夢冒険 ストーリー0007


ガルナの塔の2階、3階への階段の前で、ダルクはギルと
合流した。
ギルの通った後は、彼の剣にかかり、おびただしい数の
怪物たちの屍が転がっている。
「ダルク!? 真一はどうした?」
「・・・ヤツが・・・俺一人で何とかするからと。」
「? 真一が・・・?彼がそう言ったのか?」
「・・・はい。俺は一人で大丈夫だから、ギル様の
ところへと。どうしても同行を拒否したため、仕方なく
こちらへ来た次第です」
「本当に彼がそう言ったのか?とても一人で、怪物たちに
立ち向かえる感じではなかったが・・・何か秘策でも
あるのだろうか・・・」
「・・・・」
ダルクは黙ったままだ。
「これから地下まで戻ってもしょうがない。よし、
ダルク!共に最上階へ向かう。サポート頼むぞ!」
「・・・はい!」
二人は3階への階段を駆け上って行った。

地下・・・
「痛ぇ・・・、あの野郎、思い切り押しやがって!」
真一は無事だった。しかし階段を転げ落ちるうちに
体中を打ち付けており、剣を杖代わりにして何とか
立ち上がった。
「くそー・・・自分の夢で、クソガキにいきなり
裏切られるとは・・・!イテテ・・・」
腕も上がらない。びっこを引きながら歩くのが
やっとだ。

ダルクの魔法「デントー」はまだ効果があった。
真一を中心に光が周りを照らす。
地下は降りた階段からまっすぐに20メートル程
廊下が伸び、左右3つずつ部屋があった。どの
部屋にも扉はついていない。
イテイテ言いながら、左の部屋に入ってみた。
6メートル×6メートルの何も部屋で、中央に
宝箱があったが、蓋は空いていた。
真一はとりあえず箱の中をのぞいてみたが、
期待どおり空だった。

右の部屋。ここにも空の宝箱。
左手前から2番目の部屋。ここも空の宝箱。
右手前から2番目の部屋。これも同じ。
さて、一番奥の左の部屋。ここも空の宝箱。
「?」
ただ、この宝箱だけ、箱の底に文字が書いてあった。
真一は書かれてある文字を読み上げた。
「会心斬り・・・下、斜め下前、右、オー?」

・・・その時だった。体は痛いはずなのに勝手に動く。
真一は自分の意に反して、握っていた剣を振りかぶり、
思い切り振り下ろした!・・・ヒュン!!! 
ガキン!
轟音と共に、剣が宝箱に当たり、宝箱がまっぷたつに
割れた。
そして、体中がまた痛む。
「いててて!!な、なんだこれ、いててて!!」
訳が分からない。
訳が分からないが、この世界での自分の技であることは
理解できた。
「会心斬り」。自分ではコントロールできないのが
難点だが、力が何倍にもなる必殺技だ!
そして、下、斜め下前、右、オーと言うと、この
技が発動するらしい。
「格闘ゲームみたいだな・・・」真一はつぶやいた。

更に痛くなった体を引きずりながら、真一は最後の
右奥の部屋に入った。すると、部屋の隅に階段が
見える。更に地下があるようだ。

真一はゆっくりと階段を下りて行った。
ガルナの塔の主ガルナと、レミアをはじめとする
囚われの者たちがいる地下2階へ・・・



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?