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メンタルヘルス講師がメンタル不調になった時の話

医者の不養生という言葉がありますが、メンタルヘルスの講師をしている自分にも、精神的に調子が良くないタイミングがあります。今日はそんなときのお話です。

メンタルヘルスケアのノウハウがあっても無敵ではない

自分は過去にウツになり全く働けない時期を過ごしましたが、それがきっかけでメンタルヘルスケアやメンタルコーチングを学び、今では相談を受けたり企業研修をしたりしながら、いろいろな人の頭と心の整理整頓をお手伝いしています。

では、ウツを克服して無敵になったかと言うと、そうではありません。いくつかの弱点はスキルアップによって克服しましたが、なかなか克服できない問題も残っています。例えば、自分は多くの人よりも長い睡眠時間が必要だというのが克服できない問題の一つです。筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の柳沢正史氏によると、必要な睡眠時間はほぼ遺伝子で決まるそうで、これは受け入れるしかありません。


無敵になろうとするより、自分の弱点とうまく付き合うことのほうが重要

以前は、すべての弱点を克服してやろうと思っていました。無敵の自分になれるのではないかという幻想がどこかにあったわけです。

でも、それは現実的ではありませんでした。克服できていない問題には、むしろ自分の弱点を正しく認識して、弱点が現れそうになったら早目に対処することが出来るようになるということのほうが重要だと思います。


久しぶりに本格的なウツ症状??

先日、久しぶりに本格的にウツかもしれないと思う期間がありました。
(とは言え、過去に全く働けなくなったときよりは大分マシです。知り合いの方々、ご心配なく)

主な症状は、集中力低下、思考力低下、イライラ、意欲低下、ネガティブ思考といったところです。特に今回は頭が悪くなった感じがしました。スーパーで買い物をするとき、平常時であれば一つの通路を大抵は1回、多くても2回ぐらいしか通りません。でも今回は思考力が鈍くなっていて、買うべきものがすぐに決まらなかったり、あとから取り忘れたものに気づいたりして、スーパーの端から端まで何往復もしました。普段の2倍以上時間がかかったと思います。

そのような症状が出る前に何をしていたか振り返ってみると・・・

  •  大学院のテストやレポートに追われて睡眠時間が少なかった。

  • テストやレポートが終わった後、溜めていた仕事や人と会う予定を一気にこなす必要があり忙しかった。

  • その後、キャンピングカーでのスキー旅行で、体力を使った。そして、ヘルシーな食事を摂らなかった。

こうやって見てみると、休息の不足と栄養の偏りによって健康を害した可能性が考えられます。今回、ものすごく嫌なことがあったとか、すごく強いストレスを感じていたかと言うと、そのようなことはありませんでした。でも、体が疲れてくるとウツのような症状は現れてきます


自分自身が不調になったメンタルヘルス講師がとった対処法

自分自身の行動や感情を振り返って、自分の弱点とうまく付き合うためにとった対処法は以下のとおりです。

  • たくさん寝る

  • 栄養を取る(とくに野菜不足だったので、葉酸やビタミンを補給しました)

  • 日光を浴びる(日の短い時期には、皮膚でのビタミンD生産が減ることで具合が悪くなることがあります)

  • 先延ばしに出来る仕事は、とにかく先延ばしにする

  • 先延ばしに出来る勉強も、とにかく先延ばしにする

こんなふうにしてのんびりと過ごしていたら、元気を取り戻すことができました。メンタルヘルス研修で自分が伝えている通り、無理せず早目に対処したことで、ひどい状況にならずに済みました。


今回の学びを次に活かすなら

今回の不調の経験から得られた学びを、これからの自分の行動に活かすとしたら、(1)ゆとりあるスケジューリングと(2)ヘルシーな食事の2点に気をつけるということです。そして、ウツっぽくなっても早目にちゃんと対処すれば戻ってこれると考えて、「またひどいウツになったらどうしよう」などと気にしすぎないことも気持ちを楽にするために有効だということが改めてわかりました。

メンタル不調の方にとって、この記事からポジティブな気付きがほんのちょっとでもあったら嬉しいです。


プロフィール

藤田 大樹(ふじた だいじゅ)
Brain−Plus代表
【専門分野】
ビジネスコーチング/メンタルヘルス
【学歴・資格】
京都大学総合人間学部卒業
名古屋大学大学院理学研究科博士前期課程修了 理学修士
University of Strathclyde MSc Psychology with a Specialisation in Business 在学中
国際コーチング連盟 PCC(プロフェッショナル・サーティファイド・コーチ)
EAPメンタルヘルスカウンセリング協会 EAPメンタルヘルスカウンセラー

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