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デンマークにて 12

昨日で前期が終了した。前期というか春期かな。今期の生徒のほとんどは来期をとってないからお別れになる。来期に残るのは9人くらい。ルームメイトのダニエルは次も取ってるし、その他にも何人か仲良かった人がいるから安心ではある。でもやっぱり寂しい。最後の一週間は事あるごとにみんな涙流しまくりだった。

3ヶ月ちょい。カレンダーを見ながら振り返るとそんな長くはない。ただ実感は長い。デンマークに到着して、格安のバスに乗って学校の最寄りの駅に行って、クソ寒い深夜に残り少ないタバコを吸いながら先生の車を待って、車の中で緊張しながら英語を喋って。とてつもなく昔の話のようだ。ただそれも3ヶ月前。充実した日々は一瞬で過ぎる感じがするけど、振り返ると長い。不思議だ。

いろんな友達ができた。多分それが一番大きな財産かな。来年か再来年か、5年後か10年後か、突然デンマークに遊びに行って「今日泊めてくれない?」ってお願いしても承諾してくれるような方々(8割僕の願望だけど)。逆に彼らが日本に来たら喜んで学寮に招待してあげよう。そしてたくさん宝焼酎を飲もう。こいつらビールしか知らねえから。

恥ずかしい話、僕はなんの予備知識も入れずにこの学校に来た。学校のことはおろかデンマークのことも、デンマークの近くのお国のことさえ知らなかった。ただそれが功を奏したのか、何も知らないからこそトントンとことが進んだ感じもする。無知は強い。今年の1番の発見である。最初の一週間くらいは起こること全てに「は…?」みたいなリアクションをしていたからこそ今の友達と仲良くなれたのかもしれない。

ムルゴーって粋な男子が同じグループにいた。特に彼とは喋ったりしてなかったんだけど(最初らへん)、彼のフォーク&ナイフ捌きがあまりにも美しすぎて、食事中に感動してずっと見つめてたら、彼に「きもい」と言われそこから仲良くなった。今まで見たことないようなフォーク使いだったんだから、仕方がないよね。

数人と初めてスーパーに行ったときにあまりの物価の高さに爆笑してたのも良い思い出である。物価の高さくらい前もって調べとけよって話なんですけど。

洗濯機の使い方も意味不明すぎて三回くらい同じ人に使い方聞いたし、寝る前にハグする文化を知らなくて何か特別な日なのか勘違いして笑われたし、みんながライスって呼ぶ物体が米からかけ離れてて絶望したし。色々あったなぁと。

ほとんどの生徒が日本人と会うの初めてっぽくて、てか何ならアジア人(アジアからきたアジア人)初めて〜って人もいて不思議な感覚だった。日本を背負ってるなんてことは全く思わなかったけど、仮に彼らがこの後に日本人ないしアジア人に出会って「前に一人日本人にあったことがある」って言いったらそれは俺なのか…と(まあそういう展開になってくれという願望なんですけど)。

とにかく色々あった。何を学んだ?という問いにはうまく答えられないけど、少なくとも感情表現は豊かになった。豊かにしなければ環境に適応できなかった。酒にも多分強くなった。少なくとも持久性はついたと思ってる。フォークとナイフも少しは上達した。あと痩せた。

色々書きたいことは山盛りだけどうまくまとめられないからこの辺で。今はフランスとベルギーと無計画すぎるデンマークでの夏の日々で頭がいっぱいである。今日から二週間ちょいフランスに行ってそっからベルギーに十日くらい。その後デンマークに帰ってくるけど滞在場所が決まってない日が合計一週間くらいあるからどうしようって感じ。お金もそんな余裕ないし。

まあなんとかなるだろう。

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