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彼岸花が咲く島,李琴峰,第165回芥川賞受賞

女性だけが許される不思議な「言葉」や、「風習」がある島の物語。

その島では、神職を担う限られた女性しか島の「歴史」や「しきたり」を知ることを許されない。

子供を産むかどうかは女性が決め、産んだ後は育てたい人が育て、島全体で子供は島の宝という風土の中でみんな暮らしている。家族という言葉がない。

なぜ、女性だけが担う言葉や役割があるのか、なぜ家族という言葉がないのか。

読み進めていくにつれて、その謎が明らかになってきて、今の社会のあり方や歴史を考えてしまう小説です。


不思議な読後感がある小説ですが、とても現代を反映しており、幅広い社会的な問題を包括しています。

ジェンダーはもちろん、外交や安全保障、文化や歴史など読みながら考えさせられます。

参考文献は、与那国島の歴史書が多く、おそらく与那国島をベースに描かれていると思います。


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