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介護や医療や福祉のこと

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医療や介護についての記事をまとめています。
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#作業療法士

リハビリテーション

砂原茂一著、岩波新書1980 日本におけるリハビリテーションの流れや世界での障害者に対する社会の変遷から、人権や社会のあり方について考えさせられる良書です。 本書の発行は、1980年と現代におけるリハビリテーションの実際や法体系とは異なる部分も存在します。 しかし、リハビリテーション自体の理念やリハビリテーションの分野においては、その始まりがより理解出来るでしょう。 また、40年以上前にもかかわらず、治療の限界を問い、リハビリテーションは今後の医学に普遍的な目標とされな

人生観、仕事観を変えた1冊〜患者さんの生活習慣を改善し、医療者の技術を向上すれば、病気や障害は良くなると思っていた〜

りぷらすでは、当事者へのアプローチ、社会を作るアプローチ、同時に2つのアプローチを実践している。 この、「社会」について知る機会となった1冊との出会いについて記事にしています。 リハビリテーションってすごい理学療法、リハビリテーション、医学って凄い! こんなにやりがいのある仕事に出会えて幸せ! そう思って、理学療法士の学校に入ったのが23歳の時。 1つ目の実習先では、急性期病院でICUや心リハを、 2つ目の実習先では、大学病院の付属病院(亜急性期)で脳卒中のリハを経験。

療法士は供給過剰になるのか?

僕が、理学療法士になったのは2007年で27才の時。 2002年〜2003年に、養成校に入ろうと考えていた。 その時からすでに、療法士供給過剰論を唱える人がいた。 当時の僕には、将来のことなんか良く分からなかったが、理学療法士になって良かったと心底思う。 履歴書すら書き損じがあった僕を採用してくれた、当時の上司のおかげで、 本当に運良く病院のリハ助手と言う職業にありつけた。 そのおかげで、本当になりたいと思える職業に出会えた。 そして、3年勤め、再び学生になった。 2

要介護者は、「社会参加」の前に「生活参加」を考えた方が良いと思う。

その人にとって大事なのは、どのような社会へのどのような参加なのだろうか?一般的に介護から卒業することや、介護状態の予防の取り組みにおいて、受け皿となる通いの場が必要と言われることが多いが、これでは不十分だと思っています。 地域づくりによる介護予防を推進するための手引き もちろん、自宅の外に、週に何回、誰と、何をするのか、という社会参加は重要であり、社会的孤立自体の現状や予防は極めて重要です。 健康指標との関連からみた高齢者の社会的孤立基準の検討 10年間の AGES コ

リハ職の地域偏在と開業について

こんな記事が出ましたので、黙って見過ごす訳にはいきません。 理学療法士などリハビリテーション専門職による開業(例えば訪問リハビリステーションなど)を認めた場合、地域偏在が進行し、病院での質の高いリハビリ提供に支障が出る恐れがあることから、病院団体して反対である。 とはいえ、僕自身の今の考えも、リハビリテーション専門職の開業(医療保険事業の認可)には反対です。 ですが、上記のコメントはどう考えても、病院の既得権益を守りたいと、言っています。 ここも言いたい事たくさんありま

「森のようちえん」と「ショッピングリハビリ」と「りぷらす」

子供と介護予防と高齢者福祉。これらが一体となったイベントが、気仙沼で行われました。 それぞれが、制度も別で、一緒の時間に同じ場所で企画されるのが珍しく、とても学びになりました。 共通するのは、「生きがい」、「やりがい」ということ。 そして、本人の想いを尊重しその場を作り、持続可能な仕組みとしていること。 子供、母親、高齢者、要介護者など。一方で、支援者にとっても。 「生きがい」、「やりがい」の実現を目指せば目指すほど、QOLやADLや幸福度は高まっていく。一方で、それと同じ