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夢冒険

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夢の中での冒険物語。夢が現実化するのを防ぐため、真一は創造主として戦いに挑む。
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夢冒険 ストーリー0007

ガルナの塔の2階、3階への階段の前で、ダルクはギルと
合流した。
ギルの通った後は、彼の剣にかかり、おびただしい数の
怪物たちの屍が転がっている。
「ダルク!? 真一はどうした?」
「・・・ヤツが・・・俺一人で何とかするからと。」
「? 真一が・・・?彼がそう言ったのか?」
「・・・はい。俺は一人で大丈夫だから、ギル様の
ところへと。どうしても同行を拒否したため、仕方なく
こちらへ来た次第です」

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夢冒険 ストーリー0006

陽は沈み、すっかり夜が更けて来たころ。
2頭の馬と3名の人間がガルナの塔の前にいた。

一人は騎士、一人は魔法使い、一人は世界の創造主という
変わった組み合わせだ。

「ガルナの塔については、何も情報がない。
地上4階建てだが、地下があるかもしれない。レミア様は
どこに囚われているか・・・」
「ギル様、おそらくですが、あの塔の4階にいらっしゃるかと。
確証はありませんが、そんな感じがします。」

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夢冒険 ストーリー0005

2頭の馬に乗った3人は、エルミタージュの西を目指していた。

道のりは遠い。

もう6時間は走っただろうか。

途中、馬を休ませるために小休止した時のこと。

真一は歳が近いと思われる少年に話しかけた。

「えと・・・ダルクだっけ・・・?」

「なんだよ、気安いなぁ・・・」ダルクは面倒くさそうに

答えた。あんまり友好的ではないようだ。

「なんで、俺が創造主だって分かったんだ?」

ダルクは少し

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夢冒険 ストーリー0004

「!!」

真一は目が覚めた。

ゼロース村ではない。

勉強机、イス、洋服ダンス、書棚・・・いつも見慣れた自分の

部屋の風景である。外では車の往来の音が聞こえる。

布団の横にはバットが置いてあった。

真一は慌てて自分の上半身を触った。

・・・・

「傷ひとつない・・・夢だったんだ・・・」

来ていたパジャマも何ともない。多少乱れはしてはいるが。

時刻は午後7時。寝たのがだいたい6時ぐら

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夢冒険 ストーリー0003

ゼローク村は平和な村であったが、

真一は違和感を感じていた。まず村の人たちの対応。

「あら、レミア、おかえりなさいませ」

「レミア、ご無事でしたね。この方が伝説の創造主ですか?」

村人はみんなレミアに敬語だった。呼び方だけ呼び捨てで

後は丁寧な敬語であった。

「真一、着いたよ。ここ、私んち」

「あーそうなんだね・・・」

レンガ造りの小さな家。見たところ普通の家。しかし、

真一はま

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夢冒険 ストーリー0002

小松原真一は少女レミアと岩だらけの道を下っていた。

レミアが先頭を歩き、真一はそれについていく形となる。

改めて真一は少女の後姿を見た。

金色の肩のあたりまで伸びた真っすぐな髪、

黒のタンクトップにハーフパンツ姿。

均整の取れた体つきがよくわかる服装だ。

ふいにレミアが真一に振り向き、真一はドキっとではなく

ギクっとする。

「この道を降りたら村に着くからね。」

「う、うん・・・と

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夢冒険 ストーリー0001

小松原真一(こまつばらしんいち)はここ最近、毎晩同じ夢を見ていた。

真っ暗な洞窟の中、真一ただ一人。

しばらくその洞窟を彷徨うと、目の前に怪物らしきものがどこからか

現れ、突然真一に襲いかかってくるのだ。

そこで目が覚める。

悪夢であるにも関わらず、しっかり熟睡できており、

寝不足ではない。

不思議である。

「また、あの夢だよ!もう何回目だ、まったく!」

松原真一は池ノ上高校の2

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