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男性利用者と女性職員と排泄支援

私が社会人一年目の頃
若い男性利用者のトイレ支援に毎日入っていた。

私の事業部は男性職員が誰もいなく、男性利用者の入浴支援もトイレ支援も女性職員が行っていた。

 
高齢者施設は違うかもしれないが
障害者施設は女性職員が男性利用者の入浴支援や排泄支援を行うのはよくある。

当時私はまだ20代前半で若くて
まだ男性と付き合い経験もあまりなく、ウブな方だった。

 
今でなら福祉歴10年以上で男性利用者の支援も慣れたものだが
当時は男性の排泄支援に思うところがなくはなかった。

 
今でも忘れられない経験がある。

 
男性利用者Aさんは自発的に何かをするのが苦手な方だった。

常にボーッとしていた。握力は弱かった。

トイレは定時排泄支援をしており
時間になると私はAさんを便器へと誘導した。

 
ズボンや下着をおろし、便座に座らせ
一旦私はそこから離れ、しばらく時間が経ったらまた迎えに行った。

 
だが、私はしばしば失敗した。

たまにAさんの下着やズボンを濡らしてしまった。
それが私の気がかりだった。

 
男性が便座に座って排尿をする場合、陰部を押さえていないと便座の隙間から尿が漏れ、ズボンや下着を濡らしてしまうということを
私は社会人一年目に初めて知った。


Twitterで見かけた時にこれだ!と思った

 
Aさんは陰部を押さえているのが苦手だった。

私は個室を立ち去る前に陰部を下にし、自分で押さえるよう促すが
私のやり方の問題か筋力の問題かやる気の問題か
押さえたままにするのが難しかった。

 
もしも排便か排尿か伝えられたら、合図が出せていたなら
小便器を使える時は小便器を利用できていただろう。

そう思うきっかけは
初めてAさんのトイレ支援をしてから10年以上が経ってからだった。

 
利用者Bさんもやはり自発的に何かをするのが苦手な方ではあったが
排尿時は小便器に近づき、排便時は洋式に座ることで職員に排泄を教えてくれた。

 
小便器の前で立つBさんの排泄支援をしながら
Aさんの時にも小便器対応ができたなら、と私は思ったりもした。

 
Aさんはしばらくしたら退所してしまったし
やがて事業部に男性職員も配属され
私が男性の排泄支援や入浴支援の回数は減っていった。

 
 
転職して三年目。
今、男性利用者の排泄支援で新たな課題が上がっている。

 
移転し、トイレが新しくなってから
便座の隙間から利用者Cさんの尿がこぼれるようになった。

Cさんは一人で排泄ができるため
男性職員が様子を見にトイレに入るのを拒んだ。

だが、毎回同じ位置を尿で汚した。

 
私は前の職場を思い出した。

やはりトイレを新しくした際
今までは大丈夫だったのに
某男性利用者が排泄時に尿を隙間から垂らすようになった。

 
何故だろうか。

なんでも日々進化しているはずなのに
何故新たに進化したはずの洋式トイレは
一部の方に優しくないのだろうか。

 
こぼれた尿を日々拭き取りながら
男性の洋式トイレ利用の課題について思う。

どんな工夫をしたら
尿をこぼさずにすむのだろうか。

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