音楽の話
ある音楽の授業で先生が言った。
「音楽を形成する上で何が大事だと思う?」
その先生は本当に頭が良い人で、何かを言えばその三手先くらいのことを言ってくる。僕は音楽は大好きだけど、専門的な知識が全くないし、ましてや英語でそれを説明することは不可能だから、誰が質問に答えるんだろーなーって周りを眺めてた。
あまりにも簡単なことを言ったらダメだとみんな思ってるのか、沈黙が続く。そしたら先生がピアノをガチャーンと弾いた。全く綺麗じゃない音の組み合わせだ。
「じゃあこれは音楽って言える?」
すると一人の生徒が「まだわからない」と言った。
先生が少し笑顔になって「どういう意味?」と聞く。
「いや…」
生徒が詰まる。
「君はかなり正解に近い」
先生がそう言って次の音の組み合わせを弾く。
みんながその音を聞いてオーッとなる。
「大事なのは次に何の音を作るかってことだ」
一つの雑音も、次に来る音次第で雑音じゃなくなる。綺麗な音も次に来た音が理にかなってかなったら雑音になる。先生は一発目に雑音(なんかのコードらしいけどよくわからん)を弾いてその次にそのコードを生かすコードを弾いた。
amon tobin の曲を聞いたことあるだろうか(ISAMってアルバムが好き)。いわゆる雑音である。でも彼の音楽は音楽として成り立っている。雑音の後にその雑音に噛み合った音を持ってきているからかも。綺麗な音の中に突然突拍子もない機械音とかをぶち込んだら、ただ機械音が割り込んだってだけになるけど(それもありだけどね)、機械音を生かす機械音を次に入れることで最初の音が音楽になる。
すごい当たり前のことだけど凄く大切なこと。
それにあえて逆らって次に来るべきコード進行じゃないものを入れる。そしたらまた一つアクセントが生まれる。
音楽って、ようは次に何を入れるかの予想のやり合いとその絶妙なバランスで出来上がってるのかも。
路上ライブとかまさにね。
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