クリィムソーダの記憶 総集編(A面)
【短編】全14,708字の小説となります。
0. 大切な日のこと 私は今このとき、誰が見てもわかるくらい猛烈に緊張していた。
生きている中で一度しか迎えないであろう、大切な日。人生における一大イベント。唯一、主役として輝ける瞬間。式にはありがたいことに、たくさんの人たちが私たちを祝福しに駆けつけてくれた。
式は至って滞りなく順調に進行していく。ドラマで見るような、花嫁を奪いにやってきたという招かれざる客も現れる気配がない。
ウエディングケーキに入刀する段になって