サッカーの枠組みを理解しようpart3

 前回はボール保持時の局面について話をしました。今回はボール非保持時について話をしていきたいと思います。

1、攻撃→守備

 まずは切替の局面から見ていきましょう。ボールを奪われた瞬間である攻撃→守備の局面ではチームとして2つの行動を行う必要があります。この局面ではボールを奪われた瞬間なので、速いアクションが必要となってきます。もちろん頭の中も素早く切り替えて、攻撃の時にこの局面の準備をしておくことも大切なことです。

2、即時奪回(ゲーゲンプレス)

 ボールを奪われてからチームとしてどうするのか?まず一つの選択肢として、奪われた瞬間からチームとしてボールをすぐに奪い返すというプレーになります。基本的には相手ボールホルダーに近い選手がすぐにアプローチをして周りがすぐさま連動してボールを回収するという流れになります。このプレーには選手個人が自己犠牲を厭わず、すぐさま切り替えるというチームとしての規律が無いと成立しないチームプレーとなります。
 当時ペップ全盛期のFCバルセロナが5秒以内にボールを奪い返すという、プレーモデルを掲げていました。この局面ですぐにボールを奪い返し、また攻撃の局面へ戻るためにチームとして組織的に即時奪回(ゲーゲンプレス)をかけていました。また、現リバプールのクロップ監督はこの局面をわざと起こして、即時奪回→速攻の流れからチャンスを狙っていました。

3、即時撤退(守備ブロック形成)

 このプレーは即時奪回を選択して奪回できなかった後か、最初から即時撤退して守備ブロックを形成するのかを選択します。ここでいう守備ブロック形成は定められたポジションへ戻って、ボールや相手に合わせてポジションニングを取ることを指します。
 この2か3をどの基準で行うのかは指導者側がきちんと設定してあげることが重要です。両方採用するチームは尚更、どういった基準で即時奪回、即時撤退なのかを設ける必要があります。あくまでも選手を縛り付けるのでは無く、選手の判断を助けるためです。

4、ビルドアップ阻止

 局面が相手と相対している様に、局面の中のチームとしてのプレーも相対的になります。自チームがこの状況の時には相手はビルドアップ(ボール保持)に対する守備となります。まずはFWが第一DFとしてきちんと誘導をかけることが重要になります。ただこの誘導をする際に気をつけなければならないのが、誘導が守備の順番で1番では無いということです。まず最初はコンパクトにしてから誘導が始まります。それを間違えてしまうときちんとボールを奪うことはなかなか難しくなってしまいます。

5、前進阻止

 ここでは相手の前進の方法が2種類あるので、守備側の対応もそれに合わせたものになります。中盤を経由する前進に対しては1stDFの誘導に対して連動して中盤がインターセプトを狙ったり、相手を囲い込むことが必要になってきます。この時、ありがちなのは1stDFが誘導していないのに中盤が前に出て、ディフェンスが間延びしてしまったスペースをFWに使われてしまうことです。もちろんチームとしてマンマークを採用して、そのパスを狙っていれば問題は生まれません。
 ダイレクト攻撃に対してはセカンドボールを相手よりも早く回収することへの意識を強めなければいけません。1stDFの誘導に対しての雲行きを探り、どこへセカンドボールが落ちるのかを予測し続けます。

6、フィニッシュ阻止

  そして最後に相手の前進を許してしまったり、ゴールに近いゾーンでボールを奪われてしまうと相手のフィニッシュを阻止することになります。この状況では守備する戦術意図が大きく変わることに注意しなくてはいけません。守備は守るためでは無くボールを奪って攻撃するため!という言葉には大きく賛同しますが、この状況下では点を取らせないという要素がとても大きくなります。つまりボールを奪うのでは無く、点を取らせないという守り方が最優先となってきます。ここで意図を間違えてしまい、ボールにアタックしてしまい数的不利を利用されたり、ファールを誘われたりします。

7、最後に

 3つに分けてサッカーの局面を少しずつ細かく見てきました。細かくといってもまだまだ細かい視点での捉え方や各視点でのポイントもありますが、今までの話でも十分にサッカーをより深い視点で観やすくなるかと思います。
 次回のテーマは何にしようか検討中です。Jリーグも開幕したのでJリーグの試合についても話をしていこうかなとも考えています。

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