石井大吾 / Daigo Ishii Design

2008年Daigo Ishii Design(石井大吾デザイン室一級建築士事務所)を…

石井大吾 / Daigo Ishii Design

2008年Daigo Ishii Design(石井大吾デザイン室一級建築士事務所)を設立。建築・インテリア・家具のデザインを中心に活動を開始する。近年は空家活用や全国各地の地域拠点の計画などにも携わる。山と映画とサッカーで日常を埋めたい。

最近の記事

団地の「風景」

先日NHKのドキュメント72時間にて、千葉市の花見川団地が特集されていました。昭和43年につくられた団地だそうです。 団地にはUR(旧日本住宅公団:1955年発足)の運営する賃貸や、分譲団地、または企業の所有する団地など、いろんな形態がありますが、あまりに解説が長くなってしまいますので、ここでは省略します。住戸内のリノベーションなどは、主に分譲団地になります。個人が区分所有しているので、専有部分は個々で維持することになるからです。 さて、形態はいろいろありますが、多くの団

    • スタンドショップの「風景」

      近年、飲食店を設計する機会が増えてきました。特に大きなレストランというものではなく、コーヒースタンドと呼ばれるような小さなお店が多いです。その中の2つのお店について少し書きたいと思います。 京王線千歳烏山駅近くの「the BENCH coffee stand」 https://www.instagram.com/bench_coffee_karasuyama/ 奥行はわずか1mほどで、床面積は7㎡しかありません。店内に座席はなく、外部を意識した計画になっています。販売カウ

      • 美しい道の「風景」

        もう10年以上前、NHKの連続テレビ小説「ごちそうさん」を見ていた時のことです。 正確な記憶ではありませんが、土木技師の主人公が地下鉄の計画をするにあたって、上司と「美しい」と「安全」のどちらを取るかについて議論をしていたのです。私はハッとしました。 気がつけば、無意識のうちに世の中で美の序列は大きく後退しました。 私は建築設計の仕事をしていますが、美しいを判断理由に用いる現場には出会ったことがありません。私自身も、考えたり図面を引く際には大きな要素であったとしても、議論

        • 「風景」から

          2019年の末、コロナ禍の混乱が始まる少し前に、房総半島の海辺の森の中に小さな家を購入しました。もう長いこと、チャンスがあれば房総半島の海辺に住まいを持とうと考えていましたが、ようやくその機会に恵まれました。 さて、今これを書いているのは2024年、以前思い描いていた海辺の暮らしがどうだったか、、実際の暮らしが思っていたよりものんびりしたものではないことだけは確かですがはっきりとは思い出せません。しかし、この海近くの森の中の生活が始まってから数年、「風景」というものの見え方