夢冒険 ストーリー0006


陽は沈み、すっかり夜が更けて来たころ。
2頭の馬と3名の人間がガルナの塔の前にいた。

一人は騎士、一人は魔法使い、一人は世界の創造主という
変わった組み合わせだ。

「ガルナの塔については、何も情報がない。
地上4階建てだが、地下があるかもしれない。レミア様は
どこに囚われているか・・・」
「ギル様、おそらくですが、あの塔の4階にいらっしゃるかと。
確証はありませんが、そんな感じがします。」
「へー、それも魔法かなんかか?」
ダルクは真一を無視した。

目の前の塔の入り口は開いている。
幅3メートル、高さは3メートルの正方形の入り口だ。
壁は石を組んである。中は薄暗く、真一の目には見えない。

ギルを先頭に3人は塔の中へ入った。
「光の精ミリウス、我に力を貸し、周りを明るく照らし給え」
ダルクがそう言うと、3人それぞれを中心に光が発生し、
辺りを明るく照らし始めた。
「す、すげー!これが魔法か!」
「・・・そうだ。『デントー』という魔法だ。効果時間は
10分だ。」
「みじかっ!」
「うるさい!ギル様、先を急ぎましょう!」
「そうだな」
3人は部屋の隅に階段室があるのを見つけ、そこへ足を踏み
入れた。
上へと続く階段と、下へと続く階段が見える。

ギルは少し考え、二手に分かれることを提案した。
「私は塔の最上階目指して上階へと進む。ダルクと、・・・
真一は地下を探索してくれ」
「ギル様、私も一緒に上を目指します!」
「真一は見たところ、戦いに慣れていないようだ。
だからダルクがサポートしてやってくれ。本来なら
3人一緒がいいのだが、ゆっくりもしていられない。
頼んだぞ!あ、あとこれを真一に渡しておく」
「あ!ギル様っ!」
黒衣の騎士は颯爽と階段を登っていき、すぐに姿が見えなく
なった。足音だけが聞こえ、それが止んだかと思うと、
剣と、切れる音、怪獣のような声が上の方から多数響き渡った。

「さ、ダルク、地下へ行こうぜ」
真一は階段上を見ているダルクに声を掛けた。
しぶしぶダルクはついてきた。
真一が階段を降りようとしたその時。
真一は背中に衝撃を感じ、体が回転した。
ダルクは思い切り真一の背中に蹴りを入れたのだ。
「うわわっ!!」
真一は地下へ転げ落ちて行った。

「俺の魔法でも間違っていることはある。レベル1の
しかも、あんな弱そうな奴が、この世界を救えるわけ
がない。悪いが、ここで消えてもらう」

ダルクは上への階段を急いで登り始めた。
ギルをサポートするために・・・。

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