態にすることについてはコーチングスキルを活かしやすい分野です。家族にも従業員にも経営者仲間にも言えない悩み・不安・焦り・イライラなどのネガティブ感情を外に出して、軽くなった心で経営のパフォーマンスを上げていくということができます。

コーチング活用例6 時間管理

上記の活用例5と近い内容ですが、重要なことは確実に実行しつつ、忙殺されないようにするために時間管理をするためにもコーチングを活用できます。

ついつい後回しにしてしまうことを確実に実行するように維持したり、優先順位の低いことをやらないように決めたりすることは、経営者さんの貴重な時間を適切に管理することに役立ちます。自分一人で決めるよりもコーチを介在させると効果的に時間管理を行うことができます。

2.コーチのキャラをチューニングする

コーチには色々な人がいます。何でも受け止めてくれる優しい人、行動にフォーカスを当てて進捗を出させてくれる人、明るくて元気な気分にさせてくれる人、キレる頭脳で鋭い視点に気づかせてくれる人・・・それぞれのコーチにキャラクターがありますが、経験豊富なコーチであれば相手に合わせてキャラクターをある程度変化させる柔軟性も持っています。コーチに相談するときには、自分のニーズに合わせてコーチにこの様に関わってほしいというリクエストをすることをお勧めします。

例えば、

  • 今日はちょっと気持ちが落ち込んでいるので、解決は置いておいてただ聴いてもらいたい。

  • これから3ヶ月は頑張り時なので尻を叩いてほしい。

  • 毎回最後に私について感じたことをフィードバックする時間を作って欲しい。

  • 今日はブレストをしたいので、視野を広げる様に関わってほしい。

このようなリクエストを伝えることでより満足度の高いコーチングセッションにすることができます。


3.準備をする

コーチングセッションの時間を何に使いたいか、事前に考えてからセッションに臨む方と、コーチングセッションが始まってから何について話すか考え始める人がいます。コーチングセッションをより充実したものにするには、今日は何について話をしようか、今日のセッションでは何を持ち帰ろうかということを事前に考えることをお勧めします。

但し、コーチングセッションを継続していると、予約は入れておいたものの今相談したいことが思いつかないということもあるでしょう。そんなときは、相談テーマを含めてコーチと一緒に話を進めていくのも一つの手です。
コーチからの問いかけによって気づいていなかったり忘れていた大切な課題に気づくことも珍しくは有りません。

プロフィール

藤田 大樹(ふじた だいじゅ)
Brain−Plus代表
【専門分野】
ビジネスコーチング/メンタルヘルス
【学歴・資格】
京都大学総合人間学部卒業
名古屋大学大学院理学研究科博士前期課程修了 理学修士
University of Strathclyde MSc Psychology with a Specialisation in Business 在学中
国際コーチング連盟 PCC(プロフェッショナル・サーティファイド・コーチ)
EAPメンタルヘルスカウンセリング協会 EAPメンタルヘルスカウンセラー

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