私の短歌:「ペット」を詠んでみた
コロナ禍で急に飼い始めた犬は君の都合で保健所行きか
2021年10月17日、NHK短歌のお題は「ペット」。ペットを飼っていない私にはこのお題はちょっと難しかったです。私はどちらかというとペット否定派。災害の時に連れていけるわけでもない動物を自分の都合でそばに置く、都合が悪くなったら手放す、というのはちょっと勝手じゃないのかな、と常々思っています。昨年、急に犬や猫を飼い始めた知人が増えました。「在宅勤務になったから」「外出できないから」と言っていましたが、コロナが収まりつつあるこの後、どうするんでしょうね。
インコインコインコが群がる樹がありて放った人の頬を張りたい
川崎フロンターレのサポーターである私は、月に2回は等々力陸上競技場に足を運んでいます。(コロナ禍では足が遠のいていますが)その入り口である緑地の一角に、飼い主に放たれたインコが大量に群がる樹があります。近隣の住民が声やフンの被害に悩むほど、夏は本当ににぎやかです。ペットを飼うときは、責任を持って最後まで面倒を見て欲しい。そうできる自信がないのであれば、飼わないで欲しいのです。
母の恋が奪っていった父の写真と九官鳥のピコの命を
そういう私も、小学生の時は九官鳥を飼っていました。私の名前を叫んでくれる自慢のペットでした。掃除や餌やりは私が一人でやっていたのに、母が再婚してほどなく、ピコの姿は消えました。引っ越した先が養父の実家で、血のつながらない祖父母や叔母、そして近所の人には騒音としか聞こえなかったのでしょう。
「欲しいという人がいるからあげた」「あんたが世話をしないから」と言われましたが、毎日、ちゃんと世話をしていましたし、誰にあげたとか、見に行っていいのかと聞こうとしましたが、ごまかされました。私は血のつながらない祖父が鶏をさばいていた姿を思い出しました。そして、再婚の前に父の写真を切り刻むよう言われ、ネガまで鋏で切った夜のことも。(終わり)
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