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片麻痺「健側」あるある!~「上腕二頭筋長頭腱炎」

「上腕二頭筋長頭腱炎」。
片麻痺利用者さんが肩痛を訴える時、私が現場でよく出会う疾患です。

片麻痺はつい麻痺側に目がいきがちですが、
日常生活で多用される健側にも様々な問題が発生します。

日常生活の中心を担い、多用される健側。
疲れている・だるいなどの不調ならまだしも、痛みを伴ってくるとやはり生活への影響は大きく…何とかしてあげたいところです(>_<)

「二頭筋長頭腱炎」とは??

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上腕骨の「結節間溝」で生じる、骨と二頭筋腱との摩擦による痛みです。

私がいつも出会う訴えの特徴は、
「肩前面の痛み(上腕骨周囲を漠然と指される場合もあります)」

結節間溝の触診により圧痛が一致すればほぼ間違いありません。

主な原因は、上腕二頭筋の過使用…そのままですね(ーー;)
私の経験上では、生活動作を紐解いていくとある共通点がありました。

ベッドからの起き上がり時などに手すりを使う際、「肘を曲げながら、体を引き起こす」動作をとられる方が多いのです。

特に、腕力のある男性に多いように感じます。

・動作により上腕骨が前に引かれて前方変位を起こす
・その状態で二頭筋を過使用
・最終的に摩擦が生じて痛みが出る

簡単に言うとこういうメカニズムです。

加えて!片麻痺の方は種々の原因から猫背傾向の方が多く、肩甲骨が外上方位になっていることもより肩部への負担を助長しています。

どう対処するか??

まず第一は「原因となる動作の改善」です。

手すりの高さを調整し負担の少ない角度にする。

できるなら使用は避け、床面へのプッシュ(腕で押す)動作で起き上がってもらうようにする。
その際、長頭腱に張力がかからないよう手は体幹よりやや前方についてもらうように動作の修正を行っていきます。
(※画像は両手使用です)

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「触ること」が可能なら、
・二頭筋へのマッサージやストレッチ
・上腕骨の後方モビリゼーション
・肩甲骨の内下方モビリゼーション
なども合わせられるとなお良しです。

「施術」という目線で見るなら、物療や他部位の調整なども行いたいですが…やはり大事なのは「施設」としての線引き
皆さま、許される範囲・可能な範囲で対処していただければと思います。

まとめ

片麻痺の方は各々に動きのパターンがあり、修正してすぐに変わるというものではありません。
また、前述の手技もあくまで対処的であり、痛みに関して一進一退の攻防になるかと思います…私も実の所、その繰り返しです(ーー;)

ただ!やらなければいつまでもそのまま。
「負担」というマイナス、「改善」というプラスを繰り返す中でうまく上向きに持っていく事です!

そこで大事になるのが「連携」
全てを自分一人で解決しようとするのではなく、痛む間の起き上がり介助を施設では介護職・自宅ではご家族にお願いする。

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その間に自分は機能訓練で少しでも改善を目指す。
時には医療機関での処置、薬処方も有効になってくるかもしれません。

「リハビリ職だから」「国家資格保有者だから」体の対処は自分がする!
と意地になるよりも、「チーム」的に対処していくことがやはり肝要だと考えています。

私も妙に片意地はったそういう青臭い時期もありました(ーー;)
皆さんの方がよっぽど素晴らしく、「大人」かもしれませんね…(^^)

この記事が少しでも皆さんのお役に立てば幸いです。
ご興味をお持ちいただけた方、フォローや公式LINEにご登録いただけるととても嬉しいです(^^)

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是非、情報共有しましょう!

最後までお読みいただきありがとうございましたm(__)m


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