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55でフランス人と再婚した母の話

母は、50を過ぎて単身フランスに渡り、55でフランス人と再婚して、南フランスの地中海沿岸で毎日楽しく暮らし、60でがんのためあっさり亡くなってしまいました。
フランスでの母は、毎日趣味のダンスをして(旦那さんはダンスのパートナーだったんです)、大好きなワインを飲み、好きなピレネーの山々を眺めて過ごす、というそれはまあ夢のような暮らしをしていました。

うちは母子家庭で、母はかなり苦労して子育てをしたと思うのですが、50でようやくそれが終わって自分の時間を持てるようになってから、ものすごい勢いでやりたかったことを実行し、そして一気に人生の最高の幸せを自分で掴んでいった母のストーリーは、なんだかできすぎていて眩しいようで、こちらがその輝きに目が眩んでいる間に気づいたらいなくなってしまった、みたいなそんな印象があります。いや、やっぱり亡くなるのが早かったなぁ、もう少し幸せに暮らしてもいいんじゃないかなぁと思いますね。

近所の葡萄畑ですね

母が生きていた頃に訪ねていって、遊びに行ったいろいろなフランスの街や村、また亡くなった後に訪れたいろいろなところについて、記録のためにちょっとずつ書き留めていたものがあり、それをこちらでも紹介していきたいと思います。
街ごとに紹介していて、半分くらいは旅行記のような、半分はガイドブックのような、そして少しずつ母との思い出や家族のエピソードが入ってくるような内容です。
なにぶん10年くらい前に書いているので、今は実際様子が違っている場所もあるかと思います(が、経験上フランスの地方の村って10年くらいだとたいして変わらない気がする)。その点はご容赦ください。

カルカソンヌの城壁から見た街です

フランスの田舎の方の、流されない強さは持ちつつもどこかのどかなあの独特の雰囲気が構えることなく伝わればなぁと思いますし、随所随所に挟まるエピソードから紡がれる一つの家族のストーリーを見ていただいても良いと思います。
また、何しろあまり外国人慣れしていない(ホストファミリーとか旅行業の人ではないということです)普通のフランス人の家族と同行しているので、もしかしたらあまり馴染みのない街や村が出てくるかもしれない点もこのコラムの特徴です。

ペズナスの通り
マルシェ(市場)のソーセージ売り

よく出てくる場所は、基本的にフランスの南西部の地中海沿岸です。ペルピニャン近辺、ベジエ近辺に拠点があったので、そこから車で行ける範囲が多くなっています。観光で有名なプロヴァンスでもなく、マルセイユやニースの方でもなく、それほど大きな観光地もないところですが、それだけに素朴なとてもいい街ばかりで、その良さを少しでも紹介できたらとも思っています。

主に丸で囲った地域が多いです(たまに飛び出します)

もし興味を持ってご一読いただけたら、本当に幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。


※なお、母の一生については「55歳でフランス人と結婚した母の生涯」にまとめましたので、よかったらこちらもあわせてご覧ください。


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