マガジンのカバー画像

ドーザウィウ

14
ドーザウィウと、それを取り囲む仲間(?)たちのストーリー。
運営しているクリエイター

記事一覧

武器野健 第4話

はるか昔、白い衣を着た人たちは
軽やかだった。
草原を走り、野生動物たちと会話し、
豊かな水と風と共に生きた。

ある日のこと。
大地の民が、この国に攻めてきて、
我々の国を蹂躙しつくした。

民は皆殺しにされ、文化は滅び、
国は滅亡した。

いや、滅亡したかのように見えた。

我が国王は、殺される寸前に、まだ
赤子だった王子を地上へと逃がした。

その王子こそが我らの希望・・・

いつか・・・

もっとみる

ドーザ・ウィウ 第7話

吹き飛ばしたのが、ザバルナの塔の主、ザイラ・
ラーだったとは・・・!

それにしても崩壊した塔でよく生きてたなぁ。
まぁ、地平の彼方まで飛ばしてやったから
しばらくは戻って来れまい。

塔のがれきを魔法で全部どかすと、ザイラ・
ラーが貯めていた財宝がたくさん見つかった。
まぁ、盗賊の財宝なんで、元は別の人の物
なんだろうけど。

僕は次元魔法「パネル」を唱えた。
目の前の空中に黒い渦が出現し、渦が

もっとみる

ドーザ・ウィウ 第6話

15人の盗賊たちに、ザバルナの塔の1階で取り囲まれた
僕たち3人。

由美ちゃんは心なしか青ざめてるな。
んで、問題の健は・・・涼しい顔してるよ・・・
すごいな・・・一番実力がない奴が、一番落ち着いてる。
俺でさえ、余裕とはいえ、多少は緊張しているのに!

詠唱破棄は魔法力使うから、詠唱しちゃおう。
「ザー・マイルダ・タフォーチ・・・エクステラ・
ドラヴァイヴァ・リナルテック・・・」
よしっ! と

もっとみる
ドーザ・ウィウ 第5話

ドーザ・ウィウ 第5話

僕たち3人は、スタークスの東のザバルナの塔の
1階にいた。

今、ザイラ・ラーの手下の盗賊たちにまわりを取り
囲まれている。

スタークスの町を出て、ザバルナの塔に着くまでに
1日掛かったけど、まぁ、ここまで来るのに大変
だったというか、武器野健がまったく役に立たない。

どんな怪物や動物が出ても、
「面白い!俺が相手をしてやる!」って、突っ込んで
いっては、相手の攻撃をくらって、その間に由美ちゃ

もっとみる

リファナ 第2話

ドーザ・ウィウ。
白いローブに身をまとった逆毛の青い瞳のエルフの少年。
もらった情報にはそう書かれていた。

スタークスの町は広いけど、早く探さないと、町から出て行ってしまう可能性もある。しかし、今回はツキがあるみたい。

町に来て、2日目のこと。宿屋から出てくる男2人と女1人を見つけた。
男の一人は黒髪。目つきが悪く、麻のボロボロの服を着ている。右手には剣を持っているが、強そうな感じがしない。

