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気分転換 25

藤林邦夫の3分メッセージ(『生きる楽しみ』1991年版、pp.34−35。)

東京のある有名な高層マンションでは、立派な建物とは別に、住んでいる人々の心が、冷たく、すさんでいるそうです。自殺の名所といわれるくらい、高層階から飛び降りて、自分の命を絶つ人も多いのです。

そのマンションの住民のサラリーマンは、職場から真っ直ぐに、家に帰りたがらない。帰宅拒否症にかかっている人もかなりいるとかで、そういう人の利用する酒場が繁盛しているのです。

酒場ですから、お客さんの飲む酒がボトルキープしてあります。
その横に、洗面用具一式もキープされているのです。そうです。お風呂へ行く洗面具一式です。お酒を飲んで、近所の銭湯に行き、一風呂浴びてから家へ帰るという訳です。

家でも風呂があるじゃないか、それに入ればよいのに、と思いますが、それはバスルームで、風呂ではないのです。銭湯に入って、湯船に浸かってこそ、さっぱりするんで、家でシャワーを浴びたところで、気分転換にはならないのです。

かくしてボトルキープの他に、洗面具一式もキープされて、一風呂浴びてご帰宅になる、という現代東京の風俗の一コマです。

それにしても、何とも言えぬ、気持ちの悪い話です。「気分を変えたい!」のは、人の常ですが、酒や風呂しかないのでしょうか。

聖書には、

「心の深みまで新たにされて」
「誰でもキリストにあるならば、新しく創られた者である」
「みよ、全てが新しくなったのである」

(日本聖書協会口語訳聖書 Ⅱコリント5.17;エフェソ書4.23)

と、神との関係を正しく持つことにより、心も新しくなることを教えています。

身体の刺激による新しさ、感覚だけのものではなく、心の深みからくる新しさを体験したいものです。神はそれを与えて下さいます!

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<著者紹介>
藤林邦夫 1935年(昭和10年)生まれ。日本純信聖書学院自主退学、京都福音教会で、35年牧師として従事。ホザナ園園長も務めた。1992年2月26日、56歳で召天。この一連のエッセイは、亡くなる直前に、4年間にわたり、3分間テレフォン・メッセージとして書き溜めたもの。


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