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2人目の書き手による自己紹介

 こんにちは。今これを読んでいるあなた(なんだか歌詞みたいですね)は、以前からこのアカウントの記事を読まれてきたのでしょうか。それとも偶然表示された見出しを、ぽんと押してみたのでしょうか。

 いずれにせよお伝えしたいのは、私がこのアカウントの2人目の書き手であり、これが初めての記事だということです。午後の陽光も遮る古本屋の隅で、ノンフィクションが並ぶ本棚にすっと、おそらくは店主の気まぐれか間違いによって差し込まれてしまったSF小説がいまのわたしの立ち位置です。異星人でありますが、これから次第にこのフィールドにじわじわと侵入していく予定です。家主であるkokiよりも筆が進めばの話ではありますが。

 話を聞いた時は驚きました。noteで私の記事を紹介してもいいかと言うので、てっきりこれまでに私が自分のアカウントで書いた記事のリンクなんかを、ぱっと貼ってくれるのかとでも(それだけでも光栄なこと)と思っていたら、まさかの、そしてもっと心躍る、共同執筆場へのお誘いだったのです。

 kokiにはいつも驚かされます。私たちは高校の同期ですが、大学は関東と関西、医学部と文学部、趣味もサークルも異なります。高校の同期ですが、クラスも部活も違い、高校時代に話したことはほぼありませんでした。大学生になって私が団体を立ち上げ、オンラインイベントを開いた時に、その宣伝をSNSで聞きつけ、とても小さなイベントだったそれの参加者になってくれた、というのが最初のはっきりした接点だったのではないかと思います。突然真っ暗な画面に白抜きで表示された彼の名前に驚いたのは、およそ1年前のことです。私たちはもともとリアルの知り合いでしたが、zoomでより親しくなったという点で、ある意味現代っ子な人間関係の構築の仕方をしているといえるでしょう……

 わたしがnoteを始めたのは、その団体を立ち上げたことと関係があります。

パレスチナのこと<わたしが書く理由・ガザについて>|さいとうゆずか #note https://note.com/zukka___yuzuka/n/nded8b0294340

 この記事は自分がパレスチナという国のこと、そこで暮らす人々のことをどのように知り、どのように心を動かされたのかということを記したものです。行ったこともない、これから行くことも難しい遠い国のことが、なぜ「遠い国のこと」と済まされなくなったのか。それは、国や集団で全てを理解しようとしてしまうのではなく、そこに暮らす「○○さん」を想像することができたからだと思います。でもそれは簡単なこと、あるいはひとりでできることではなくて、きっかけが必要なのだと思います。わたしがひとりの医師の講演会で心を動かされたように、言葉、あるいは行動、アイディア、企画、なんかで心が動くきっかけをつくりたい。当事者と支援の専門家だけがSOSを上げていて、その声がかき消される・なかったことにされる社会を変えたいのです。わたしが出会ったのはたまたま、パレスチナ問題や難民問題で、それらを通してほかの社会問題も、「社会みんなの問題」にするにはどうしたら良いかということを考えていきたいのです。

 社会を変えたい、と叫んだところで、自分が社会の一員にほかならないことは、忘れてはいけないと思います。きっかけがなければ自分だって、関心をもつことなく通り過ぎていたかもしれない。関心の低い人に問題があるのではなく、出会うきっかけをたくさんつくっていけばいい。この世界にいる他の誰かのことが気になるって、そんなに特別なことじゃないはずだから。自分が住んでる世界がより温かい場所だったらいいななんて思うのは、そんなに特別なことではないはずだから。

 講演会を企画したり、パレスチナの大学生とzoomで交流したり、活動内容や難民問題についてフリーペーパー・SNSで発信したり。活動は2年目に入り、今は15人いるメンバーと一緒に試行錯誤しています。そんなSHIRORU(しろる)というチームのことも、どこかで書けたらいいなと思います。SHIRORUにはnoteのアカウントもあるので、もしよかったら覗いてみてください。

 わたしの内側についても、少しだけ記しておきましょう。幼いころから好奇心と積極性が強めの、まあ、言ってしまえば目立ちたがり。その一方で変に人の目を気にするところもあります。本を読んだり、考えたりすることも好きで、決断は苦手。自分の様々な面を自分でも理解しきれないのに、他人に分かってもらうなんて無理だろう、と諦めながら人間関係をやり過ごすように生きてきて、時々それが、すごく寂しくなるのです。

 枯れそうな心を浸すように本を読んできました。誰かが紡いだ言葉や物語に救われてきました。自分を取りまく状況も、自分自身も、本を読んだから変わるというわけではないけれど、今まで自分が持っていなかったレンズを与えてくれる感覚。そのレンズで覗いてみれば、世界は自分が思っていたよりも優しく、面白く、明日も生きられる場所だなと思えるのです。

 だからわたしは文章を書く、というと飛躍しすぎかもしれませんが。自分のレンズを磨きながら、新しい1枚をつくりながら、誰かにレンズを配れたらいいなと思うのです。様々な考えを、想像をここで言葉にすることで、その夢に近づいていけたらと思います。

 改めて招いてもらったことに感謝しつつ、また活字を通して会える日まで。

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