もっとみる

ドーザ・ウィウ 第4話

由美ちゃんと健と一緒に町を歩いたが何も進展がなかった。そりゃそうだ。

彼女らが捜しているのは僕なんだから。

しかも鈍感なんだか、全然、僕がその魔法使いだってことに

気づかない。

いや、それよりも困ったことは、お金がないとかで、お昼ご飯も

ごちそうして、夜も宿屋の手配を行って、宿代まで出すことになった。

このままでは、仲間を4人にする前に、自分のお金がなくなってしまう。

そこで考えたの

もっとみる

武器野健 第3話

俺の名前は武器野健。最強の剣士を目指している。

その第一歩として、都にいる悪い魔法使いを

倒す旅に、双子の姉 由美と一緒に来ている。

由美はしっかり者だが、か弱い女の子だからな。

俺が守ってやらなければ。

さて、 怪鳥アドラスを倒した俺たちは都へと足を進める。

途中、山賊たちが襲ってきたが、やつら、弱すぎて俺が

出るまでもないようだ。全て由美が倒してくれた。

都が見えてきた。

もっとみる

リファナ 第1話

私の名前はリファナ。

今、13歳。

10歳の頃から暗殺術を徹底的に教え込まれ

政府の密命を受けて任務を遂行する殺し屋だ。

私に暗殺術を教えてくれた先生は、任務の途中で死んだ。

毒の吹き矢から、私を守って、そのまま永遠に目を開かなかった。

悲しくはない。先生は愚かだ。私を守らなければ死なずにすんだのに。

喜怒哀楽・・・そんな感情は10歳の時に捨て去ったので何も感じない。

保護者的な

もっとみる

ドーザ・ウィウ 第3話

なんだ、この二人、僕を探してんのかぁ。

見たところ・・・

男のほうはてんでダメそう。多分、気合だけで吹っ飛んでしまいそうだ。

女の子のほうはちょっと強そうだな。とはいっても全然僕の相手にも

ならないけど。

「僕の名前はドーザ・ウィウ。種族はエルフで長い間魔法使いやってる。」

男「俺の名前は武器野健だ。」

女「私は武器野由美。あなた、悪い魔導士のこと知らない?」

あらら・・・名前を言

もっとみる

武器野 由美 第1話

私の名前は武器野由美(ぶきのゆみ)。

私には両親はいないけど、おじいちゃん、おばあちゃん、

それに双子の弟、健(けん)がいる。

おじいちゃんたちに聞いた話では、

何でも私たち姉弟は空から降ってきたらしい。

いつも冗談ばかり言うおじいちゃんたちだから

どこまで本当かはわからないけど。。。

おじいちゃんが農作物を町に売りに行ったときに、

「都スタークスでは数日前から悪い魔導士が現れ、

もっとみる

武器野 健 第2話

俺の名前は武器野健。

曲がったことが嫌いな剣士だ。

都で悪い魔導士が暴れて困っているという噂を聞き、

双子の姉 由美と一緒に旅に出たところだ。

家を出て半日経ったころだろうか・・・

やっと敵のお出ましだ。

空から鋭いかぎ爪を持った巨大な怪鳥が

俺たちに向かってまっすぐに降下してきた!

「由美っ、下がってろ!」

俺は武器野家に代々伝わる剣「竜間(たつま)」を抜いた。

そして怪鳥

もっとみる

ドーザ・ウィウ 第2話

スタークスの町に来て3日経った。

相も変わらず、僕には仲間が出来ない。

「魔物を引き寄せる呪い」のせいだということは百も承知だけど、

ここまで誰も寄り付かないとさすがにへこむなぁ。

大きな町だし、冒険者がたくさん集まるから一人ぐらいは

仲間が出来ると思ってるんだけどね。

今日は、町の入り口で新しく町に来る冒険者に

片っ端から声を掛けてみたけど、僕が名乗った途端に

さっさと逃げてしま

もっとみる

武器野 健 第1話

俺の名前は武器野 健(ぶきのけん)。
双子の姉である武器野 由美(ぶきのゆみ)と一緒に
旅をしている。

なにやら都では、怪物が悪さをしていて
ほとほと困っているそうだ。

じいちゃん、ばあちゃんからその話を聞き
二人で旅に出たばかりだ。

俺の武器は武器野家で代々伝わる剣「竜間(たつま」)。
由美は、これまた武器野家で代々伝わる弓「白葉(はくば)」。

おそらくこの辺では最強の武器だ・・・と思う

もっとみる

ドーザ・ウィウ 第1話

今日も一緒に旅をしてくれる仲間はいなかった。

スタークスほどの町の規模でのギルドに行けば
たくさんの冒険者たちとも会えると思ってたのにな。

あ、僕の名前はドーザ・ウィウ。
火を操るのを得意としている大魔法使い。

火だけ得意じゃなくて、水の魔法、風の魔法など
たくさんの魔法を使いこなせる。まさに大魔法使い。

他の魔法使いに比べれば、僕は冒険には
うってつけの仲間だと思うのだが、
僕が名前を名

もっとみる